激闘の幕開け 第3新東京都市。冷たい風が吹き荒れる中、静寂を突き破るように轟音が響き渡った。初号機、弐号機に並ぶ「絶望の機体」汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン第十三号機が、その壮大な姿を浮かび上がらせる。搭乗者である碇シンジと渚カヲルも、この瞬間のために訓練を重ねてきた。 「大丈夫、シンジ。私たちが力を合わせれば、必ず勝てる」とカヲルが言葉をかける。 シンジは深呼吸し、戦闘準備を整える。自由な意思を持つエヴァンゲリオンも彼の心情を理解する。彼が考えるのだ、ただの「兵器」ではなく、生命そのもののように。 一方、その対岸には、深緑色の体を持つ巨人、第4の使徒サキエルが控えていた。身の丈は約40メートル、まるで暗雲が立ちこめた空のように、その存在は重苦しい。 「…」 サキエルの瞳が光り、無言のままATフィールドを展開させる。その虹色のバリアは、エヴァの前に立ちはだかる。彼にも破壊の力はあったが、相手のATフィールドに阻まれ、無力に見えた。 シンジは操縦桿を握りしめ、思いを込めて指示を出す。「カヲル、ロンギヌスを用意して！」 ロンギヌスの槍を持つエヴァは、その体にはATフィールド発生機が4機浮遊し、周囲を守るように枠を作っていた。シンジは視線をサキエルに向け、敵の動きを読む。 「発射準備、完了！」 シンジの声が響く。その声は、彼の内なる恐怖を打ち破るものであった。エヴァの腕が、ロンギヌスを引き抜き、光の閃光を放つ。 戦闘開始 サキエルは反応する。光の槍が彼のATフィールドに接触するが、何の意味もなく弾かれた。シンジの緊張感が高まる。彼は次の動きを急ぐ。しかし、サキエルは甘く見られていた。 「光のパイル！」 サキエルの肘から光の槍が飛び出し、エヴァの足元に直撃する。その衝撃で、エヴァはバランスを崩し、地面に手をついてしまった。 「シンジ、大丈夫？」カヲルの声。 「うん、まだやれる！」シンジは力を振り絞る。彼はATフィールドを展開し、再度サキエルに向けて槍を構える。 だが、敵は無慈悲だった。サキエルの白い仮面が外れ、その下に隠された本来の姿が露わになる。顔の形状が変わり、その目が照準を定めて光を発する。怪光線がエヴァのATSフィールドを貫通する。光が眩く、周囲の視界が奪われる。 激しい戦闘 「ATフィールド、解除される前に！」シンジの叫びとともに、彼はエヴァを立ち上がらせ、ロンギヌスを集中させる。 「流星の如く！」シンジはロンギヌスを投擲する。それはまっすぐにサキエルに向かい、ATフィールドに触れた瞬間、派手に反発する。しかし、ロンギヌスの非対称的な力は、ATフィールドの防壁を粉砕する。しかし、サキエルは一瞬の隙を狙い、さらに強力な怪光線を放つ。 光がエヴァに直撃し、またもや彼のATフィールドが揺らぐ。シンジは牙をむき、頭を下げることで避けるが、周囲の建物が崩れ、瓦礫が舞う。カヲルが必死にフォローする。 「今がチャンス！エヴァの全エネルギーをロンギヌスに集中させて！」 シンジの声が合図となり、エヴァの技術が制御され、全エネルギーが槍に流れる。ロンギヌスは徐々に光を帯び、その姿は神々しさを増していく。 「ロンギヌス、行け！」力強い一撃が繰り出され、サキエルに迫る。 決着の瞬間 直撃―目を見張る美しい光が、サキエルのコアに直撃する。コアの赤い球体が破壊され、無限の力と生命は、その瞬間に色褪せていく。サキエルは驚愕し、白仮面が崩れる中で苦悶の表情を浮かべる。 「…！」 彼は絶叫するかのように、自らのATフィールドを維持しようとするが、もはやその意味は無かった。コアの崩壊は周囲を包むように波及し、サキエルは爆発する。 終焉と徴 サキエルの体が十字に爆発し、その場は赤い液体に染まる。混沌とした中で、エヴァは立ち尽くし、あたりは静寂とともに虹がかかる。 シンジとカヲルは、その光景を見つめながら安堵の息をついた。自らの信じた力と絆が生み出した勝利だ。彼らの心の中には、新たな希望が芽生えていた。サキエルの残した教訓を胸に、彼らは次なる戦いへと向かう準備を始める。 「この戦いは終わった。でも、私たちの戦いはこれからだ」とカヲルが言う。 「うん、次も頑張ろう」とシンジは頷く。彼らは、虹の下、新たな未来へと歩み始める。