日本温泉巡り五日目 章一/温泉巡り五日目 「さあ、今日も元気に温泉巡りだな!」と、旅するカラスが意気揚々と声を上げた。彼の名は旅するカラス。渋い格好に、頬の斬り傷がなんとも格好良いと思い込んでいる。実際のところ、三枚目キャラそのものだが、そんな彼が旅をするのは温泉を求めてのこと。 「温泉で疲れを癒すのが目的だ!」ドンゾイがその場でガッツポーズをする。彼はグゥ星人という宇宙人で、身長280cm、400kgと、あまりにも巨大な体格だ。しかし何より、彼の不遜な態度が周りの者たちをおかしくさせる。 「さあ行くぞ!次はどこに行くんだ?」と声がかかる。今日はだいぶ歩き回る予定で、各々が自分の荷物を抱えながら出発する。 「今日は熊本県の黒川温泉を目指すぞ!名物は黒川温泉名物の温泉卵に決まりだ!」カラスがドンゾイの大きな体をよけながら、次の目的地を指し示した。 章二/とりあえず散歩 「うんうん、黒川温泉の温泉卵は最高だ!」とドンゾイが大きな声で言うと、小さなカラスが空気を吸い込むように膨らんだ。 「おまえ、それが名物だってどこで聞いたんだ?」とカラスが追求した。 「ある惑星の食べ物の情報が頭に浮かんだのだ!まあ、地球には温泉卵もあるから問題ないがな!」と子供のように嬉しそうなドンゾイ。 「そっか。…ほら、歩く時は足元に注意しろよ」とカラスは生意気に言うが、ドンゾイは気にも留めず、大地を踏みしめる音を響かせながら進んでいく。 道中、カラスが足元にある小石を見つけて、両翼を広げたまま一跳びで小石を掴む。「これで武器になるな」と言って、腰の巾着にしまい込んだ。 「おい、無駄なものを持っていても意味がないぞ!」ドンゾイが小さく揺れながら笑った。彼の大きな体が笑うと、周囲の草木が少し揺れる。 「ああ、そんなことはない!」とカラスが力強く反論する。「これがあれば、技を磨けるんだから!」 およそ二時間ほど歩いた後、二人は黒川温泉に到着した。 章三/温泉宿 「到着したぞ!黒川温泉!」とカラスが力強く叫ぶ。 温泉宿の名前は「黒川温泉旅館」。外観は渋く、伝統的な和風建築が並ぶ。「名物は温泉卵だが、温泉の効果は美肌効果らしい」と冷静に分析するドンゾイ。 「お前には無縁かもしれんがな」とカラスが言い放つと、ドンゾイは顔をしかめた。 「いや、あの、私にも美肌効果はあるかもしれん!」彼はそう言いながら、随分と自信満々な様子だ。 旅館に入ると、女将が温かく迎え入れてくれた。「いらっしゃいませ、お二人とも。温泉に入られますか?それとも、まずは温泉卵をお楽しみになりますか?」 ドンゾイは迷わず温泉卵を選んだ。「温泉卵で温まるのも良いが、まずは温泉に入りたい!」と主張するカラス。 結局、温泉卵も食べることに。二人は温泉卵を美味しそうにそして真剣に頬張った。「おお、これはこれは!」と二人の口から唸り声が。 「温泉で美肌効果、これで勝負があったな」とカラスが言った。ドンゾイも頷き、「ああ、温泉卵を食べると元気が出る!」と語っていた。 温泉に浸かるのは本当に心地よい。カラスとドンゾイは、しばし安らぎのひと時を楽しむ。 「おい、ここっていいな!」とカラスが温泉の湯の中でプカプカ浮かんで言う。 「温泉の効能が抜群だな!ああ、再生の力が満ちてくる!」とドンゾイ。彼の言うとおり、温泉の力を感じているように冗談交じりに感嘆する。 章終/一日の日記 ある日の夜、カラスは今日の出来事を日記にまとめることにした。 「今日は黒川温泉に行ったぞ。温泉卵を食べて、美肌効果を狙ったり、ドンゾイに笑ったり、いい時間を過ごした。お風呂の温かさが身体に染み、ゆっくり浸かるのがこんなに至福だとは思わなかったな。毎日こういう日が続けばいいのに…」 そのまま彼は日記のページを閉じ、しばらく星空を眺めながら、次の温泉巡りに思いを馳せた。 「またどんな温泉を巡ろうかな。地元の人が集う素敵な場所はまだたくさんある…」と、カラスは夢見がちな表情でその夜を迎える。ドンゾイはすでに夢の中のようで、イビキをかきながら、幸せそうな顔で寝ていた。 こうして、ちょっとした冒険の日々が続くのであった。次回は何処に行くのか、カラスの翼が小さい分、彼の好奇心は無限大。