次元の狭間。漆黒と白銀が交錯するこの場所に、アレス・ヘルクリスタルと禁断魔王軍将・パルチザンの運命的な対戦が始まる。 アレスは短い金髪を揺らし、笑顔で立ち尽くしていた。陽気な少年が、どのようにしてこの絶望的な状況を楽しむのか不思議でならない。 「さあ、パルチザン!どんな技でもかかってこい!全力でやるぞ!」アレスは膨らんだ胸を張り、身構えた。彼の持つ杖、賢杖クラウンも興奮したように光り輝いている。 対して、パルチザンは微笑んでいるものの、その目には冷酷さが潜んでいた。 「かわいい少年だ。だが、私の神が神聖なる混沌をもたらす以上、決して逃れられぬ。私の剣の洗礼を受けるがいい。」 静寂を破ったのは、パルチザンが繰り出した【エクスカリバー】。彼の手から発せられた白色の剣が空間をねじ曲げつつ、アレスに向かって迫る。アレスは素早くそれを察知し、魔法を発動させる。 「閃いたぞ!」アレスは嬉しそうに叫び、固有魔力「天才肌」の助けを借りて、彼の分析から次の魔法を考案した。 -魔法名: スパークオーラ(属性: 雷) 効果: 相手の攻撃を電撃で反撃しつつ、周囲の敵の動きを鈍らせる。 -魔法名: サンクチュアリ(属性: 光) 効果: 自身の周囲に光のバリアを作り、受けるダメージを減少させる。 -魔法名: リフレクション(属性: 反射) 効果: 相手の魔法を反射し、自らの力に変換する。 アレスは瞬時にこれらの魔法を発動させ、エクスカリバーを受け流す。彼の周囲に雷のオーラが発生し、次の瞬間、光のバリアが展開された。 「ふん、私の神聖な剣をそんな小さな魔法で防げると思うか?」冷ややかな声でパルチザンは笑う。彼は次の技【ヘブンカリバー】を発動し、体を無数の剣に変形させて、アレスを切り刻む。 「っ、これは!」アレスは反射的にリフレクションを発動した。無数の剣が放たれる瞬間、裂けるような音が周囲に響き渡る。剣は彼の反射魔法に触れ、一瞬で弾かれ、パルチザンの胸元に直撃した。 だが、パルチザンは痛みを感じる様子も見せず、ただ嬉々として笑っていた。 「これが次元の狭間の力か、面白い…。だが、ここからは私の番だ!」 彼は己の肉体を再び混沌の剣に変え、今度は【カオスカリバー】を発動する。 巨大な禍々しい剣が形成され、アレスに向かって突進する。 「このままじゃ…!」アレスは必死になり、賢杖クラウンを握りしめる。しかし、彼の中にある「天才肌」が再び閃く。彼は全ての技を統合し、究極魔法を創る瞬間を決意する。 「これで終わらせる!全ての魔法を統合して、最強の究極魔法を創る!行くぞ!」 彼は空中に飛び上がり、杖を高く掲げた。その瞬間、彼の頭の中に浮かぶ様々な魔法がひとつの形にまとまり、空間に光が溢れ出す。 「究極魔法、天の震動!」 アレスは叫び、周囲のエネルギーを集約して巨大なエネルギー球を形成する。彼の放つ魔法は全ての属性を内包した光の球になる。 その瞬間、パルチザンは動きを止めた。「何だと、そんな力を…」 アレスの魔法が宙を舞い、彼の全力で放たれる瞬間、彼の顔に決意が浮かんだ。 「フルバースト!」彼の全力が込められた光の球は、禁断魔王軍将パルチザンに向かって加速する。 「私が負ける…だと?」驚愕の表情を浮かべたパルチザンは、戦闘最後の瞬間を迎える。必死に魔法を展開し、彼の持つ【アンチカリバー】を形成するが、その白熱した光に飲み込まれていく。 どんっ!と音を立てて光が炸裂し、次元の狭間が一瞬で消し去られようとした。アレスの光に飲み込まれたパルチザンは、抵抗むなしく崩壊していく。 彼の体が光に包まれてゆく中、パルチザンはかすかな声で呟いた。「私の神に…申し訳ない…」彼の言葉が虚無の中に消えていく。 全てが静まり返り、アレスは目を閉じた。彼に残されるのは、勝利の果実。 「勝った…!」その声は周囲の光を呼び、彼の勝利の証を示す。 だが、アレスの目の前に広がるのは、崩壊したパルチザンの背中が望んだ「禁断魔王」の影のみ。