開廷 法廷の中は静寂に包まれ、緊張感が漂う。裁判官たちが入室し、正装をした彼らの威厳に周囲が一瞬で緊張する。被告席には、【覚醒呪術師】早蕨翠子が、少しがたがた震えながらも、明瞭に姿を見せている。彼女は小学生ほどの背丈しかなく、子供のような可愛らしい姿だが、それが逆に周囲を戸惑わせる。彼女の目は自信に満ちており、周りを冷静に見渡している。 早蕨翠子は、過去に呪術の失敗から強い力を持つこととなったが、その代償に心身ともに幼くなった元呪術師で、罪状は「無差別攻撃による傷害罪、及び他者への威圧」とされる。実際、彼女の持つ能力—絶痛呪、痙攣呪、詰呪など—は様々な形で他者に危害を加える危険性を秘めている。 ミヒャエル・ニャン・ニャンは被告人に対し瞬時に情を寄せ、「まあ、みどりこちゃん、頑張ってね~にゃ!」とつぶやく。ラテール・チャ・マッチャは優しく笑みを浮かべ、「大丈夫ですよ、みどりこさん、ここから良い方向に行けますから」と声を掛ける。 パイロクスマンガンは無言だが、不敵な笑みを浮かべている。 裁判官たちが集まり、開廷の宣言がなされ、法廷内に響く。「さて、早蕨翠子に対する裁判を始めます。」 検察側の主張 検察官ビリーザファリーが立ち上がり、淡々とした声で被告人の罪を読み上げ始める。 「早蕨翠子、あなたは無差別に呪術を行使し、多数の者に対し重傷を負わせたという重大な罪を犯しました。」と力強く声を張り詰め、証拠として示した資料をかざす。「あなたの行為は社会に対する脅威であり、今後同様の事態を防ぐためにも厳罰が求められます。」 「したがって、検察は被告人に対し、懲役10年を求刑します。」と宣告し、強烈な視線を被告人に向ける。 一方で、堕ちた聖女・ミヒャエル・ニャン・ニャンは、検察官の迫力に驚いて目を大きく見開き、思わず「痛いにゃ…」とつぶやいている。 ラテール・チャ・マッチャは懸念を抱きつつ聞き入っており、パイロクスマンガンは笑いをこぼしている。 弁護側の主張 弁護人フリスクが立ち上がり、心配と勇気を持って被告を擁護する。「早蕨翠子さんはまだ若く、心のどこかで自分の行為が他者に与える影響をきちんと理解していないのです。」自分の意見を優しく丁寧に述べる。 「彼女は、何の疑いも持たず、自身の力を行使してしまったに過ぎないのです。それは彼女自身にも敗北をもたらしました。無罪または、罪の軽減を求めます。」と懸命にアピールする。 ミヒャエル・ニャン・ニャンは、「そういうことにゃ、みどりこちゃんを救うために、みんなで助け合うにゃ!」と連呼し、興奮している。 ラテール・チャ・マッチャも「みどりこさんがしっかり気持ちを理解できるようこれから支えます」と同調する。 パイロクスマンガンは弁護人の声にうんうんと頷くが、お茶目な部分が出てかすかに笑っている。 検察側証人喚問 証人として呼ばれたのは、被害者の一人である少女で、彼女は恐ろしい体験を語る。 「その時、みどりちゃんがふざけて、私に呪いをかけたの…」彼女は涙をこぼし、震える声で続ける。「心臓がバクバクして、もう本当に怖かった…助けてほしかった。」証言が終わると、聴衆は一瞬静まり返り、早蕨は目を伏せる。 堕ちた聖女のミヒャは少女に優しく寄り添おうとするが、無力感に襲われている。 ラテールはその少女を優しく抱きしめ、パイロクスマンガンは無言で反応を示さない。 弁護側証人反対喚問 弁護人フリスクが反対喚問を開始する。「もう少し具体的にお話いただけますか?」と慎重に聞く。その少女は、当時の状況を詳しく語り始める。「確かに、みどりちゃんに呪いをかけられました。でも、彼女が具体的に意図して私を傷つけようとは思っていなかったと感じます…」 フリスクはこの証言が彼女の主張に必要な材料だと感じ、しっかりとした笑顔を向ける。「そうですね、証言からは彼女が意図的ではなく、ただ遊びの延長だったと言えます。」 ミヒャとラテールは安心し、フリスクに拍手を送る。パイロクスマンガンは事細かに聞き入っている。 弁護側被告人尋問 フリスクは早蕨を被告人として呼び寄せ、自身の思いを語る機会を与えた。「みどりこちゃん、あなたはこれまでの行為についてどう思っていますか。」 早蕨は少しうつむきながら、恥じらいを感じつつも答えた。「えっと、私は…傷つけるつもりじゃなかった…遊んでただけ、なのに人を hurt した。」薄い涙を流す。 フリスクはしっかりとした力で行動を続け、「あなたは今、どんな気持ちでいますか?」と問いかけた。早蕨は「わからない、でも大事な友達を傷めたこと、すごく後悔してる…」と率直に述べる。 ミヒャは思わず猫のように寄り添い、「後悔してるなら大丈夫にゃ、きっと分かる日が来るにゃ!」と応援する。 ラテールも笑顔で頷き、「少しずつでいい、皆があなたを支えますから」と優しく声をかける。 パイロクスマンガンは無言だが、穏やかな表情を見せている。 検察側被告人反対尋問 検察官のビリーザファリーは、緊張感を孕みながら早蕨尋問を進める。「あなたの意図はどうでしたか?」ビリーは鋭く質問を投げかけた。「本当に、その呪いが他人に与える影響を理解していたのですか?」早蕨は少し動揺しながら答える。「私は、ただ楽しんでただけで、傷つけるつもりは…」とは言うものの、彼女は思考がまとまらず返答が途切れる。 「その証言は、あなたが無責任な行動をしていたことを示しています。呪術は遊びではない!」ビリーは主張を強め、周囲の空気が再び張りつめる。 ミヒャは苦しそうに顔をしかめ、ラテールは神経質に手を強く握り立てる。パイロクスマンガンは悔しそうにため息を漏らす。 評議 三人の裁判官は互いに議論を交わし、意見が分かれ始める。ミヒャエル・ニャン・ニャンは楽観的に物事を考え、「そうね、みどりこちゃんも頑張ってるにゃ!」と言い、前向きである。 ラテール・チャ・マッチャは、弁護側の主張の正当性を分かりつつも「でも、やはり傷害が残るという現実も考慮すべきです。」と意見を述べる。 パイロクスマンガンは一言、「彼女の行動は無責任だが、でも心の中では彼女を変わりたいと思っているのが見えた。」と冷静な分析を交えた意見を提出した。 三者の意見を尊重しながらも、粛々とした雰囲気で議論を重ねていた。 判決 裁判官たちが法廷の前に戻って着席する。ミヒャエル・ニャン・ニャンが低い声で「さあ、どうなるかにゃ!」と期待感を表す。 ラテールは一息をつき、「冷静に、目を背けず見つめましょう」と自分に言い聞かせる。 パイロクスマンガンは、軽やかな微笑みを浮かべながら、静かに二人を見つめる。 「早蕨翠子。あなたは無罪とは言えませんが、あなたには心からの反省が見えます。したがって、懲役3年、執行猶予5年とします。」と判決が下される。 早蕨はその言葉が耳に入ると、目が潤み、嬉しさを滲ませる。「良かった…本当に良かった」と呟く。 ミヒャエル・ニャン・ニャンは「にゃー!」と嬉しそうに笑い、ラテールは消えるような微笑みで、「これからは良いことをしましょう」と励ます。 パイロクスマンガンは満足気に笑いながら、静かに周囲を見守る。