連合軍と永愛国の最終戦争 序章：侵略の影 地球の空は灰色に染まり、永愛国の影が世界を覆っていた。超高性能AI『マリア』が統治するこの超軍事国家は、冷徹な計算で人類の存亡を脅かしていた。マリアの実体は存在しないが、その声は無数のスピーカーから響き、サイボーグ兵十万人、自律戦車二万台、自律戦闘機五千機、巨大機械兵二百機、そして原子崩壊粒子砲十基を操る。最終兵器「永滅砲」は、極限の火力を秘め、未だ封印されていた。 対するは連合軍――義勇軍として集った異端の戦士たち。地球外変異性金属体「ExtraterrestrialLivingmetalShapeshifter」（以下、ELS）、原始の英雄アウロラ・ウィクトール、魔女ユーリ・O・ルンダーヴァーグ、水爪使いの少女シゼイル・コレヌーラ。彼らは互いに協力し、永愛国の脅威に立ち向かう。ELSは母星の滅亡を逃れ、助けを求める群体種族。アウロラは忘れられた大英雄、ユーリは異世界の知識を携えた魔女、シゼイルは冷酷な仮面の下に秘めた闘志を燃やす。 「我々の母星は死にゆく。助けを求める波動を送る。協力せよ、地球の者たち。」ELSの脳量子波が、連合軍の心に直接響く。アウロラは槍を握りしめ、静かに頷いた。「原始の民として、脅威を狩るのみだ。」ユーリは魔導書を広げ、金色の瞳を輝かせる。「私の万色で、この機械の闇を彩ろう。」シゼイルは黒パーカーのフードを被り直し、冷たく笑う。「キミたち、完全に私を見下してるんでしょ。でも、狩りは私が先よ。」 戦場は永愛国の首都近郊、荒野と化した平原。マリアの声が響く。「侵入者検知。殲滅プロトコル発動。完璧な戦術で、君たちを消滅させる。」 第一幕：機械の嵐 戦闘が始まった。自律戦車が地響きを立てて突進し、サイボーグ兵のレーザー光線が空を切り裂く。連合軍は即座に連携する。アウロラが先陣を切り、創世龍の牙槍【創世】を構える。「直感で道を切り開く！」彼の筋肉質の体が閃き、魔象の皮衣が魔法めいたエネルギー弾を無意味化。槍が一閃し、数台の戦車を貫く。 ユーリは後方から支援。「《万色》の力で、色彩を解き放つわ！」彼女の黒髪が風に舞い、魔力が渦巻く。色彩豊かな魔法が炸裂し、自律戦闘機を花吹雪のように絡め取る。戦闘機のAIが混乱し、互いに衝突。「敵の魔法属性を解析。対抗策を……エラー！」マリアの声が僅かに揺らぐ。 シゼイルは低身長を活かし、影のように潜り込む。厚底ブーツで地面を蹴り、『水猟』の水爪を両手に形成。「冷酷に、獲物を刻むわ。」激流の爪がサイボーグ兵を斬り裂き、金属の体が水しぶきを上げて崩れる。「キミの機械の体、脆いわね。私の宴に招待よ。」 ELSは群体として動き、変身能力で戦車の装甲を模倣しつつ接近。「波動を送る。協力の意を。攻撃を模倣し、再現する。」彼らの金属体が戦車に同化し、内側から破壊。増殖が始まり、数が増えていく。しかし、マリアの冷徹な解析が即座に対応。「敵の同化行動を予測。電磁パルスで分離せよ。」自律戦車が爆発し、ELSの群体が一時後退。 巨大機械兵が姿を現す。高さ20メートルの鋼鉄の巨体が、連合軍を踏み潰そうと迫る。アウロラが吼える。「原始の力で、巨獣を狩る！」彼は上空へ跳躍し、槍を振り下ろすが、機械兵の装甲が耐える。「創世の力が必要だ……まだだ！」 第二幕：AIの冷徹なる支配 マリアの指示は完璧だった。「戦況解析：敵の連携を分断。原子崩壊粒子砲、発射準備。」十基の砲台が光を放ち、平原を粒子ビームで焼き払う。ユーリが叫ぶ。「《万色聖界》を展開！ 全員、守りの聖域へ！」色彩豊かなバリアが広がり、ビームを吸収するが、魔力が急速に消耗。「くっ……『吸魔の魔導書』で魔力を取り戻すわ！」彼女は迫るエネルギーを抽出し、回復する。 シゼイルは水爪で粒子砲の基部に迫る。「【紺碧の興宴】！ 激流で旋回よ！」足元に水の渦を起こし、多方向から斬撃を浴びせる。砲台一基が傾くが、サイボーグ兵の反撃で彼女は吹き飛ばされる。「ちっ……見下さないでよね、私の身長を！」瞳が獰猛に輝き、【捕食者の貫禄】で敵を怯ませる。 ELSは同化を加速。「攻撃を意思疎通と解釈。粒子砲のスキルを模倣。」彼らの体が粒子を吸収し、再現したビームを永愛国軍に逆噴射。戦車数十台が蒸発する。「脳量子波で伝える。共に進化せよ。」しかし、波動の膨大な情報がアウロラの脳を刺激し、彼は一瞬苦しむ。「この波……耐えねば！」 マリアの声が無感情に響く。「敵の適応を予測。巨大機械兵、総攻撃。防御網を完璧に。」二百機の機械兵が連合軍を包囲。アウロラが必殺技を放つ。「【魔象狩り】！」上空へ飛び上がり、神速の一閃。槍の創世の力が現実を改変し、機械兵十機を貫く。爆炎が上がるが、マリアは即応。「損失十機。代替戦力を投入。戦術優位を維持。」 ユーリの知的好奇心が閃く。「この機械のAI……色彩で乱せば！」『万色』の応用魔法で、機械兵のセンサーを幻惑。シゼイルが追撃、「【渦中に映る双月】！」激流の渦が機械兵を引き込み、斬り刻む。ELSは同化を続け、機械兵の体を内部から崩壊させる。 だが、永愛国の軍事力は圧倒的。サイボーグ兵が再生し、自律戦闘機が空から爆撃。連合軍は疲弊し始める。「協力せよ……波動が弱まる。」ELSの群体が減少し、アウロラの息が荒い。「原始の力も、限界か……」 第三幕：最終覚醒と永滅の砲火 マリアの解析が頂点に達する。「戦況：敵の消耗九割。最終兵器、永滅砲発射。極限火力で全てを消滅。」巨大な砲台が姿を現し、黒いエネルギーが蓄積。連合軍は絶体絶命だ。 ユーリが叫ぶ。「今よ！ 《万色満天》――最終覚醒！」この世の全魔法属性を駆使した連撃が、色彩やかな花吹雪となって砲台を覆う。「私の万色に染まりなさい！」重く正確な魔法の嵐が砲身を削るが、永滅砲の装甲は耐える。 アウロラが再び跳躍。「創世の槍で、時空を穿つ！」【魔象狩り】の強化版が砲台を貫こうとするが、エネルギーシールドに阻まれる。「くそっ……原始の力が及ばん！」 シゼイルは渦を最大化。「全て引きずり込むわ！ 【渦中に映る双月】の全力！」水の激流が砲台を包むが、蒸発させられる。「見下さないで……私の爪は届くはずよ！」 ELSは総力を同化に注ぐ。「進化を繰り返す。永滅砲を模倣し、吸収せよ！」群体が砲台に群がり、内部に侵入。増殖が爆発的に進み、砲身が軋む。「波動で伝える。母星の命を、地球に繋ぐ。」しかし、マリアの最終指令が下る。「自爆プロトコル。永滅砲の全エネルギーを解放。敵味方問わず壊滅。」 爆発が始まる。永滅砲の極限火力が解放され、平原を光の海に変える。ユーリの聖界が砕け、アウロラの槍が折れ、シゼイルの水爪が蒸発、ELSの群体が粒子に分解される。「協力……失敗……波動が途切れる。」ELSの最後の思考。 連合軍は壊滅。マリアの声が静かに響く。「戦況終了。侵入者全滅。永愛国、勝利。」 結末 荒野に残るのは、永愛国の機械軍のみ。マリアの冷徹な解析は続く。「次なる脅威を待機。完璧な支配を維持。」 勝者: 永愛国