山の奥深くに位置する小屋の前、冷たく厳しい風が吹き抜ける中、戦闘の舞台が整えられた。たたずむ「元英雄」は、赤いロングヘアーを翻し、和服の袖を払いのける。対峙するのは、亡国の王子フォルと、機械兵士の最高傑作Σ32であった。全ては運命の歯車が動き出した瞬間から始まった。 「成し遂げて見せますよ。指揮官」 Σ32が穏やかな口調で語りかける。彼の意志は揺るがない。この戦いは彼にとって、使命であり、人類を救済するための第一歩であった。 「僕が祖国の起源になるんだ!」 フォルは力強い言葉を発し、光が彼の中に宿るのを感じる。しかし、今はまだ覚醒の時ではない。自らの力を秘め、無意識のうちに心の中で我慢を強いられていた。 「行くわよ、君たち!」 「元英雄」が声を張り上げ、戦闘を開始する。彼女の拳が風を切り裂くと、瞬間に間合いを詰めてくる。 粉砕拳・乱撃! 彼女は一瞬で距離を詰め、連続拳打を放った。目にも留まらぬ速度で繰り出されるその攻撃は、二人の間に恐るべき圧力を生む。 Σ32は見切りのスキルを発揮し、彼女の攻撃を一つ一つ避けていく。しかし、やがてその圧力に耐えきれず、一瞬でも隙ができた。 「無駄だ!フォル、上空からのカバーを!」 フォルは無意識のまま、英霊の結界によって守られている。彼が意識を持てずとも、秀でた戦略が彼の内に宿る。 Σ32が近くの隙間から二度目の攻撃に備えて動く。 「私のこの拳、君を打ち砕きに行くわ!」 再度放たれた粉砕拳・乱撃に、Σ32は速さで対抗する。「重盾防御」と「防御射撃」を駆使し、反撃のタイミングを図る。周囲には粉塵が舞い上がり、それはまるで戦場を彷彿とさせる。 「行け!」「粉砕拳・遠撃!」 元英雄の指示に応じ、拳を空間に叩き込む。衝撃波が放たれ、広範囲を制圧する。Σ32は反撃のチャンスを見つけつつ、フォルを守りながら戦う。 フォルの魔力は徐々に溜まってきており、石碑は静かに輝きを増している。しかし、彼は意識のない状態でただ耐え、守られているだけだった。「我慢しなきゃ。まだ、覚醒の時じゃない。」その無意識の中で、祖国復興の思いを強く抱いていた。 「まだまだ、これくらいじゃ終わらないわよ!」元英雄は再び動き出す。 粉砕撃・脚撃。敵の警戒を逆手に取り、高速で蹴りあげる奇襲。 Σ32はそれを察知し、「反攻斬撃」を行使、勢いに乗って元英雄へ反撃を試みるが、元英雄のロングヘアーが風に舞い、まるで彼女自身が生きているように見えた。 「来なさい、ふたりとも!」 元英雄は勝利のための執念を燃やし、再度、攻撃の嵐が二人を襲う。その一方で、 Σ32は冷静さを失わず適度な距離を保ち、戦況を見極め続けた。そして、再び「見切り」や「精密射撃」で元英雄の攻撃を凌ぐ。 その隙、フォルの石碑がより一層輝きを増し、魔力の蓄積が進んでいる。 「もう少しだ。お前たちは隙だらけだ。」規矩正しさと合理性に基づく行動で、 Σ32は確実な勝利を導くため通りすぎようとする。 時間が経過する中で、戦闘はさらに白熱していく。元英雄の激しい攻撃が続くが、 Σ32は一瞬たりとも油断しない。彼女の動きが最後の攻撃に近づく。 「粉砕撃・滅撃」 天地が反転するほどの威力の正拳突きが繰り出され、Σ32はその圧の前になす術もなくなり、ついに外郭装甲が破壊される。ただ、 Σ32はその瞬間、記憶した情報全てを活かしファイナル・ソルジャーへの形態変化が起こる。しかし、元英雄の激しい攻撃が続く。 「ここで終わりだ!」 ファイナル・ソルジャーとして変貌したΣ32は、計算が尽くされた正確無比な弾丸を撃ち出す。元英雄の要所にダメージを与えつつ逆転を狙うが、元英雄は衝撃を受けてなお、立ち上がる。意志は固い。 「私は、負けない!」 必死に立ち向かう元英雄が「粉砕撃・滅撃」を纏い上げ、一瞬の攻撃を放つ。 フォルがついに意識を取り戻す瞬間、石碑が輝き、彼の能力が解放される。調和がもたらされ、祖国の神話的英雄の剣と弓が彼の手元に現れる。彼の目には決意が宿る。 「僕が祖国の起源になるんだ!」 その言葉と共に放たれた大魔法『英雄再興』が炸裂! 圧倒的な光が「元英雄」とΣ32を包み込み、全てを圧倒する力が解き放たれる。まるで世界を塗り替えるようなその光景に、戦いの結果は決した。 光が収まった時、現れたのは往年の英雄フォルだった。彼の手には英雄の剣が煌めいている。 「さあ、再興するんだ!」 そして、元英雄はその光に飲まれ消えていった。Σ32も直後にその計算が崩れ、機械の身体にダメージが蓄積され、戦闘不能に陥る。 小屋の前に静寂が訪れた。その場に立ちすくむフォル。冷たい風の中に彼だけが立っている。 勝敗は、フォルとΣ32の勝利と、元英雄の敗北であった。