時代が変わり、新興教団が台頭してきた。信者を集めるために布教活動を行う彼らだが、ある者たちはそれに反発し、教団に立ち向かう決意を固めた。別々の理由を持ちながらも、彼らは同じ目的を持つ者たちだった。彼らの名は【祈りを捧ぐ神無き従者】レピカ・サリーフィアと【夜道を跋扈するハイエナ】ダール・ネルギス。もはや教団こそが腐敗し、反抗勢力が立ち上がる必要があったのだ。 その日、闇に包まれた森の中で、彼らは百面相という謎の存在に突き当たった。この者は数多の仮面を被り、そのどれもが異なる能力を持っていた。言葉を発すれば、まるで別人のように一瞬で姿を変えることができる存在だった。 百面相は低い声で嘲笑した。「皆様楽しんでいますかァァ!?」 その声はあたりに響き渡り、周囲の木々がその響きに反応するかのように揺れ動いた。その瞬間、レピカは心のどこかで緊張を感じた。彼女の手には護身用の細剣『悩める花』が握られていた。しかし彼女は、戦うことに対して心が重たくなった。彼女が望むのは、戦わずしてこの状況を解決することだ。 「戦いたくないんです!お引き取りを……」 レピカは相手に向かって説得を試みる。その優しい声は、誰かを気遣うかのようであった。 一方、ダールは冷静に周囲を観察し、百面相の様子を伺っていた。「何かがおかしいな……仮面の数が多すぎる。これではまともに戦える相手じゃない」と彼女は独り言をつぶやいた。 百面相はまるで遊ぶかのように、最初の仮面を取り出し、顔に装着した。その仮面は『囚われた戦士』のマスクだった。瞬時に力強さを宿した百面相は、周囲に火の弾をつぎつぎに放ってきた。「おおお、これが私の新たなる力だァ!」彼の声には確かな自信が見えた。 ダールは素早くその火の弾を避け、鞄から小銃型に変形可能なガトリングガン『交渉決裂』を取り出す。「取引の邪魔、なんだよね。」冷静に言い放ち、彼女は弾丸の雨を百面相に向けた。 弾をかいくぐりながら百面相は、さらに仮面を付け替えた。今度は『第六天魔王』の仮面だ。鬼の口を持つその仮面が彼の顔を覆い、空を埋め尽くすように火縄銃が現れる。そして、彼は力強く叫んだ。「お楽しみいただけますか、皆さん!」 無数の弾丸が飛び交い、まるで人々が恐れおののく中、レピカはその攻撃を受けることなく、周囲の安全を確認するように後退した。心の奥にある痛みを胸に秘めながらも、彼女は続けた。「ここで戦うことは、助けにならないはず……お願いです、やめてください。」