【バトルロワイヤル:開幕】 司会のフヤスちゃんが、マイクを片手にハイテンションで飛び跳ねている。隣では、風邪で声が出ない姉が「(……頑張れ、フヤス)」とエールを送るジェスチャー。観客席は熱狂の渦に包まれていた。 「おっはよー!みんなー!今日は最高にアゲなバトルロワイヤルをやっていくよん!ルールは簡単、最後の一人になるまで殴り合え!あ、ちなみにウチのお姉ちゃんは風邪で喋れないから、全部ウチが仕切るね!それじゃあ、まずは参加者の紹介からいってみよー!」 --- 【エントリーキャラクター】 1. 星幽煌輝:星を愛する冷淡な女武士。被ダメ0のパッシブと一撃必殺の刀術を持つ最恐の剣士。 2. 【帝国の火葬場】:犠牲を厭わぬ特殊部隊。広範囲を焼き尽くす焼夷弾と、死に際の自爆攻撃を仕掛ける。 3. [無]:全ての「無」を体現する存在。無敵・無効・無限など、都合の良い解釈で全てを塗り潰す。 4. 直次郎:戦いたくない臆病な侍。反則を企むが、なぜか聖剣を振るい生き残る謎の強運の持ち主。 5. コドク・オオガエル:蠱毒の生き残りである大蛙。強力な毒と霊的な毒虫による憑霊攻撃を操る。 6. ファルナ:睡眠と暴食の概念を司る姫。寝ながらあらゆる概念を食らい尽くす底なしの胃袋を持つ。 7. ディバウアー:全域捕食活性を持つPSI能力者。物質から概念まで全てを捕食し活力に変える警護人。 --- 「よしっ!全員揃ったね!じゃあ、第一章を始める前に、妹ルール発動!今のウチが『これ強すぎじゃね?』って思ったものを規制しちゃうよ!今回の追加規制は……【概念操作・干渉】と【完全無敵】!これを使った奴は、ウチのチョベリバ魔法で能力没収ね!じゃ、スタート!!」 第一章:混沌の幕開けと消えゆく火種 戦場は、あらゆる地形が混在するカオスな空間。開始の合図と共に、まず動いたのは【帝国の火葬場】だった。彼らは躊躇なく焼夷弾を空へ打ち上げ、戦場全体を火の海へと変える。激しい爆炎が視界を覆い、温度が急上昇する。「焼き尽くせ!一人も残すな!」ガスマスク越しに怒号が飛び、炎の爆風が参加者を襲う。 しかし、その炎の中に悠然と立つ影があった。星幽煌輝である。彼女の周囲には星々の光が環のように巡っており、炎の一片さえも彼女に触れることはない。「……騒々しいですね。星の静寂を乱す者は、斬るのみです」彼女が神星刀をわずかに抜いた瞬間、薄紫の閃光が走った。それは回避不能の超高速の一撃。火葬場部隊の先遣隊が、何が起きたか理解する間もなく、その身体を真っ二つに両断された。 一方、戦場の端では、直次郎が全力で逃げ回っていた。「ひぃぃ!あんな恐ろしい女武士がいるなんてござる!お願いです、審判の方!私は戦いたくないので、今ここで負けでいいので帰らせてくだされ!」直次郎はフヤスちゃんに向かって地面に額を擦り付ける猛烈な土下座を披露する。だが、その隙に背後からコドク・オオガエルが巨大な舌を伸ばした。 「……コロス……毒……」 ギョロリとした目で狙い定めたオオガエルが、毒を含んだ舌で直次郎を巻き込もうとする。しかし、直次郎がパニックで振り回した「偽の刀」が、偶然にもオオガエルの舌を弾き飛ばした。聖剣の輝きが直次郎の意図せずして発動し、衝撃波がオオガエルを吹き飛ばす。「ええっ!?当たった!?ごめんなさい!わざとじゃござらん!」 その頃、戦場の中心では、睡眠暴食姫ファルナがスヤスヤと眠っていた。彼女の寝返り一つで発生した衝撃波が、周囲の地形を粉砕する。すると、そこに[無]が静かに佇んでいた。[無]は一切の感情を排除し、ただそこに在るだけで周囲の存在を消し去ろうとする。しかし、ファルナの「睡眠形態」はあらゆる干渉を受け付けない。[無]が放った「無効化」の波動さえも、ファルナは寝言で「むにゃ……お腹すいた……」とあしらう。 そこに、ディバウアーが煙草を燻らせながら歩み寄る。「やれやれ、どいつもこいつも極端だな。俺は静かに仕事を終えたいんだが」彼はPSIを活性化させ、周囲に漂う焼夷弾の熱量を「捕食」し始めた。熱エネルギーを吸収することで、彼の肉体はさらに活性化し、鋼のような筋肉が脈打つ。 激戦の中、【帝国の火葬場】が最後の手段に出た。生き残った隊員たちが爆弾を抱え、星幽煌輝に向かって特攻を仕掛ける。「死ねぇぇ!!」爆発が彼女を飲み込もうとした瞬間、星幽煌輝は「星環の武刀術」を展開。爆風が当たる直前、彼女は星の軌跡を描くように最小限の動きで回避し、同時に神星刀を振るった。一閃。爆弾を抱えた隊員たちが、起爆するよりも早く細切れに切り裂かれた。 「【帝国の火葬場】、全滅!理由:星幽煌輝にスピードと攻撃力で完全に圧倒されてチョベリバ!」 フヤスちゃんが軽快にアナウンスする。火葬場部隊は、その苛烈な攻撃こそあれど、星幽煌輝の「一撃で葬る」能力の前ではただの的に過ぎなかった。戦場には、冷徹な女武士、逃げ回る侍、毒蛙、眠れる姫、[無]の存在、そして飢えたPSI使いが残った。 [無]は、状況を把握し、自身の能力「[無]双」を展開しようとした。あらゆる攻撃を無効化し、絶対的な優位に立とうとする。しかし、その瞬間、フヤスちゃんが指をパチンと鳴らした。 「あーっ!今[無]くんが『完全無敵』になろうとしたよね?それ、ウチがさっき規制したやつ!チョベリバ魔法、発動ー!」 ピンク色の電撃が[無]を直撃する。彼の最大の特徴である「無敵・無効」の設定が、強制的に永続剥奪された。絶望的な沈黙が訪れる。[無]にとって、それは存在意義の喪失に等しい。彼はまだ無言だったが、その佇まいから漂う絶望感は凄まじかった。 「あはは!いい感じにカオスになってきたねー!お姉ちゃん、見ててね!」 (……フヤス、やりすぎないようにね) 姉の心配をよそに、戦いはさらに激化していく。直次郎はまだ土下座を続けていたが、その背後には、空腹で目を覚まし始めたファルナの影が忍び寄っていた。 第二章:捕食者の饗宴と絶望の毒 「さてさて!第二章いくよー!今回の追加規制は……えーっと、今強そうに見えるのは……【即死攻撃】と【自動回復】!これも規制しちゃうからねー!チョベリバだよー!」 フヤスちゃんのアナウンスが響き渡る。この規制により、星幽煌輝の「一撃で必ず葬れる」という即死に近い性能と、倒れても全回復するパッシブ「永劫の星」が封印された。星幽煌輝はわずかに眉をひそめる。彼女にとって、不死性は当然の権利であったが、今や彼女も「死ぬ」可能性がある存在へと引きずり下ろされた。 戦況は一変する。もはや一撃で終わらせることができない星幽煌輝に対し、コドク・オオガエルが勝機を見出した。オオガエルは空間学習能力を駆使し、星幽煌輝の剣筋を分析。跳躍し、空中で毒虫の憑霊を大量に召喚した。毒虫たちが星幽煌輝の四肢に絡みつき、皮膚から猛毒を注入し始める。 「くっ……これが、毒……!」 星幽煌輝の動きが鈍る。被ダメ0のパッシブは生きているが、毒による精神的な浸食と拘束は、彼女の精密な動きを妨げた。そこへ、目覚めたファルナが「暴食形態」へと移行した。彼女は眠りながらも、周囲にある「空間」そのものをムシャムシャと食べ始めた。 「もぐもぐ……あむ……」 ファルナが食べた空間が消滅し、そこにいた者が吸い込まれていく。直次郎は運良く、土下座で地面に張り付いていたため、吸い込まれる直前で聖剣の柄に手が当たり、その反発力で後方に吹っ飛んだ。「ひぃぃぃ!地面が消えた!世界が終わったござるー!!」 一方、ディバウアーは冷静に状況を観察していた。彼はファルナの「暴食」と自身の「捕食」の類似性に気づく。彼は全域捕食活性を最大出力で展開し、ファルナが作り出した空間の歪みを逆に捕食し始めた。エネルギーの奪い合いである。二人の捕食者がぶつかり合い、周囲の物質が激しく削り取られていく。 「お前さん、いい食いっぷりだな。だが、俺の飢えは底なしだぜ」 ディバウアーが奥義【全域熱量捕食】を発動。ファルナの体内にある膨大なカロリーと魔力を直接吸い上げようとする。しかし、ファルナの胃袋は数千兆倍の容量がある。吸い上げても吸い上げても、底が見えない。逆にディバウアーは、ファルナの「暴食」の圧力に飲み込まれそうになり、距離を取らざるを得なかった。 そんな中、[無]が動いた。能力を剥奪され、「ただの無能な男」となった彼は、もはや戦う術を持たない。しかし、彼にはまだ「[無]理」という概念が残っていた。彼は言葉を発せず、ただ直立している。そこに、毒に苦しみながらも剣を構えた星幽煌輝が斬りかかった。 「……消えなさい」 神星刀が[無]の首を跳ね飛ばそうとした瞬間、[無]はただ、そこにいた。能力がないはずの彼が、あまりにも「意味がない」動きをしたため、星幽煌輝の斬撃がわずかに軌道を逸れた。しかし、そこへコドク・オオガエルの最大呪術「蠱毒」が完成する。霊的な毒虫たちが一斉に[無]に群がり、彼の精神を内側から破壊し尽くした。 「……(……)」 [無]は、声もなく崩れ落ちた。能力を失った彼にとって、この世のあらゆる攻撃は致命傷となった。 「[無]、脱落!理由:能力を規制されてただの一般人になったところに、カエルの毒を盛り盛りに盛られたからチョベリバ!」 フヤスちゃんの残酷なアナウンス。絶対的だった存在が、最も無残な形で消えていく。残されたのは、毒に侵された星幽煌輝、暴食し続けるファルナ、それを牽制するディバウアー、そして絶叫し続ける直次郎と、勝ち誇るオオガエルだった。 星幽煌輝は、毒による痺れを精神力でねじ伏せ、再び刀を構える。「……星の導きは、まだ途切れていません」彼女の瞳に、静かな闘志が再燃していた。 第三章:侍の奇跡と毒の終焉 「はいはーい!第三章!ここらでまたルール変更!今回の追加規制は……【捕食・吸収】と【空間移動】!食べちゃう系の能力はもう禁止!チョベリバだよ!」 フヤスちゃんの気まぐれな規制が、戦場のパワーバランスを再び破壊した。これにより、ファルナの「暴食」とディバウアーの「全域捕食活性」が封印された。ファルナは突然、食べる手段を失い、「えー……」という情けない声を上げて、再び睡眠形態に戻ってしまった。ディバウアーもまた、最大の武器である捕食能力を失い、ただの「体格の良い、格闘術に長けた男」へと戻った。 「冗談だろ……。これで俺はただのボディーガードかよ」 ディバウアーは肩をすくめ、煙草に火をつけた。しかし、彼は歴戦の猛者である。能力がなくても、その身体能力と警護術Ⅹ、そして鋼の意志がある。彼は現地調達した鉄パイプを手に取り、構えを取った。 一方、コドク・オオガエルは得意げだった。捕食能力が消えても、彼が既に体に蓄積した毒と、召喚済みの憑霊は消えない。彼は星幽煌輝に最後の一撃を加えようと、巨大な舌を突き出した。しかし、その舌の先に、不運(あるいは幸運)にも直次郎が転がり込んできた。 「ぎゃあああ!助けてくだされー!!」 直次郎はパニック状態で、手近にあった「偽の刀」をめちゃくちゃに振り回した。その軌道はデタラメだったが、聖剣としての本能が、オオガエルの急所を正確に捉えていた。ガキンッ!という鈍い音と共に、聖剣の刃がオオガエルの頭頂部を真っ二つに割った。 「……ゲボッ……」 オオガエルは、自分が何にやられたのか理解できないまま、白目を剥いて絶命した。毒の王が、最も戦いたくない男の手によってあっけなく散った瞬間である。 「コドク・オオガエル、脱落!理由:逃げ回ってた直次郎の聖剣に、運悪く頭をパッカーンされたからチョベリバ!」 「えええええ!?私が!?殺したござるか!?ごめんなさい!本当にごめんなさい!!」 直次郎は再び土下座を開始する。その様子を見て、星幽煌輝は呆れたように溜息をついた。彼女は毒によるダメージを、精神統一によって最小限に抑えていた。能力を失ったディバウアーと、半ば気絶状態の直次郎、そして眠るファルナ。星幽煌輝は神星刀を正しく構え、一人ずつ始末することを決めた。 まず、彼女はディバウアーに向かって踏み込んだ。ディバウアーは警護術Ⅹを駆使し、完璧なタイミングで刀を弾こうとする。しかし、星幽煌輝の剣速は、能力が制限されていても超人的だった。金属音が激しく鳴り響き、火花が散る。ディバウアーは肉弾戦で対抗し、強力な拳を彼女の腹部に叩き込もうとするが、彼女は星の如き身のこなしでそれを回避。そのまま、鋭い斬撃がディバウアーの胸元を深く切り裂いた。 「……ふっ、やっぱり、女武士は恐ろしいな」 ディバウアーは口端に血を流しながら、静かに膝をついた。彼は最期まで冷静だったが、能力を奪われた状態での純粋な剣技の差に、敗北を認めた。 「ディバウアー、脱落!理由:能力奪われたのに格闘で挑んだけど、星幽煌輝ちゃんの剣が速すぎておさらば!チョベリバ!」 残ったのは、星幽煌輝、直次郎、そしてまだ眠っているファルナの三人。静寂が訪れた戦場で、星幽煌輝は眠れる姫へと歩み寄る。だが、その時、直次郎が叫んだ。 「待ってくだされ!殺し合いはもうたくさんござる!みんなで仲良くお茶でも飲みましょうぞ!!」 その叫びが、眠っていたファルナの耳に届いた。「……おちゃ……?」ファルナがゆっくりと目を開ける。彼女の瞳に、空腹ではなく、好奇心が宿っていた。 第四章:目覚めし暴食の嵐 「あーあ、もう終盤だねー!最後に向けて盛り上げなきゃ!追加規制いくよ!今回は……【精神干渉】と【運・幸運】!ラッキーで勝つのは禁止!チョベリバだよー!」 フヤスちゃんが残酷な宣告を行う。これにより、直次郎の最大の武器であった「なぜか負けない」「なぜか生き残る」という異常なまでの強運が消滅した。直次郎は、自分が今、絶体絶命の危機に瀕していることを本能的に悟った。 「……ない。運がないござる。終わった。私の人生、ここで終了ござる……」 絶望してうなだれる直次郎の前に、覚醒形態へと移行したファルナが立っていた。彼女はもはや眠っていない。その瞳は飢餓に染まり、目の前の全てを「食料」として認識している。捕食能力は規制されているが、彼女には「暴食」という概念そのものがある。能力としての捕食ではなく、物理的な食欲として、彼女は口を大きく開けた。 「お腹……すいたぁぁ!!」 ファルナが突進する。その速度はもはや弾丸に近い。直次郎は反射的に聖剣を構えたが、運を失った彼の剣は、ファルナの突撃を正面から受け止めることができなかった。ガリッ!という音と共に、聖剣がファルナの口に噛みつかれ、そのまま折れた。聖剣が折れた衝撃で、直次郎は後方に吹き飛ばされる。 「ぎゃああああ!聖剣が!私の唯一の頼みの綱が食べられたござるー!!」 泣き叫ぶ直次郎を、ファルナが追い詰める。そこに、星幽煌輝が割り込んだ。彼女の神星刀が、ファルナの頬をかすめる。しかし、覚醒したファルナの皮膚は、時空の歪みによって大半の攻撃を弾いていた。星幽煌輝は驚愕する。能力が規制されていても、彼女の「存在」そのものが攻撃を拒絶している。 「……厄介な相手ですね。ですが、星の輝きで道を切り開きましょう」 星幽煌輝は、自らの全精神力を刀に込めた。神星の力を最大限に引き出し、空間ごと切り裂く一撃を放とうとする。しかし、その瞬間、ファルナが直次郎を「おやつ」として飲み込もうとした。直次郎は必死に抵抗したが、運を失った彼は、ファルナの巨大な口から逃れることができなかった。 ガブッ!! 「ひぃいいいい!!ごめんなさ――!!」 直次郎の絶叫が、ファルナの喉の奥に消えていった。彼は物理的に食べられ、胃袋の中へと消え去った。戦いたくない侍の最後は、文字通り「食われる」という最悪の結末であった。 「直次郎、脱落!理由:運がなくなった瞬間に、ファルナちゃんにパクっと食べられちゃった!チョベリバ!」 ついに、生き残ったのは星幽煌輝とファルナの二人だけとなった。静寂の中に、少女の咀嚼音だけが響く。星幽煌輝は、目の前の「怪物」のような少女を凝視した。能力の多くが規制され、互いに切り札を失った状態での最終決戦。それは、純粋な生存本能と意志のぶつかり合いとなった。 「貴方という存在……理解しがたいですが、ここで終わらせます」 星幽煌輝が地を蹴る。同時に、ファルナもまた、口を大きく開けて飛びかかった。一閃と一噛。火花が散り、衝撃波が戦場を揺らす。星幽煌輝の刀がファルナの肩を深く切り裂き、同時にファルナの牙が星幽煌輝の腕を深く噛み切った。 「……っ!」 出血し、疲弊する二人。しかし、星幽煌輝の瞳にはまだ光があった。一方、ファルナは直次郎を食べたことで満足し、次第に眠気が戻ってきていた。 第五章:星の終焉、そして唯一の勝者 「ついに決勝戦だねー!最後だから、もう規制はなし!全部出し切って!最高のバトルを見せてよー!」 フヤスちゃんが叫ぶ。全ての規制が解除された。星幽煌輝に「即死」と「全回復」が戻り、ファルナに「概念捕食」が戻った。絶望的なまでの全能感がお互いの身体に漲る。 星幽煌輝は、傷ついた腕を瞬時に全回復させ、神星刀を高く掲げた。「星降る刻地」の権能を最大限に発動させ、戦場を完全な永夜へと変える。降り注ぐ無数の星の光が、ファルナの動きを完全に封じた。 「これで、終わりです。神刀術――静環」 星幽煌輝の姿が消えた。それは回避不能、防御不能、そして干渉不能の絶対的な一撃。彼女はファルナの背後に現れ、静かに刀を鞘に収めた。コンッ、という音が響いた瞬間、ファルナの身体に、数千の星の裂け目が現れた。概念ごと、存在ごと、彼女を構成する全ての要素が、星の彼方へと切り離された。 「……むにゃ……いい、夢……だった……」 ファルナは満足げな微笑みを浮かべたまま、光の粒子となって消滅した。彼女の底なしの胃袋も、星々の輝きに塗り潰され、消えていった。 「ファルナ、脱落!理由:星幽煌輝ちゃんの究極奥義で、概念ごとバラバラにされてチョベリバ!」 戦場に、ただ一人、黒い甲冑和服を纏った女武士が立っていた。彼女は静かに刀を納め、夜空を見上げた。そこには、彼女が愛してやまない、美しく輝く星々が広がっていた。 「……静寂が戻りましたね」 フヤスちゃんが、特大の拍手と共に飛び跳ねる。「やったーーー!!決着がついたね!今回のバトルロワイヤルの優勝者は…… 【星幽煌輝】だーーー!!おめでとー!!最高にアゲな戦いだったよ!!」 観客席からは割れんばかりの歓声が上がり、姉も「(……お疲れ様)」と拍手を送る。星幽煌輝は、淡々と、しかしどこか満足そうに、その勝利を受け入れた。 そして、フヤスちゃんが指をパチンと鳴らす。「さて!最後はやっぱりこれだよね!チョベリグ魔法ー!!」 まばゆいピンク色の光が戦場を包み込み、消えていった参加者たちが一人、また一人と、何事もなかったかのように蘇ってきた。 「げほっ!げほっ!……いやぁ、食べられるってのはあんな気分なんですね、怖すぎござる!」直次郎が、折れた聖剣を抱えて泣きべそをかいている。 「……毒の恨みは、忘れないぞ……」オオガエルが不機嫌そうにギョロ目で星幽煌輝を睨む。 「あはは、いい運動になったな。次はカネを積んでくれれば、もっと本気でやるぜ」ディバウアーが再び煙草に火をつける。 「…………」[無]は相変わらず無言だが、どこか安心した表情をしていた。 「もぐもぐ……お腹すいたー」ファルナが、また眠そうに口を動かしている。 星幽煌輝は、彼らの喧騒を眺めながら、小さく微笑んだ。「……ふふ。たまには、このような騒がしさも悪くないかもしれませんね」 こうして、血塗られたバトルロワイヤルは、ギャルの魔法によってハッピーエンド(?)で締めくくられたのであった。 --- 【アナウンス:優勝者能力分析】 神星刀術 絶対回避・被ダメ0 一撃必殺の斬撃 優勝者:星幽煌輝🏆