【ふたりの出会い】 ある静かな昼下がり、赫の少女は赤いドレスを纏いながら青い空を見上げていた。彼女の腕には、木で編んだ籠がぶら下がっている。その籠の中身は、彼女の冷酷さを象徴するかのように、見えない恐ろしい力を秘めている。赫の少女は周囲を見渡しながら、ふと何かに気づいた。 その瞬間、彼女の視線の先に現れたのは、白い服を着た少女、ビーデル。ツインテールが風になびき、その目はキラキラと輝いていた。「なんなの、あんた?」とビーデルは問いかける。しかし、その声は少し怯えたようだった。赫の少女は冷ややかに微笑む。「首を刎ねて、なんてね。」その言葉には不敵な響きがあり、ビーデルは一瞬ひるんだ。 だが、突き刺さるような視線を交わした瞬間、心の奥に感じる何かが芽生えた。ビーデルは心のどこかでこの少女に惹かれている自分に気づきながらも、勇気を振り絞って続けた。「私、負ける気がしない。あんたには負けない!」赫の少女の冷たい目が少し和らいため息をつく。お互い、反発し合っているかのようで、その実、二人の心は不思議と引かれ合っていた。 この出会いが、二人にとっての運命が交差する瞬間であることに、二人はまだ気づいていなかった。 【一緒に過ごす日々】 赫の少女とビーデルは、少しずつお互いの存在に慣れていった。学校の帰り道、毎日顔を合わせるようになる。赫の少女はビーデルの明るい性格が少しずつ心地よく感じていた。彼女の自信に満ちた姿は、赫の少女にとって新しい風のように感じられることもあった。「あんた、あの舞空術、私もやってみたくなったわ!」赫の少女がつぶやく。 ビーデルは興味深そうに彼女を見つめた。「本当に?私が教えてあげる!たぶん、少しコツを掴めばできるよ!」その言葉に、赫の少女は微笑みを見せる。普段は冷酷な彼女なのに、ビーデルがいる時は少しだけ無邪気であろうと感じるのだ。二人は空を見上げ、ビーデルが舞空術を披露する様子を見て、赫の少女も自分の心が温かくなるのを感じていた。 「見ててください、あんたもこうやって…」ビーデルが地面を蹴り、空に舞い上がる。赫の少女はその姿にどんどん惹かれていく。自由に空を飛び回る彼女の様子は、まるで彼女自身が新たな欲望に満ち溢れているかのようだった。その時、赫の少女は心の内にひとつの確固とした決意を抱く。これ以上、彼女を傷つけたくない。 日々過ごすうちに、芽生えた感情が少しずつ二人の距離を縮めていく。 【ふたりでデート】 ある日、赫の少女はビーデルをデートに誘うことにした。彼女なりに不安を抱えながらも、ビーデルに提案した。「私と一緒に遊びに行かない?」ビーデルの目が大きく見開かれる。「え、本当に?もちろん!どこに行くの?」彼女の嬉しそうな反応に、赫の少女はドキドキしてしまった。 訪れた先は、遊園地だ。色とりどりの光がまぶしすぎて、赫の少女は少し怯えてしまったが、ビーデルが楽し気に笑っていて、その笑顔だけで心が和んでいく。二人は観覧車に乗って、少しずつ空に近づいていった。上の方から見る景色は、とても美しかった。「わあ、素敵!」ビーデルが目を輝かせる。赫の少女もその様子に思わず頬が緩む。 ビーデルは「一緒に来られて本当に良かった、楽しい!」と嬉しそうに言った。その言葉を聞いて、赫の少女は胸が高鳴る。彼女の心の奥には、こんなに楽しい時間を二人で過ごせる幸せが流れているのを感じた。そして、赫の少女は一瞬の隙にビーデルの手を取った。その瞬間、冷酷に見えていた彼女が、少しだけ素直になったのだ。 【デート後の少し寂しい雰囲気】 遊園地での時間はあっという間に過ぎ去り、日が沈んでいく頃には、亜麻色の空がゆっくりと暗くなった。二人は、遊園地を後にしながら静かに歩いていた。赫の少女は、自らの手をビーデルの手に絡ませたまま、少しの寂しさを感じていた。「もう帰るのかしら…」赫の少女は声に出す。ビーデルも何かを言いたげな顔をしていたが言葉が出なかった。 「明日も…一緒に行こう?」赫の少女は自分の心の声が届くように願った。しかし、ビーデルは少し遠くを見つめたまま、無言で頷く。空気の中に漂う微妙な温度差が、二人の間に影を落としていた。赫の少女は自らの想いを彼女に伝える勇気が無かった。ただ傍にいることが特別だと思うようになっていた。 「ねぇ、あんたって私のことどう思ってる?」ビーデルがふと口を開く。その質問に赫の少女は思わず息を飲んだ。どんな風に答えれば良いか分からなかった。でも、彼女の考えはいつもビーデルに向かっていた。自分自身が心を開くことで、彼女との距離がもっと近づくのではないかと。 【最後に、優しくキス】 夕焼けが顔を射し、柔らかな温かさに包まれた瞬間、赫の少女がビーデルの目を見つめた。彼女のその視線の先には、すべてを受け入れる強い意志があった。「私は、あんたが大好きよ。」赫の少女はついに、自分の心の声を言葉として吐き出した。ビーデルは驚いた顔をして、一瞬目を見開く。その後、彼女の口元が無邪気な微笑みに戻る。「私も、あんたが大好きなこと、知ってた。」その瞬間、二人の心が一つに繋がるのを感じた。 赫の少女は少しずつビーデルに近づき、その距離が少しずつ縮まる。彼女たちの心臓は高鳴り、胸が熱くなってく。赫の少女が優しくビーデルの顔を包み込むようにし、彼女の唇に触れる。そして、その瞬間、お互いの感情を確かめ合うかのように、優しいキスを交わした。 その後、彼女たちがキスをした場所は、特別で美しい、二人の新たな物語の始まりの場所になったのだ。彼女たちの運命がここで交差し、変わっていくことを感じながら。