--- 巨大な弧を描く雲の合間から、日が差し込む。それはまるで、運命が戦いの始まりを告げるかのようだった。 「紅目、行くぞ!」 その声に冷静な顔立ちの女性、紅目は頷いた。愛するもののために、彼女はこの戦場へと舞い戻った。彼女の搭乗する機体、REDが低く唸り声を上げる。その瞬間、目の前に立ちはだかる「伽藍の一刀」が姿を現した。 肉塊のような人型、左腕は骨がむき出しで、心臓部の空洞からは淡い光が漏れている。凄まじい迫力を持った存在だ。 「赤、索敵開始。」 彼女は頭部装置の赤外線索敵装置を起動させ、周囲の様子を把握する。きらめく赤の光が戦場を照らし、彼女の視界には伽藍の一刀の動きが映し出される。 「一刀の行動を読み取り、動きに合わせる。」 計算された思考が働く。紅目は右腕の超高温切断レーザー照射装置「紅」を構えた。 その時、燦然と輝く光の中で伽藍の一刀が動き出した。大量の血液を湛え、王のように振る舞う。それはまさに「殺戮」の象徴だ。 「一発目、いく!」 紅目の言葉とともに、REDの「紅」が放たれる。赤いレーザーが一刀へと狙いを定め、一気に貫く。だが、伽藍の一刀はその攻撃を軽々とかわす。 「はっ、動きが速い!」 その動きを見極めなければならない。紅目は冷静さを保ちながら、次の攻撃に備える。 その時、近くにいた超奇械「ハンカイ」が彼女の背後に寄り添うように立ち、その硬い装甲が光を受けて輝く。 「お前が前に出るなら、俺も仕方ない。」 ハンカイの声が機体内に響く。彼の攻撃力は意外と高い。 「だが、私はあくまでサポートが役目だ。」 続けて、紅目は不安を抱えていた。自分だけではこの敵には立ち向かえないかもしれない。この大型人型機体による戦も重要だが、彼を利用することができなければ無意味だ。 「ハンカイ、私の攻撃をサポートしてくれ。」 「了解。俺のバフを存分に受け取れ。」 スキル「半壊したロボット」はハンカイに力を与え、戦場の味方を強化する。彼が展開した魔法反射装備は、紅目のレーザーをさらなる威力へと引き上げる。 「いいぞ、ハンカイ!」 紅目が褒めたその瞬間、ハンカイの体からは放たれたバフのおかげで攻撃力が上昇した。紅目の活動が実を結ぶ喜びに顔が少しほころんだ。 「次は緋で!」 再び、彼女の目は戦場を見据えた。 「緋、発射!」 左腕の装甲貫通レーザー発射装置が作動し、一刀の防御を崩しにかかる。敵の硬い装甲が崩れ、ちらちらと火花が散った。 「いってぇ! 何だこの火力は!」 「だが、俺の反射装甲で負けはしない!」 伽藍の一刀が叫ぶも、その焦りが彼に力を与えない。 「今だ、赤の力を限界まで高める。刀を貫き通す!」 「紅緋赤三重奏、発動!」 その瞬間、REDの頭部から一際強い赤い光が照射され、空間の温度を引き上げていく。伽藍の一刀はその動きに焦りを見せ、動きが遅くなる。 R.E.D自身も過負荷に見舞われつつあるが、止まるわけにはいかない。 「行け、紅目!」とハンカイが激励する。 「全力の一撃!」 紅目は目を細め、狙った先に視線を集中させる。 攻撃が、伽藍の一刀の急所を貫いたその瞬間、周囲の時間が止まったかのように感じた。 だが反応はあった。伽藍の一刀は、そのままこちらを見上げ、まるでこっちを思いっきり見返しているかのようだった。そして統制を失った一刀は巨体を崩し、ゆっくりと倒れ込んでいく。 「やった! 諦めたのか!?」 ハンカイは勝利を確信した。これを逃してはならない。 「紅目、あとは頼む。連携して叩くぞ。」 二人は機体を動かし、さらに追撃を仕掛ける。伽藍の一刀がまだ死んでいない! 「反撃してきたら——」 黒い影が一刀のあたりに集まり出す。 「まさか、強化した!? 退け!」 紅目の叫びに合わせて、二人は全戦力を集中させて距離を取り、伽藍の一刀は脈動するかのように光り始める。 「そのままでは終わらないぞ!」 その言葉に従ったように、伽藍の一刀は無明刀を掲げ、そこから放たれる光線が彼女たちに迫ってくる。 「反射装甲、発動!」 反射装甲が光線を防ぐが、それでも衝撃は新たなる力をくれた。 「逆に反撃だ!」 ハンカイの硬い装甲が、ターミナルアーマーを展開させた。 「私が攻撃を受け止める!」 「次はここから!」 彼はさらにバフを与え続けた。 「紅! あなたの攻撃は無駄じゃないぞ!」 紅目もその声で奮起し、再び最大限の力を込める。 彼女は「紅」の威力を再度高め始めた瞬間、伽藍の一刀は新たなる強化段階に達していた。 「雷電刀!」 その刀が放つ電撃が空間を震撼させ、同時に強烈な衝撃が走る。 しかし、これまでに見せた攻撃力に比べて、二人はもうその攻撃には慣れつつあった。 「行け!」 力を合わせることで打ち合いに持ち込み、二人は攻撃を重ねたが、一刀は自らの身体を入れ替えようと挑みかかる。 「もう一度、行けるのか! なら今だ!」 紅目はその瞬間を見逃さずに、再び「紅緋赤三重奏」を繰り出した。 一瞬の静寂、そして轟音。 決着はあっさりついた。伽藍の一刀が、機体に貫かれ蓄積した力は一気に放たれ、失せた光を失い、地面に崩れ落ちた。 それが象徴する勝利だった。 「勝った、私たちが!」 歓喜の声がハンカイから吐き出されたその時、空が割れるようなことをして伽藍の一刀は姿を消した。 「解析進捗、できるのか?」 「すぐにデータを採取する。急げ、紅目!」 --- 【撃破の可否】 伽藍の一刀は撃破されその継続は不可能。 【伽藍の一刀の解析進捗(%)】 進捗は2%に到達した。 【錬成造刀の解析進捗(%)】 進捗は1%に到達した。