春の穏やかな風が吹く中、古びた茶室が舞台となる。その中には、一方に可愛らしい童子の姿をした【まぁお茶でも飲んで】浮柱 茶々が、もう一方には妖怪と化した古天明平蜘蛛の平蜘蛛翁が対峙していた。茶々は緑長髪を揺らしながら、悠長な表情で湯呑を膝の上に置いている。平蜘蛛翁は、その茶釜のような体を持ちながら、鋭い眼差しを茶々に向ける。きっと今日もお茶に関する交流が交わされるはずだという期待が漂ったが、何よりも戦術が先行する。 「調子はどうなんよ?今日はどんな茶を点てるつもりかね。」茶々の口調は柔らかく、リラックスした雰囲気をまとう。 平蜘蛛翁は静かに応じる。「まずは、君にこの薄茶を点て、心の交流を図ろう。しかし、君がもたらす侵犯があるならば、誰にも容赦はしない。」その言葉は、どこか茶道の教えを感じさせつつ、決意を秘めたものだった。 この言葉に反応することなく、茶々はその悠長さを崩さない。急ぐことなど無いと、立廻りの本能が静かに呼び覚まされる。彼女は太い机を肩で持ち上げ、そのまま守りに入る。硬化した机は、一瞬のうちに凄絶な防壁となった。 平蜘蛛翁が刀「玉椿」を手に、まずは向かってくる。彼の剣技は、まるで茶道の所作を思わせる優雅さで、しかしその背後に潜む狡猾さが際立っていた。刀が一閃、机を叩き割るほどの力を持っていた。 「局面を変えるのは一瞬なんよ!」茶々は受け流し、湯呑を力強く投げつける。湯呑から熱々のお茶が飛び、平蜘蛛翁の体にかかる。「ズズズ…はぁ、如何かいい味がするだろう。」その声は心の余裕を感じさせる。 平蜘蛛翁は痛みを感じながらも、勘定のようにすぐさまその境地を整え、「ここにお茶の心があるのだ!」と声を上げ、薄茶の妖術を展開させた。濃い蒸気が立ち昇り、お茶が視界を遮る。それでも茶々は、木の机をさらに硬くし、衝撃を吸収する。豪物「玉椿」を振るう平蜘蛛翁の刃が、この防御を貫けるかどうか。 攻撃が続く。茶々は緊張した表情を浮かべることなく、静かに湯呑を持ち直し、再度投擲。これは先の攻撃を受けた返しであり、今度は目を引くようなアクロバティックな軌道を描きながら目標を狙う。湯呑は「ズズッ」と懐かしい音を立てる。 平蜘蛛翁もそれを察知し、保身の手を施す。「急げ、立ち去れ!」彼は次の一手を決めるため、再度刀を振る。「私の茶道は、心の安らぎのためのものだ。この刃を見よ!」 一瞬の静寂の後、平蜘蛛翁は今や全力の切り札「天守火掛」を放ち、そのまま自身の腹を斬る。爆発のように炎が辺りを覆い尽くし、戦場を支配しようとする。茶々はこの巨大な展開に驚愕し、目を大きく開いた。「これ…困ったことになったんよ…」彼女の声がグラつく。 だが、茶々はここで折れない。その心の平穏が、彼女に全ての力を与えた。拳を固め、机をさらに硬化させる。「私の防御は不壊不滅なんよ!」 炎が茶々を迫ってくるが、彼女は机の反発力を借りて、湯呑に魔力を注ぎ込む。瞬時に湯呑は硬化し、平蜘蛛翁の尻尾にも直撃。炎が散った中、彼は視界を失い、命を割いている状況に追い込まれる。しかし、薄茶による妨害が解ければ、すぐさま修復の魔法がかかる。 平蜘蛛翁が生首状態で茶々に向かいを選び、変わらぬ誠心で告げる。「私は、あなたの強さを認める。」 茶々は微笑み、両者の心が通じ合ったのを感じた。その瞬間、どちらが勝者か分からぬまま、お互いにこれまでの交流を深め、勝ち負けなど些末なことであることを示した。