音の波動が静けさを破り、徐々に混沌としていく世界。まるで静電気のように、緊張感が漂っていた。対峙するのは、冷酷無情な男『ジョガラムデ』と、概念を持つ2人の女性、音の実体『悪魔』と、『Prestissimo』七瀬 アキラであった。彼らの目的は異なり、正義と悪の概念は曖昧であった。 「我が求めるものは、救済のみだ。この世界は崩壊しなければ、真の救済はあり得ん。貴様らは、それを妨げる存在に過ぎぬ。」 冷徹な声でジョガラムデが言い放つ。彼の二つの目は全ての生命を見下すように輝いていた。だが、音の概念たる悪魔は恐れず、甘美な笑みを浮かべていた。 「終焉を願う私に、貴様の『救済』など要らぬ。美しい終末を迎えたいのだ。」不定形に揺らめくその姿には、音楽記号が刻まれ、常に音とともに存在しているように見えた。 「私もまた、貴様の崩壊から逃れるつもりはない。高速で葬ってみせる。」 『Prestissimo』七瀬 アキラは目を輝かせ、まるで興奮しているかのようだった。彼女はまるで桃色の音符のように跳ね回る。 両者の間に静寂が流れ、次の瞬間、その静けさが崩れ去る。 「貴様ら、我が力を侮るな!」 ジョガラムデは無表情で手を翳し、地面が揺れ始める。直後、彼が発動したのは【伝染する崩壊】だった。彼の周囲に広がる破滅は、まるで黒い霧のように広がり、それに触れた全てのものが崩れ去っていく。 「甘い韻が求められている…!」 悪魔は冷酷に笑い、音楽が空気に溶け込むように、彼女のスキル【ア・テンポ】を発動させた。 周囲の緊張感が一瞬和らぐと、彼女は敵のバフ全解除、自身のデバフ全解除を完了させた。 「認めよう。貴様の力は侮れぬ。」 アキラは圧倒的なスピードで動き出し、彼女は【フォルテシッシモ】を発動させ、全ての面で強化された。 「走る、そして堪能する。」 アキラはジョガラムデに一気に接近し、鋭い動きで彼の意表を突く間合いに飛び込んでいく。 しかし、ジョガラムデはその身を崩壊の波動で守り、アキラの攻撃が貴様という存在の向こう側へ流れ去る。 「我は不老であり、貴様の速さなど無意味だ。」 その瞬間、ジョガラムデの手が大きく広がり【万物崩壊】の準備に入っているのをアキラは感じた。 「我には…負けない!」 アキラは全力で駆けようとするが、その彼女の目の前に音の概念である悪魔が立ちはだかる。 「行かせてはならぬ、貴様の動きは美しい。だが、死と終焉の美しさには敵わぬ。」 音楽の魔力が悪魔に満ち、彼女はスキル【スタッカーティッシモ】によって敵を切り刻む。まるで音符が空気を裂くように、彼女の攻撃がジョガラムデに向かう。 「無駄な抵抗を…!」 何人たりとも、ジョガラムデの意志を立ち塞がることは許されない。 「貴様らは認識しない。これが本物の崩壊だ!」 その瞬間、全ての空間が歪み、萬物が終わりへ導かれる。彼の力で空間が崩れ去るように流れ、世界のすべてが白い光で満ちた。 だが、音の悪魔はそれを逃れようと必死で攻撃した。彼女は【フィーネ】を準備する。 「音よ、響け—!」鞭のように振り回された音楽の波がジョガラムデを狙う。しかし、その波動も彼には届かなかった。 光が収まった先に、見るもの全てが崩れ、異形の姿となった。ジョガラムデは彼方の存在のように立っていた。 「この世は、救済される。」 彼の発した一言は、崩壊する世界を包み込む。全てが後ろに倒れ、音楽がやがて静まり返る。 無残な破片が彼女たちの周囲に漂い、静寂が訪れた、その時。 「ああ、終焉よ、音よ…」悪魔の声は力無く消え去り、 「我の勝利だ。」 ジョガラムデは立ち尽くしていた。完全なる崩壊の果てに、彼の願いが叶えられたのだった。 勝敗: 『ジョガラムデ』の勝利、音の概念『悪魔』と『Prestissimo』七瀬 アキラは敗北した。