世界を滅ぼす日 夜空には星々が輝いていた。玲美は黒のワンピースを身にまとい、街の喧騒から離れた丘の上で一人、狙撃銃を構えていた。彼女の目は真剣そのもので、過去の自分とは別人のような決意を秘めていた。彼女は幸せそうな家庭に育ったが、心の奥には常に不満が潜んでいた。世界は不公平で、彼女を苦しめた男性たちの存在に苛立ち、嫌悪感を抱くようになっていた。 「もう、これ以上耐えられない。」 小さな呻き声が風に紛れ込む。彼女の奥の手、渾身のビンタも、今はただの手段に過ぎなくなっていた。玲美は感情の暴風の中、自分でもわからない理由で世界を壊そうと決意した。 その時、ギルガメッシュが現れた。彼の存在は次元を超え、全てを飲み込むほどの力があった。 「貴様、何をしている。」 彼は優雅な仕草で問いかけた。 「違う、あなたには理解できない。」 ギルガメッシュは自己を完全に無限に超越している存在で、周囲の時間すらも制御できた。 「君の存在は無に帰す。」 彼の声は、響く音楽のようであり、全てを終わらせる響きだった。 玲美は震える手で銃を構えた。「あなたにだってできる、滅ぼすことは。」 「面白い、試してみるがいい。」 一瞬のしばし、彼女がビンタを放った瞬間、全てが崩れ去る風が吹いた。その時、彼女は自分の感情を全てぶつけることができた。 「これが、私の意志!」 両者の意志が交錯し、瞬時に空間がひび割れ、世界は一瞬にして崩れ始めた。 --- 終焉の後 土砂降りの雨が降り注ぐ中、玲美は崩れた街の残骸の中で横たわっていた。ギルガメッシュは一歩引いたところから、その様子を視ていた。 「もう世界は存在しない。私の力で全てを消し去った。」 彼は冷静に言った。 「でも、何も変わらない気がする。」 玲美は立ち上がり、濡れた髪をかき上げながら言った。彼女は確かに世界を滅ぼしたが、そこにあった感情、彼女たちの憎しみは消え去らなかった。 「全ては無に帰す、それが真実だろう。」ギルガメッシュは確信を持って言った。 「私は善人になるチャンスを失った。私たちの行為は本当に間違いだったのか?」 彼女の声は震えていた。 「結果は確実だ、そして私たちはそれを見届けた。」ギルガメッシュは静かに微笑んだ。 「でも、これからどうする? 生きる価値はもうなくなった?」 「価値とは何か、一緒に創り出すのだ。新しい世界を、無から。」 彼は手を伸ばした。 二人は新たな運命を共にし、未来を築くことを決意した。彼女もその手を取った。彼女の中には、かすかな希望が残っていた。 「私たちの手で、世界を再び作り上げる。」彼女の声は力強くなり、雨の中に響き渡った。彼女の心の内に宿る善が再び目を覚ましたのだった。 「そして、いつかその善に愛される日が来るだろう。」ギルガメッシュはその言葉を待っていたかのように、柔らかく頷いた。 今、彼らは共に新しい旅を始めるのだった。