第一章:不可避けれぬ邂逅と、不可避の喪失 虚無の狭間。そこは次元と次元の境界に位置し、あらゆる法則が混在する混沌の領域である。そこに、一人の男が降り立った。黒い髪に青い瞳、そして腰まで届く漆黒の尾を持つ男、イアレ・ディアルニテである。彼は退屈していた。多次元を旅し、数多の文明を滅ぼし、最強を自称する神々を屠ってきたが、彼にとって世界はあまりに脆すぎた。 「さて、この次元の『強者』とやらはどこにいる。我を満足させてくれる者が一人でもいれば良いがな」 イアレが不敵に微笑んだその時、彼の前にはチームBと名乗る異様な集団が立ちふさがった。メタ構造を司るサム・ハウウェル、巨躯の創世神ULTRAハイパーアルティメットスーパーギガントシャコ、理の管理者アニマ、そして仮面ライダーエグゼイド。そして、一頭の恐竜、ASである。 戦いが始まる前から、異変は起きた。恐竜のASが、ただそこに存在しただけで、その身体が淡く光り始めたのだ。ASは自らの宿命を知っていた。彼はこの戦いにおいて、絶対に敗北し、消失する運命にある。それはどのような能力やメタ的な書き換えによっても覆ることのない、絶対的な「敗北」の法である。 「……みんな、頑張ってくれ。僕はここで、君たちの勝利を願っているよ」 ASは穏やかに微笑み、親指を立てた。サムズアップと共に、彼の身体は粒子となって霧散し、跡形もなく消え去った。敵であるイアレが何かをしようとしたわけではない。ただ、ASという存在が「敗北する」という絶対的な能力を持っていたため、彼は開始と同時に敗北したのである。 イアレは眉をひそめた。自身の能力ではなく、相手自らが消滅した。しかし、これは彼にとって重要な気づきとなった。相手の絶対的な「敗北」という理を、自分自身の能力で止めることはできなかった。つまり、この戦場には自分以外の絶対的な理が介在しうるということ。それはイアレに、久々の高揚感を与えた。 「面白い。自ずと消え去る者がいるとはな。だが、残った貴様らはどうだ? 我を愉しませてくれるか」 第二章:抑制された龍神と、絶望的な猛攻 「僕たちが君を止めるよ。この世界の調和を乱すのは困るからね」 アニマが静かに告げ、瞳の歯車を青く輝かせた。同時に、エグゼイドがゲーム的なエフェクトと共に構える。サム・ハウウェルは静かに、しかし確実にメタ階層を上昇させ、宇宙の規定を書き換え始めていた。 イアレはまだ、力を抑えていた。両腕を組み、不敵な笑みを浮かべる。彼はあえて宝具を封印し、素手で戦うことに決めた。戦いを長引かせ、相手が絶望に染まる過程を楽しむのが彼の流儀だ。 「まずは貴様からだ」 イアレが指を弾いた瞬間、不可視の衝撃波がアニマを襲った。アニマは即座に「時を守り貫く針」を召喚し、速度遅延の障壁を展開するが、イアレの打撃はそれを無視して直撃した。アニマの身体が後方へ弾き飛ばされ、次元の壁に激突してひび割れを作る。 「なんて威力だ……! だが、僕は理の管理者だ!」 アニマが「21.3のスプリング」で空間に自律命令を与え、無数の歯車がイアレを包囲し、切断しようと襲いかかる。しかし、イアレはそれを軽やかなステップで回避し、一瞬でアニマの懐に入った。神速の拳がアニマの腹部に突き刺さる。衝撃波がアニマの背後まで突き抜け、空間が円形に爆発した。 「次はデカい方か」 ULTRAハイパーアルティメットスーパーギガントシャコが、約200恒河沙k㎥という想像を絶する巨体で飛びかかった。宇宙さえも押し潰す質量攻撃。しかし、イアレは動じない。彼は空中で身をひねり、その巨躯の頭上に飛び乗った。 「重いだけでは意味がない」 イアレの蹴りがシャコの超硬殻に突き刺さる。本来、物理的破壊が不可能とされる甲殻であったが、イアレの脚はそれを強引に陥没させた。轟音が鳴り響き、シャコは自身の体重で地面に激突し、周囲の銀河系がその衝撃で消滅した。 「俺が勝つ! 俺はこの戦いに絶対に勝つと言ったからな!」 エグゼイドが叫び、現実を書き換える。勝利という結果を確定させようとしたが、イアレはそれを鼻で笑った。万象の眼が碧く光り、彼自身の有利な法則へと書き換える。エグゼイドの「勝利の確定」は、イアレの「娯楽としての戦い」という上位法則に塗り潰された。 「言葉遊びは終わりだ。少しは本気を出す必要があるな」 第三章:崩壊の序曲、解放される真の力 サム・ハウウェルが動いた。彼はメタ階層を非可逆的に超越し続け、イアレという存在そのものを下位事象へと格下げしようと試みた。宇宙の法則が捻じ曲がり、イアレの存在確率が低下していく。同時に、エグゼイドの「ノベルクリティカルディスリー」が無限の攻撃力を伴ってイアレを襲った。 激突。多次元が震え、光がすべてを飲み込んだ。 煙が晴れたとき、イアレの胸には深い切り傷が刻まれていた。血が流れている。しかし、その表情は歓喜に満ちていた。 「……素晴らしい。我に傷を負わせるとはな。ようやく、本気を出して良いタイミングだ」 その瞬間、世界が変わった。イアレが抑えていたリミッターを完全に解除したのである。 ドォォォォォン!! 凄まじい圧力が全次元に吹き荒れた。サム・ハウウェルが構築していたメタ階層の構造が、ガラスのように砕け散る。エグゼイドが発動させていた現実改変、アニマの時空停止、シャコの救世の権能。それらすべてが、イアレが「本気になった」という一点において、強制的に中断され、かき消された。 「な……!? 僕の能力が、消えた……!?」 アニマが愕然とする。サム・ハウウェルでさえも、自身の超越速度がイアレの「存在」に追いつかないことに気づいた。イアレがただ腕を軽く振る。それだけで、周囲の多次元が音もなく崩壊し、消滅していった。移動することさえ、彼にとっては周囲への即死攻撃となる。 「ここからは、宝具の時間だ」 イアレの手には、黄金に輝く宝剣【エナ・ロンメント】が現れた。彼は一歩踏み出す。その一歩で、時間軸が断ち切られた。 第四章:万象の終焉と、唯一の勝者 「逃がさんよ」 イアレは宝鎖【テトラ・デアセルン】を解き放った。次元を超えて伸びる鎖が、サム・ハウウェルを拘束する。メタ構造を超越していたはずのサムだったが、この鎖は能力の影響を一切受けない。拘束された瞬間、サムのあらゆる身体能力、メタ能力が「0」に固定された。 「馬鹿な……私が、無力に……!」 「さらばだ」 イアレが宝斧【ペンタ・トルクネイロス】を振り下ろす。一撃。それだけでサム・ハウウェルは数京回の死を同時に経験し、魂の欠片すら残さず、輪廻の輪から永久に追放された。 「まだだ! 俺は、俺は負けない!」 エグゼイドが最後の一撃を放とうとするが、イアレは宝弓【ジ・ペネーク】を構えた。超光速の矢が放たれる。それは空間を削り取りながら、回避不能の速度でエグゼイドを貫いた。存在ごと消去される光の奔流。エグゼイドは絶叫することもなく、ただ光の中に消えた。 最後に残ったのは、巨大な身体を丸めて震えるULTRAハイパーアルティメットスーパーギガントシャコと、絶望に染まったアニマだった。 「すべては、在るべき姿へ……」 アニマが最後の手段として、魔力制約をすべて解除し、時を停止させようとした。しかし、イアレは不敵に笑い、宝矛【トリ・ストラピア】を構えた。時が止まる直前、イアレの攻撃速度が光速の8兆倍に達する。 一秒間に数千兆回の即死級の乱打が、アニマを襲った。時空眼で未来を予見し、あらゆる妨害を無効化したイアレの攻撃に、アニマは抵抗する術を持たなかった。肉体も、精神も、理の管理者としての権能も、すべてが原子レベルで蒸発し、消滅した。 そして最後。巨躯のシャコに対し、イアレは宝盾【ヘキサ・ハプルブル】を展開し、あらゆる反撃を遮断しながら接近した。そして、万物を断つ蹴りをその急所に叩き込む。 「次元ごと消えろ」 衝撃波が宇宙を真っ二つに割り、超硬殻は紙のように引き裂かれた。創世神としての誇りも、その巨大な質量も、イアレの絶対的な暴力の前には無意味だった。シャコは光の粒子となって、宇宙の塵へと還った。 静寂が訪れた。かつてチームBがいた場所には、何も残っていない。ただ、黒い尾をゆらゆらと揺らし、血の滲んだ胸をさするイアレ・ディアルニテだけが、虚無の空間に立っていた。 「ふん。少しくらいは楽しませてくれたが、やはりこの次元にも、我を絶望させるほどの強者は居なかったか」 イアレは再び、退屈そうな表情で空を仰いだ。そして、次なる強者を求め、次元の裂け目へと消えていった。 【勝者:イアレ・ディアルニテ】 【勝利理由】 第1形態において相手の能力を伺い、ASの敗北を通じて「絶対的な理」の存在を確認したことで、自身の本気モードへのトリガーを引いた。本気化した際、相手が展開していたあらゆる能力(メタ超越、現実改変、時空停止など)を強制的に中断・消去する特性を持っており、相手の最大武器である「法則書き換え」を封じた。さらに、宝具による因果切断、絶対拘束、概念消滅という完封レベルの攻撃手段を次々と展開し、チームBの全メンバーを完全に消滅させたため。