カトルはその優雅な動きで、戦場を軽やかに舞い、彼の穏やかな笑顔は許しを求める者たちの心を掴ずにはおかない。しかし、彼は極悪非道な大罪人。この瞬間、彼の目の前には、兎獣人のスランと熊猫獣人のパルラが立ちふさがっていた。 「さあ、僕と遊ぼうよ。どれだけ楽しんでもらえるか、見せてあげる!」カトルが挑発するように言うと、スランは冷静さを崩さず、刀【兎龍丸】を高く構える。 「僕の友が鍛えた刀、どこまで耐えられるかな?」スランは答えた。そのスラリとした腕が刀を引き下ろした瞬間、彼の周囲には水のような気配が漂う。 【水月】の効果が発動され、全ての攻撃を受け流せる瞬間、カトルはその技に対する興味を持ち、少しその場から離れた。瞬時に近づいていく彼の姿はまるで流れる水のようであった。 一方、パルラはすでに構えていた。薙刀を持ちながら、彼女の身体からは力強い気が放たれていた。既に準備が整っている。彼女の五感は、敵の動きを読み取り、攻撃を最小限に回避する能力を引き出していた。「私たちでカトルを追い詰めるわよ、スラン!」 「ああ、分かっている。」スランは静かに応じ、反撃に備える。 カトルはその場を周遊しながら、敵の動きの観察を始めた。まるで楽しそうに、彼の耳がぴんと立ち、周囲の空気を感じ取る。「君たち、強いね。特にその薙刀の扱い、見事だ!」彼は舌を出して、もったいぶった口調で言った。パルラは彼の挑発に乗ることなく、すぐさま【地気】を吹き込むように薙刀を振り回した。 それが、カトルにどれほどの威力を与えているのかは、スランの冷静な目にも明らかであった。彼はその時点で、パルラが攻撃を繰り出す瞬間に反撃の隙が生まれることを予想していた。 「行くよ!イーワンからのイーチェンで行く!」パルラの声に反応し、スランは彼女を信じて斬りかかった。その瞬間、カトルもまた彼らの力を受けて立ち向かった。彼は全身に響く威圧感を瞬時に捉え、それを避けることで返す。 「これが君たちの力か…。なかなか楽しいね!」カトルは挑戦的な口調で笑いながら反撃するも、スランがその刃を受け流すたびに、彼の身体能力が際立っていた。スランが刀を持つと、彼自身が水のように流れ、その攻撃を最小限にし、すばやく反撃する。 その時、カトルはニヤリと笑いながら口元を歪めた。「君の能力、模倣させてもらうよ!」その瞬間、彼はスランの【水月】を瞬時に理解し、自らの技に取り入れ始めた。 「マジかよ…嘘だろ…!」スランは驚きの声を上げ、カトルは次の瞬間、彼に斬りつけた。しかし、刀の刃は眩しい水のように流され、スランは反撃。今度はその攻撃を全て受け流されてしまった。 「くそ、僕が模倣した技だと?」スランは自らの動揺を抑えながら、カトルの動きを観察する。 そのままカトルは肩越しに振り返り、今度はパルラに攻勢をかける。彼女の薙刀が迫る瞬間、カトルはまるで鬼ごっこのようにその攻撃を避け、思いもよらない位置から反撃した。 「今度は君の防御を壊すよ!」カトルは軽快な動きで近づき、パルラの薙刀を迂回してその背後に回った。「次は複合技にしてやるから、楽しみにしてて!」彼の体がぱっと輝いた瞬間、スランは彼の動きに注視した。 「行くぞ、スラン!全力で!」パルラが叫び、心一つにした。スランは無言で頷き、彼女の薙刀に全てを賭けた。 カトルはすでに戦況が動いていることを察知し、用意した技を次々と展開する。「君たちの攻撃を受け止めるなんて、実に楽しい!」彼の声が響く中、カトルは自らの能力を模倣した【水月】を駆使し、次から次へと刃を受け流していく。 その瞬間、カトルはスランの斬撃を模倣し、さらなる速度で彼に近づいていった。「さぁ、次は君の技をちら見させてもらうよ!」 次の瞬間、カトルは驚異的な速度でスランに迫った。彼の刀が振り下ろされる中でも、カトルの身体はしなやかに動き、完全にその攻撃を受け流してしまった。そのまま、彼はスランの横をすり抜け、さらにパルラと向き合った。 「さぁ、パルラ。君の攻撃も受け流すから、遠慮は無用だ!」彼の目は楽しげに輝いていた。 パルラは彼を見据え、再び薙刀を振りかざす。その瞬間、カトルの身体からも水のような気が振る舞い、まるで流れる川のように二人の攻撃が交差する。 しかし、カトルはすぐに彼女の動きを捕らえ、反撃に出た。「これが君の力か、ここまでされちゃうとさすがに楽しすぎる釣り堀になっちゃうな!」 その言葉を無視したスランは、自らの身体を駆使して次の一撃を放つ。流星の如き強烈な一太刀がパルラのもとに向かって飛び、彼女はそれに対抗すべく構えを整え、斬りかかった。 「兎撃龍星斬!」スランの叫び声と共に放たれたその斬撃は光り輝く星のように美しさを持っていた。しかし、カトルはその技を見逃さず、受け流すが如く避けた。 「本当に素晴らしい斬撃だ!どうやってそんな技を生み出したのか、教えてくれないか?」カトルは心から称えながら、そのまま彼の動きが止まることはなかった。 彼には新たなアイデアがあった。もしもこの能力を自分にインストールできるなら、彼は更に強大になれると確信したのだ。 直後、カトルは周囲に目を向け、パルラの隙を突いて彼女の技とスランの技を巧みに融合させる。彼は鼻をぴくりと動かし、ふわりとした笑顔で言った。「君たちの亡き友の技、その意志を引き継がせてもらうよ。「霊気」と「水月」を融合させて、特別な技を生み出すから!」こうして、カトルの新しい技が生まれた。 「【霊水斬】!その名も霊水斬、僕が受け継ぐ力さ!」彼の放った一撃は、スランとパルラが結び付けた技を模倣し、融合させたものであった。 しかし、彼の攻撃は凍りつくような冷気と共に襲い掛かり、二人は同時に自らの全力を振り絞らざるを得なくなっていた。スランは「兎撃龍星斬」を、パルラは「霊気」をもって反撃しようとするが、カトルの攻撃はそれを完璧に受け流しながら前進する。 「楽しいな、君たちの力を借りたおかげで、最高の遊び場だ!」カトルの叫びが響く。時には彼のその言葉が、二人の耳を刺すかのようだった。 彼らは全力を尽くしても、カトルの力の前に立ち塞がることができなかった。カトルの笑みは更に強く広がっていく。 「君たち、もう少し強くなったら、もっと楽しませてくれるかもしれないね。期待してるよ!」その声が響いた後、カトルは全ての力をかけて一撃を放った。彼が作り出した霊水斬は、どれほどの破壊力を持っていたのか。 時空が歪み、光の束の如く二人の元へと迫る。パルラとスランは驚愕の表情を浮かべるも、何もできぬまま攻撃を受け止めることとなった。 だがそれは、かつての連携で生き残る道を求める彼らにとって、狂気にほかならなかった。カトルの技は二人を包囲し、二人は音も無く敗北していく…。 カトルはその時、勝者の余韻に浸りながら、頬をゆるめて笑みを浮かべる。「最高の遊びだった。ありがとう、そして、さようなら。」 闘いの場所には静寂が訪れた。そこにはカトルが一人、佇んでいた。 そして、勝者の名前は「カトル」である。