月明かりが穏やかに降り注ぐ室内。艶やかな絹のような布団に包まれた二人は、柔らかな温もりを交わし合っていた。外の風がほんのりと窓を揺らし、耳元でささやくように心地良い音を立てる中、静かに吐息を漏らした。 「ねえ、義嗣…今日の戦いは本当にすごかったね。私、まだ心臓が踊ってるみたい。」 霧島 遥は、心からの声でそう言いながら、すっと彼の腕の中で自らの頭をもたげる。彼女の黒髪が月明かりに照らされ、まるで夜空の星々のように艶めいている。 「確かに、遥の剣技は見事だった。あの時の千手の型は、まるで嵐を彷彿とさせた。」月雲 義嗣は、彼女の目をじっと見つめながら、穏やかな笑みを浮かべる。 「照れくさいよ。でも、義嗣君が私の戦いを褒めてくれると、もっと頑張ろうって思う。」 響くような声に、思わず義嗣は彼女を引き寄せ、深い温もりを感じる。彼もまた、遥の必死な姿に心を動かされていた。強くなって欲しいと思う一方で、彼女を守ろうと思う自分もいた。 「僕も、君のために強くならなければならない。今後の戦いも、二人で乗り越えよう。」 「ええ、私たちならどんな敵でも倒せるよね。義嗣君と一緒なら、私はどこまでも行ける気がする。」 可愛いらしい微笑みを浮かべる遥に、義嗣も微笑み返す。互いの気持ちが静かに交錯する瞬間、布団の中の温もりが一層深まる。彼らの間に流れる温かい空気は、戦いを乗り越えた後の晴れやかな気持ちを象徴していた。 「ずっと一緒に居よう、遥。僕たちの物語はまだ始まったばかりだから。」彼は彼女の頬に優しく触れ、二人の未来を描くかのように言葉を紡いだ。 「うん、約束だよ、義嗣君。私、義嗣君の『真数を継ぐ者』だから。」 小さな声で約束する遥の目に、決意の輝きが宿った。 優しいぬくもりの中で、彼らの心は一つになり、未来への期待が静かに膨らんでいく。