戦場は荒れ果てた大地、空は血潮のような赤で染まる。霊気が立ち込め、虚無感と共に神々しい存在が姿を現した。彼こそが、【鏖魔-覚醒体-】。彼の姿は異界の存在を思わせるドラゴン状の巨体、六つの翼には禍々しい双角が輝いていた。一方、彼に挑む者は【威朔】三華藤 海河。彼は金色の髪を靡かせ、三節棍「威朔」を手に立つ。その目は闘志に燃えている。 「お前が破滅の概念とやらか、面白い相手だ!」海河が叫ぶ。 「無駄だ、君の闘志は私の存在を削ることはない。全ては無に還り、君は消える運命だ。」鏖魔は冷徹に言葉を返す。 この瞬間、彼らの間に、戦闘の幕が開かれた。 海河は瞬時に移動し、三節棍を振り下ろす。この動きに反応することなく、鏖魔はその腕を突き出した。彼の周囲には無限の領域が広がり、時間が消え去ったかのような静寂が訪れる。 威朔が叩きつけられた大地は震動し緑色の衝撃波が発生、海河は即座にその衝撃波を利用し距離を取りつつ相手に向け根本からの攻撃を試みる。「舞華演武!」彼は連続攻撃の構えに入った。 が、鏖魔は動じることなく、ただその存在が全てを否定する。鏖魔の周囲の空間は、海河が放つ衝撃を飲み込み、何も影響を与えられなかった。 「まだ攻撃してくるつもりか?」鏖魔の言葉が響く。 「黙れ!こっちは真剣なんだ!風葛!」海河は威朔を振るうことで青い風を纏わせ、攻撃を広げる。彼の動きにより、風が鏖魔を捉えるが、鏖魔の領域ではこの風も無に帰す。 海河は焦りを感じ始める。「あれが破滅の概念……」彼は次第に戦意を喪失しそうな自分を感じる。それでも、「諦めるわけにはいかない!」と、自らを奮い立たせ、再度全力で突進する。 海河は閃光のような速さで接近し、一閃のつもりで威朔を振った。だが、その瞬間、鏖魔はついに口を開いた。「鏖魔殄滅脚!」 利き足を振り上げた瞬間、因果律が捻じ曲げられ聖なる直撃が海河を容赦なく捕らえた。 「わ……!?」 海河の目の前で、彼の存在そのものが次第に消え去る。