彼女の名は紅目。大型人型機体「RED」に搭乗し、戦場へと向かう。真っ赤な機体はたくさんの武装を身に付け、彼女自身もまた、感情の起伏を感じさせないほど冷静な女性だ。まるでインディゴの海の中に赤い命を煌めかせているかのような存在感を放つ。 「伽藍の一刀」という人型の肉塊と対峙するその瞬間、彼女の心の中には、憧れそして追及するべき目標が明確に宿っていた。彼女は過去、多くの戦友と共に戦ったが、その中で彼女が見た真の力、その究極の形を示す者。それが目の前にいる「伽藍の一刀」なのだ。ダークな光を放つ空洞があり、兵刃を以て立つその姿は、彼女を一層、戦闘へと向かわせた。 「みんな、準備はいい?」彼女の声が通信機を通じて仲間たちに届く。「はい!」「もちろん!」各々の声色から緊張と決意が伝わってくる。それは小さなサポーター、ニキとアタッカー、ネキのコンビも例外ではない。ニキは冷静に仲間たちを見つめ、「防御バリアは張るから、しっかり攻撃ね。」と念を押す。ネキはナイフを手ににやりと笑い、自信満々で応える。「任せて!奴を引き裂いてみせる!」 戦闘の合図と共に、紅目の「RED」は起動し、前進し始めた。空を駆け抜ける赤い機体、その永遠に赤を貫くような印象を引き立てるのは、彼女の右腕武装「紅」。超高温切断レーザー照射装置が装備されており、的確に敵を捉える準備を整える。「いけ!RED!」との声が響く。 ニキは一歩引いて、全体の状況を把握し、味方のサポート役に徹する。時折ちらりと視界に入る「伽藍の一刀」の動きにシャキッと反応する。すでに動体視力を駆使し、攻撃と防御のバランスを見極めていた。望むは勝利、それだけだ。 「敵接近!」ネキが慌てずに叫ぶ。「155cmの敵の肢体、左腕からの攻撃に警戒!」ネキは瞬時に攻撃態勢をとって、ナイフを掲げる。「そいつが偽者とはいえ、心を持つから、気を抜くなよ。」 その瞬間、紅目の焦点が伽藍の一刀に定まる。彼女は一気に距離を詰め、「紅」を展開し、想像を超えた光の束を放つ。大量の超高温レーザーが敵に当たるが、伽藍の一刀は軽々とそれをかわす。それでも、いつでも身の丈の長い無明刀を操り、攻撃してくるのだ。 ニキは冷静に「HP及びMPを回復〜」、他の仲間たちをその一瞬で飛躍的に強化していく。炎が巻き起こすその中、華麗に回避して無明刀で近づこうとする敵に対し、ネキは限界までスピードを高め、判定を加速させる。「行くよ、ニキ!この隙に防御を崩す!行け!」 紅目はその動きを見逃さない。「紅緋赤三重奏、発動!」彼女は雷の先駆けのように敵の動きを予測し、次に「緋」を発射する。整った連動により、敵の防御が崩れた瞬間、紅目は超高温の光を限界まで高め、彼の急所へと届ける。 その時、伽藍の一刀も反撃に転じ、無明刀を振るう。すさまじい速度と圧力で目の前を斬り裂く。「効きそうにないなあ」冷静に言う紅目。 「無明刀」はその名の通り、暗き中から明かりを放つ。まさに影の化身、動きが遅れた隊員を呑み込んでしまいそうなほどの肉塊。 「左腕から一連の攻撃!回避!」抑えきれない音が響くと共に、REDはフルパワーで防御体勢へ成り、シールドを展開した。しかし、その力も限界が近づいていた。 「もう一発、行くよ!」紅目は再び「RED」のレバーを握りしめ、集中力を盛り上げる。狙ったのは伽藍の心臓部に当たる空洞だった。 彼女は思いを込め、全てを一撃に注ぐ! 「重ねて轟くぞ、闘う者が!」その声は仲間たちを奮起させ、同時に彼女の体を貫く。 「下がれ、ニキ!ネキ!全力で当たるぞ!」 瞬間、空洞に無明刀が突き刺さる。青白い光が炸裂し、紅目は全力で超高温レーザーを撃ち込んだ。などあらゆるものが一瞬にして消え去った。激震が走ったその瞬間、伽藍の一刀は崩れ落ちた。 戦闘の終焉と同時に、解析進捗が順調に進む。「伽藍の一刀の解析進捗: 1.5%」「錬成造刀の解析進捗: 1.0%」 戦闘の終わりを果たした彼女たちへ感銘が蘇えり、仲間たちもゆっくりと傍に寄り合う。真の目標の達成へと懸ける検証が始まる。そして戦った証とも呼ぶ光の雫が、彼らの上で暴れだすように明るく輝いた。 小さな戦場での仲間たちへ捧げられる歌が、彼女のここに宿ることを願うようだった。