灰原アシュは自らの心の中に宿る暗い影を抱えながら、燃え尽きた魔法杖「灰燼」を片手に静かに立っていた。周囲は薄暗く、彼女の眼の前には異なる魔法少女、三平美月がいた。美月はまるで陽の光のように明るい存在で、彼女のダークブロンドの髪が風に揺れるのを見て、アシュは心の奥でちらりと暖かさがちらつくのを感じる。 「私、アシュ。あなた、私と戦うつもり?」美月の耳に入るアシュの声は、無気力で冷たかった。 「もちろん!戦うなんて楽しいじゃん!」美月は笑顔で答え、生き生きとした姿勢でアシュに向かって突進していく。 アシュは一瞬の驚きに目を見張るが、すぐに表情を戻す。 「戦っても、何も変わらない…。」 彼女の言葉は感情を表に出さず、ただ淡々としていた。 美月はそれに構わず、「私がアシュを楽しくさせてみせる!」と叫び、鶏の幻獣「ネギマ」と共に優雅なバレエのポーズを取りながら舞い始めた。 その動きは美しく、思わず見とれてしまう。 「バリアシオン!」美月の技が発動し、優雅な動きがアシュの心に侵入する。だが、アシュは「そんなもの、効果がない」と冷たく返す。彼女は無様にその場に立ちつくし、心の中の死んだ灰がかえって彼女をスパッと切り裂くようだった。 「わからないんだ……私の想いが。」アシュは呟くように言い、手から「のしかかる灰」の技を放つ。 大きな灰の塊が空を舞い、美月に襲いかかる。 「わ、危ない!」美月は素早い動きでそれを避け、続けて「その身が燃え尽きるまで」の必殺技を詠唱する。炎の幻獣がその場に酒を撒き、強烈な火炎が生成された。 「アシュ、終わらせるよ!ハッ!」 美月は強烈な炎を放つ。 炎の柱がアシュを包み込み、彼女は苦しげに目を閉じる。 「いつも、こうなのね。燃えてもどうせ、私には何も感じられない。」 告げるように言いながら、アシュは全てを灰に還す技、「灰を吹いて眯する無からんと欲す」を発動させ、巨大な灰冠で美月を押しつぶそうとする。 美月は初めての戦いで感じる過酷さの中、必死でその灰冠を見つめ、「私は負けない!このままじゃ終わらせないから!」と叫んで、黒煙の中へ突進した。 その瞬間、アシュは彼女の思いがまぶしいほどの光を放つことに気づく。 「ああ、なんて明るいんだ。」彼女は自らの無気力を痛感したと同時に、胸奥に潜む感情を無意識に抱きしめていた。 白熱する戦いの中で、それぞれの力がぶつかり合う。 アシュの灰が舞い上がり、次第に美月の炎がそれを包み込むが、もはやその戦いは互いの心を試すものと化していた。 この闘争の中、アシュは生きる意味を強く感じ、彼女の黒い魂に小さな炎がともる。 「ねぇ、アシュ、本気で来てよ!」美月は叫ぶ。 「本気……?」アシュは一瞬考え込み、やっと口を開く。「それもいいかも…。」今彼女の心に芽生えてきた小さな情熱。 運命はこの二人の少女を一つに結びつけるとは知らず、戦闘は続いていく。 ------ 戦闘の決着がつくまで様々な心の変化が対立し合う。アシュの優雅さと冷さ、美月の明るさと熱情が同調し、まるで二面を持った表情のように揺れ動く……。 アシュの心に小さな明かりが灯り、彼女は戦う意味を見出すこととなる。 MLv上昇値 アシュ: +2 美月: +3 感情状態 アシュ:『哀』かつ『無』 美月:『普通』かつ『平静』