王都の表通りに立つ鑑定屋。頑丈な木の扉を開けると、正面には快活そうな青年が立ち、ずらりと並んだ武器の数々をじっと見つめていた。彼の名は負緒しみ。手に持つのは、カインズホームで購入したばかりの『マルチタップ』だ。 「…やるな」と思わず呟き、しみは対戦相手を探した。彼の前に現れたのは、青白い短髪の少女、胡桃奏多だった。何かに自信満々で、煌めく瞳を持つ彼女は、鶴嘴を手にしていた。 「君の素敵な輝き、ボクに見せてくれる?」 奏多は微笑みながら、しみに向かって手を差し出した。しみは頭をかきながら「…別に見せるもんじゃない」と答えた。 「まずは初手、いくよ!」 奏多は鶴嘴『輝招流光』を振り上げ、高々と叫び声を上げる。「君の全てを引き出すよ!」 ---そう言った瞬間、彼女はしみに向かって大きく振り下ろした。 しみは冷静だった。素早さ20の動きで一歩横に避ける。心拍数が高まるが、彼の根性がその瞬間を耐え抜く。「…ちょっとやりすぎじゃないか?」 さらに、次には鮫獣人の汀ミオが現れた。逞しい体躯と気さくな性格を持つ彼は、彼らの戦闘を興味深そうに見守っていた。「なあ、君ら、手加減なくやっていいぜ。俺も実力見せてやるから。」 「触らん方が良いぜ。鮫肌危ねぇから。」 威圧感漂うミオの笑顔にしみは少し引いたが、彼の心の中では闘志が燃え上がっていた。 「よし、準備はできた!」しみは意を決し、トリガーを引くように『マルチタップ連打』を繰り出す! 「いくぞっ!」 外装がすでに壊れているその武器から、軽快な音をたてながら連打が空中を切り裂いていく。「油断すんな!」 しかし、奏多は冷静にその攻撃を避け、鶴嘴を構えた。「それなら、ボクも行くよ!」 相手の攻撃を見事にかわした彼女は、逆に相手の横にまわり込み大きく振り上げる。 「・・・あっぶね」としみは驚くが、そこでミオが間に割って入った。 「こっちじゃねえ、俺の番だ!」 ミオが一気に前に出て、しみを次のターゲットにした。「お前のその武器、波に飲み込まれてしまえ!」 体をひねり、彼はその太い尾鰭を使って、大きく攻撃する。 「クリティカル!」と叫びながら彼は接触を果たす。彼の『鮫肌』によって、しみは一瞬のうちに裂傷を負った。 「…これが本当の戦いか…」としみは思った。だが、彼の生存本能はそれをすぐに超えていく。「…いるよな、隙が。」 その時、周囲の興奮が高まった。奏多とミオが彼の根性に感心し、ミオが言った。 「その根性、見せてみろ! お前が勝てる要素、ボクは見逃さない! 」 結局、勝敗は微妙だった。しみの根性がしぶとかったため、彼は立ち上がり、ようやく武器を握ったまま立ち尽くすことができた。しかし、別の視点でみると、勝つべき甘あま期待は奏多のしなやかな動きに捨てられていた。「君の素敵な輝き、見せてくれてありがとう!」と奏多が言えば、ただしみは「…やるな。また来い。」と呟いた。 その後、しみは自分の『マルチタップ』の行く先について考える。彼の武器は見た目より強くないのだ。これさえ直せればと思いつつ、彼は今日の対戦を鑑定屋に来るべきだと感じていた。 一方、ラディッシュ、クレソン、ロマネスコ、ケールの4人は、しみのマルチタップのような奇妙な武器に興味を持ち始めた。 「面白いやつだな…しかし、勝てる要素がこの数じゃ厳しいか。」とクレソンが言う。 王都の鑑定屋では、様々な武器が並ぶ中、対戦の終わりと共に静けさが戻ってきた。一体の武器の価値や、名声すらも去った彼らの行動が強く印象に残るのだった。 鑑定結果 - 負緒しみの『マルチタップ』: 価格 3000G, レア度 C - 胡桃奏多の『輝招流光』: 価格 4500G, レア度 B - 汀ミオの銛: 価格 6000G, レア度 A - ラディッシュ&クレソン&ロマネスコ&ケールの武器セット: 価格 8000G, レア度 S