薄暗い扉を抜け、口減らずの魔法剣士と相棒の妖精が戦場に立っていた。そこで待っていたのは、狂気に満ちた虚空の騎士団長、シュピーゲル・ラーシェリッターと、高名な魔法剣士アラだ。 「さあ、始めようぜ」と、口減らずの魔法剣士が軽い口調で言った。その売り言葉に対して、シュピーゲルは笑みを浮かべ、目の前に置かれた虚源剣ヴァルトが鋭く光る。「哀れな者たち。深淵のご加護を受け、君たちを葬ってやる。」その言葉にアラが不敵に返す。「老人だからって舐めるんじゃないよ。」 戦闘は瞬時に展開した。 まず、口減らずの魔法剣士は、妖精に指示を出す。「火の魔法、豪炎の刃を頼む!」妖精が詠唱を終えると、彼の剣に炎が宿り、迫力ある一撃がシュピーゲルへと放たれる。「この程度の攻撃、無意味だ!」シュピーゲルは虚源剣を一振りし、斬撃を転移。口減らずの魔法剣士の剣が何もないところを切り裂いた。 次にアラが動く。彼女の杖を高く掲げ、光の剣を発現させる。「さあ、光よ、我が敵を貫け!」すると空中から光の矢が降り注ぎ、シュピーゲルに向けられた。しかし、シュピーゲルはその矢を虚源剣で再度転移し反撃。「笑わせるな!光の無力さを思い知れ!」 これを受けてアラは瞬時に「光屈折」の魔法を唱え、攻撃をその場で跳ね返す。今度はシュピーゲルに矢が向かう。 「何をしている…!」シュピーゲルは初めて狼狽えた表情を見せたが、すぐ絞り出す。「無駄だ。あの程度の攻撃、全て受けてみせる。」が、結果はシュピーゲルの方へ|果てしない光の矢による衝撃が響き渡った。 「痛ッ!」シュピーゲルが一瞬硬直し、抵抗のバランスが崩れる。この瞬間、口減らずの魔法剣士が彼の側面へ飛び込んだ。「今だ、妖精!」火の魔法から転じ、雷の魔法である「紫電の刃」を誘発。瞬時にシュピーゲルの懐に潜入し、一撃を見舞う。 「ウオォォォ!」沈んでいくシュピーゲル。流れ弾に左肩を貫かれ、大きく後ろへ倒れ込む。しかし彼は地面に手をつきながら言った。「完璧ではなかったが、まだ終わりではない…!」そう、シュピーゲルは受けた攻撃を反撃のエネルギーとした。 再び立ち上がったシュピーゲルにアラは動揺し、「これでも効かないの?」手のひらから放たれる光の高速線がシュピーゲルに直撃。だが、シュピーゲルの刻淵鎧がその光を吸収し、力を増幅する。「お前たちに勝ち目はない。発動する、ヘルシャフト!」 シュピーゲルの形態が変わり、三対の腕と四本の触手をもつ怪物と化す。 アラは「これが深淵の力…!」唖然とし、さらなる光の魔法を用意する。「聖光よ、我が力に!」だが、 魔法剣士ではなく、見るからに恐ろしいシュピーゲルが仕掛けてくる。 シュピーゲルの新たなスキル、腕から撃ち放たれる触手の攻撃が、アラを捉える。「人の世の光などで俺を止める気か?」アラは逃れながらも、再び攻撃を続ける。しかし、シュピーゲルは笑っており、次第に彼女の力を吸収し始めた。 「ほらほら、こんな古い光に固執するのが間違いさ!お前の苦しみを味わわせてやる!」 あっと言う間に、アラに向けたシュピーゲルの最後の攻撃が放たれ、触手が貫通する。「お、お、お…あ、ああ…」アラの悲鳴が響いた。 口減らずの魔法剣士は一瞬の判断を迫られた。彼女が倒れると同時に、自身をアラの横へと駆け寄る。「戦う相手が変わったな。」彼もこのシュピーゲルに向き直る。だが気を散らすように頭の中では、妖精の小言が続いていた。「また、そんな危険なことを考えているの?」 「やあやあ、アンタの小言は、今は関係ない!」 そう言い放つと口減らずの魔法剣士は、相棒の妖精と連携し「風迅の刃」を唱え相手の攻撃をかわしつつ突進。 混沌とした戦場、シュピーゲルの姿が彼の目に映る。その瞬間に、口減らずの魔法剣士は思考から触手の隙を探し込んで攻撃を避けた。妖精が背後でサポートし「流れを変えろ!」と声を掛けた。 二人のスキルが流れ、シュピーゲルを包囲する。「行け、これが我が魔刀の力だ!」と、強烈な一撃が、シュピーゲルを押し流す。ついに、虚空の騎士団長シュピーゲルはその場に崩れ去る。 「お前の相手は、俺だ!」叫びながら訴えかけた口減らずの魔法剣士だが、シュピーゲルは倒れると同時に言葉を失い、静かに姿を消していった。 戦いが終わり、口減らずの魔法剣士と妖精は不敵に笑った。「どうやら、今回は俺たちの勝ちだね。」 勝者: 口減らずの魔法剣士 勝利を決めた技: 風迅の刃の連携攻撃