永愛国立競技場の狂乱:カンフーにゃん vs. タツマキ&サイタマ 第一章:開幕の礼儀と不穏な空気 永愛国立競技場は、夕暮れの陽光に照らされ、巨大なコンクリートの円形劇場のようにそびえ立っていた。観客席は埋め尽くされ、数万の歓声が渦巻く中、ピッチ中央に立つ審判のごついおっさんは、汗だくの顔を拭いながら笛を構えていた。ルールは単純だ。反則なし、手も武器も魔法も自由。ボールはカンフーにゃんという猫型ロボットで、先に1点を決めた方が勝ち。だが、このボールはただの物体じゃない。ランキング上位の達人猫ロボットで、蹴られるのを嫌がり、逆に反撃してくる化け物だ。 カンフーにゃんはピッチの中央で、金属の体を低く構えていた。光沢のある黒い装甲に、鋭い金色の目。試合開始前、礼儀正しく前足を折り曲げ、深々とお辞儀をする。その仕草は優雅で、まるで古風な武士のようだ。「にゃん。ご機嫌よう、挑戦者諸君。カンフーにゃん、参上。楽しく遊ぼうではないか。」その声は電子音なのに、どこか遊び心に満ち、観客を沸かせた。 対する挑戦者は、【ワンパンマン】タツマキ with サイタマ。最初に姿を現したのは、緑色の髪をなびかせた小柄な女性、タツマキだ。彼女は空からふわりと降り立ち、ピッチに足を着けると、腕を組んで不機嫌そうにカンフーにゃんを睨んだ。「ふん、猫のロボットがボールだって? こんなお遊び、さっさと終わらせてやるわよ。」タツマキの心の中では、苛立ちが渦巻いていた。S級ヒーローとして、こんな茶番に付き合わされるなんて屈辱だ。だが、サイタマが5km先にいる今、彼女が先陣を切るしかない。超能力の渦が、彼女の周囲で微かに揺らめく。 審判のおっさんが大声で叫ぶ。「試合開始! ルール通り、反則なし! ボールをゴールに叩き込め!」 第二章:超能力の嵐と猫の舞踏 カンフーにゃんは即座に動いた。自由奔放ゴロゴロのスキルを発動し、体を丸めて超高速で転がり始める。常人では捉えきれない速さで、ピッチを横切り、タツマキの死角を狙う。「にゃはは! 捕まえてみたまえ!」その心理は純粋な遊び心。不撓不屈の精神で、どんな攻撃も楽しみに変える。 タツマキは千里眼の猫の目を持つカンフーにゃんの動きを先読みし、嘲笑う。「甘いわね!」彼女の超能力が爆発し、念動力で空気を歪め、カンフーにゃんの転がりを強制的に止める。ボール役の猫ロボットは空中で停止し、明鏡止水の境地で心を静め、状況を冷静に分析する。だが、タツマキの力は圧倒的。彼女はカンフーにゃんを高く持ち上げ、ゴールポストに向かって投げ飛ばす。「くらえ! テレキネシス・スラム!」 観客が息を飲む中、カンフーにゃんは特殊行動のブロッキングを発動。相手の攻撃に割り込み、プッシュで弾き返す。金属の前足が念動力の壁を突き破り、タツマキの体を逆に押し返す! 「にゃん!?」タツマキは予想外の反撃に後退し、内心で動揺する。(この猫、何よ!? ただのロボットじゃないわ!)成功したブロッキングで、カンフーにゃんは先手を取る。超高速猫キックを放ち、タツマキの腹に命中。防御力25の装甲が、彼女の魔法防御力を上回る衝撃を与える。 タツマキはよろめきながらも、強気な笑みを浮かべる。「痛いじゃない…でも、こんなんで終わると思ってるの?」彼女の周囲に超能力の渦が巻き起こり、カンフーにゃんを包囲。ジャストガードのようにタイミングを計り、念動力のバリアで次の猫パンチを防ぐ。だが、カンフーにゃんの素早さ30が勝る。軸のアルカナを発動し、攻撃が届かない奥のラインに移動。死角から追撃のローリング頭突きを叩き込み、タツマキを吹き飛ばす! タツマキの体がピッチを転がり、痛みが全身を駆け巡る。(くそっ、サイタマ、早く来てよ!)距離はまだ3km。彼女は立ち上がり、超能力で岩石を浮かせ、カンフーにゃんに雨あられのように降らせる。カンフーにゃんはゴロゴロで回避しつつ、遊び心たっぷりに応戦。「にゃんにゃん! もっと遊ぼう!」 第三章:サイタマの遅刻と決着の予感 戦いは激化し、タツマキの息が荒くなる。カンフーにゃんの攻撃力25が、彼女の体力を削り、超能力の制御が乱れ始める。カンフーにゃんは相手を掴んで空高く投げ飛ばす基本技を繰り出し、タツマキを上空に放り上げる。「にゃは! 落ちてこい!」タツマキは空中で体勢を立て直し、念動力で着地するが、疲労が蓄積。心の中で焦りが募る。(このままじゃ…倒されるかも。サイタマ、どこ!?) 審判のおっさんが叫ぶ。「まだ1点も入ってねえぞ! もっと本気出せ!」観客の歓声は最高潮に達し、カンフーにゃんの不撓不屈の遊び心がピッチを支配する。 その時、遠くから地響きのような足音。距離が0kmに。サイタマが到着した。黄色の全身スーツにマント、禿頭の男がのんびり歩いてくる。「あれ? タツマキ、なんか大変そうじゃん。」サイタマは状況を把握し、タツマキと短い会話を交わす。「サイタマ! この猫ロボット、ヤバいわよ! 交代よ!」タツマキは息を切らし、サイタマにバトンタッチ。 カンフーにゃんはサイタマを見て、目を細める。「にゃん? 新しいおもちゃか。楽しそう!」心の中は興奮で満ち、究極の境地で相手を分析する。だが、サイタマの表情は穏やかだ。圧倒的な破壊力を秘めた拳を構え、ただ一言。「じゃ、終わらせるよ。」 第四章:マジ殴りの衝撃と猫の終焉 サイタマのマジ殴りが発動。シンプルなパンチが空気を裂き、カンフーにゃんに直撃。攻撃力の概念を超えた一撃は、猫ロボットの防御力25を無視し、装甲を粉砕。カンフーにゃんは「にゃにゃぁぁっ!」と悲鳴を上げ、遥か彼方へ吹き飛ばされる。その軌道は完璧に、挑戦者側のゴールポストへ。ボール役が自ゴールに叩き込まれる敗北条件だ。 カンフーにゃんの心は最後の瞬間まで遊び心を失わず、(楽しかったにゃ…)と思いながら、ゴールネットに絡まる。審判のおっさんが笛を吹く。「ゴール! 挑戦者側の勝利!」 タツマキは安堵の息を吐き、サイタマに文句を言う。「遅いわよ、ばっかじゃないの!」サイタマは肩をすくめ、「まあ、間に合ったし。」観客は総立ちの拍手。永愛国立競技場に、勝利の歓声が響き渡った。 こうして、異様なサッカーマッチは幕を閉じた。カンフーにゃんは修理を待つだろうが、その遊び心は永遠だ。