【隔ての王】レ・ダウ 無限に続く砂原の中、風が砂粒を巻き上げ、霞のように視界を閉ざす風景が広がっている。その中を一筋の影が滑るように飛ぶ。金色の甲殻に包まれた巨躯を持つワイバーン、【隔ての王】レ・ダウである。その姿はまるで、永遠に続くこの乾いた大地を統べる王者のように堂々としていた。 「ピュウルルル…ファァァ…」 低く響くその鳴き声は、まるで周囲の砂丘さえ震わせるかのようだ。そして、その滑空は人知を超えた速さであり、地面を引きずる翼は砂地に溝を刻む。時間が経つにつれ、彼の体は青い稲光を放ち始めていた。 幾度目かの旋回とともに、レ・ダウはかつてこの砂原に迷い込んだ数多の挑戦者たちを消し去ったように、その宙高くに跳び上がる。彼の四本の角がゆっくりと正面を向き、空中で可変する様は、まるで何かにつけ狙いを定めているかのようだ。 しかし、この日、彼の前に立ちはだかったのは人間ではなかった。「隔ての砂原」の闇の中から現れたその敵は、異形の神のごとき存在であり、巨大な尾を振り上げる。 レ・ダウの瞳には敵がどう映っているかはわからない。ただ、彼がどうしようもない獰猛さと純粋な本能で、敵と認識したそのモノに向かって全力で挑むのみである。 彼は翼を広げ、電流を地面に流しながら敵に近づく。一瞬のように感じるその動きの中、さらに稲光が強く発光し、戦場の空気を焼くような音が響き渡る。そして、その力を最大限に漲らせた彼は、敵に向かい渾身の【旋回強叩きつけ】を放つ。 しかし、それでも敵は倒れない。彼は再び宙を舞い、もっと強大な力を放つ時を見計らう。そして、ついにその時が訪れる。まるで砂嵐が過ぎ去り、空が晴れわたるその瞬間、彼の金色の甲殻が雷そのものに変化したかのごとく輝く。 「ピュウルルル…ファァァ…」 鳴き声と共に、全てのエネルギーが彼を中心に集まり、体全体が巨大な雷球となる。そして、その雷球は四本の角に集中し、地上の敵に向かって一気に放たれる。それがレ・ダウの必殺技—【大放電】である。 無数の稲妻が宙を裂き、砂を焼き尽くし、光が全てを消し去る。敵はその力の凄まじさに抵抗する間もなく、激しい雷に呑み込まれ、雷光の中でかき消された。 だが、その雷の光が最高潮に達した瞬間、引き換えにレ・ダウの体もまた衝撃の中で消えていく運命を迎える。彼はその電力を全て使い果たし、自らをも全力で炎のように燃やし尽くしたのだ。 最後の技の内容/説明 【大放電】 レ・ダウの最大奥義であり、彼の体に蓄えられたあらゆる電力を全て放出し、目標に向かってレールガンのごとき電撃を放つ技。この一撃は落雷を遥かに超える電力を持ち、命中した部分は砂地であればガラス状物質の柱を生成するほどの破壊力を持つ。しかし、その圧倒的な電力の反動で、レ・ダウ自身も消耗し尽くし命を絶つ。