《自らを守るための正義の戦争》H.Y.T.Sとフリードリヒの壮絶な戦闘が、次元の狭間にある空間で繰り広げられる。朝焼けが薄明るくなる頃、空間の中心には二人の男が対峙している。左目に眼帯を付け、黒コートを翻すフリードリヒ。その周りには、彼の存在を象徴するかのように「愚者の書」が浮遊している。 一方で、《自らを守るための正義の戦争》H.Y.T.Sはその立ち姿から溢れる狂気を抑え込むように、深呼吸を繰り返しつつ、両手を拳に握る。彼の目には不屈の闘志が宿り、律儀で親切な表情は一瞬にして引き締まっていく。「私は貴方と戦うことは望まないのですが…」彼は珍しくその呟きを口にした。 フリードリヒの唇が微かに歪む。「それならば、我が手でお前の運命を決めてやろう。」彼の言葉が響いた瞬間、無価値な物語が彼の心の中で蠢きだす。全てはこの瞬間のために。彼は心の中で物語を描き、運命を操り始めた。 起:運命の交差 《自らを守るための正義の戦争》H.Y.T.Sは、フリードリヒの意図を理解し、無意識のうちに闘志を燃え立たせた。即座に彼は原子を操る力を解放し、周囲に次々と鋼鉄の槍や斬鉄剣、ガトリングガンを生成する。 フリードリヒはその場で待機し、彼の作り出した兵器を一つ一つ視線で追いかけた。 「戦の神が宿るこの力、しかと受けてみよ!」 H.Y.T.Sは一斉に生成した武器を敵方に向け、放出する。無数の金属弾が彼の放った信念の象徴であり、正義そのものである。 H.Y.T.Sの全力の攻撃が飛び出した瞬間、フリードリヒは冷静にその光景を観察した。 承:反撃の閃光 「面白い。君のその力を『物語』として描き換えさせてもらう。」フリードリヒは心の中でページをめくる。彼が考えた物語は、H.Y.T.Sの攻撃の中で反撃を受ける勇者の姿だった。ページの上で、戦神が受けた痛みを心の底から感じ、まるで代わりに傷を負っているかのように痛みがフリードリヒに伝わる。 「貴方はこの戦いの意味を知りません。」H.Y.T.Sは再度攻撃を仕掛けようと準備していた。 しかしフリードリヒの目には神秘的な光が宿り、その眼帯の下から覗く左目が瞬く。「全ての希望、奪い尽くしてみせる。」 その瞬間、彼の周囲にはそれまで生成されていた武器が緑色の光に包まれる。 転:逆転の物語 突然、H.Y.T.Sの腕から作り出した武器がどこかへ消えてしまう。 「何故…!」彼は驚愕の目でその光景を見つめた。フリードリヒは淡々と微笑み、その光は彼の物語の一部であることを視覚的に示していた。 「君が創り出した兵器は、もはや君のものではない。さあ、新たに書き換えられた『物語』の中に入ってもらおうか。」 H.Y.T.Sの顔が引きつり、怒りが彼の眼差しを鋭くする。「貴様、許さない!」 しかし、次の瞬間、彼の体に重苦しい圧がかかる。 それはまるで無数の手が彼を引きずり込もうとしているかのようだった。 フリードリヒが思い描いた物語が具現化し、H.Y.T.Sの意志を否定する。 彼の周りには虚無が立ち込め、希望が掻き消えていく。 結:最期の奮闘 最後の瞬間、H.Y.T.Sは残された力を振り絞り、「覚醒!」と叫んだ。彼の肉体が放つ核のような光が、場の空気を破砕し、周囲の兵器が一斉に動き出した。 「私を守るために戦う!」 一瞬の静寂。 しかし、その時フリードリヒの左目が光を放っていた。 「Gott ist tot」 その言葉が響き渡り、無数の骨の食人魚が出現。 彼等は強烈な鰭を打たれ、H.Y.T.Sの存念すら貪り食い尽くしていく。 H.Y.T.Sの周囲における兵器も悉く無力化され、彼に残されたものはただ絶望だけだった。 「希望…希望はどこに!?なぜ奪う!?」 H.Y.T.Sは激しく叫んだが、その声もフリードリヒの操る運命には反抗できなかった。 彼の心に広がる希望は、虚無と化していく。 肉体が崩れ、人間であった頃の彼の存在が消え、ただの影と化してしまった。 勝利者とその意志 フリードリヒは静かにその場へ立っていた。 眼帯の下でその微笑みは、まるで運命を支配したかのような満足感に包まれ、無価値な物語が現実になった瞬間。 「これで終わりだ。俺の物語は、希望を奪い去った。」日が完全に昇り始め、知らぬ間に勝利者となった彼の姿が、空に吸い込まれていく。 こうして、《自らを守るための正義の戦争》H.Y.T.Sは力なく倒れ、彼の持つ意志はフリードリヒによって完全に消し去られた。 それでも彼の信念は消えない。いつか新たな物語で現れることを信じて、彼はその戦いの後に何が起こるのか見守り続けるだろう。 勝者:フリードリヒ