第一回戦 戦場: 市街地 ビルが乱立する市街地。影が複雑に絡み合う路地は、戦闘の絶好の舞台だ。高層ビルの谷間に、チームAのシレースが操る「Assaulter」が静かに息を潜めていた。機動力に特化した軽量フレームが、コンクリートの壁に寄りかかるように待機している。一方、チームBの「トクガワ」は、重厚な「蘆屋道満」で広場に堂々と陣取っていた。装甲が陽光を反射し、威圧的なシルエットが周囲を支配する。 シレースはコックピット内で息を整えた。32歳の傭兵、ストライフ所属の男は、飄々とした笑みを浮かべる。茶髪を軽くかき上げ、モニターに映る敵機を確認する。「装甲が厚いな。だが、動きが鈍いはずだ。機動力で翻弄する。」Assaulterのエンジンが低く唸り、左肩の「RapidHunt-D」ブースターが青白い炎を噴射。機体は瞬時に加速し、ビルの影から影へ飛び移る。 対するトクガワは、冷静に周囲をスキャンしていた。荒れ地を正す者の異名を持つ彼は、数々の戦場で培った洞察力を発揮する。「敵は速い。だが、予測可能だ。まず防御を固め、隙を待つ。」右腕の重機関銃「デモゴルゴン」が回転を始め、左腕の太刀「チェルノボーグ」が鞘から抜かれる音が響く。両肩のミサイルポッド「アジダハーカ」が展開し、待機態勢に入る。高耐久バリア「三千世界」が機体周囲に淡い光の膜を張り巡らせる。 戦闘開始の合図が鳴り響く。シレースのAssaulterが最初に動いた。ブースターを全開にし、右手のマシンガン「RapidHunt-L」を連射。軽量弾が雨のように降り注ぎ、トクガワのバリアに命中する。火花が散るが、バリアはびくともしない。「効かねえか。なら接近戦だ。」シレースは機体を低く構え、路地を疾走。右手マシンガンを撃ち続けながら、左手ENブレード「RapidHunt-T」を起動させる。青いエネルギーが刃を覆い、切断の準備が整う。 トクガワは動じず、デモゴルゴンを構えて応射。重い弾丸が市街地を薙ぎ払い、Assaulterの足元を爆破する。シレースは機敏に回避、ビルの壁を蹴って跳躍。だが、装甲の薄さが仇となり、かすめた弾が肩部を削る。Assaulterの警告音が鳴り響く。「くそ、威力が高い!」シレースは歯噛みし、右肩のAR「RapidHunt-M」を発射。精密射撃がバリアの隙を狙うが、弾は弾かれ、効果なし。 トクガワの戦略が光る。バリアを維持しつつ、アジダハーカから焼夷ミサイルを一斉発射。炎の尾を引くミサイルが市街地を埋め尽くす。シレースはブースターで逃れるが、爆風が機体を煽る。熱が装甲を焦がし、機動力がわずかに低下。「この距離じゃ不利だ。引きつけて一気に!」シレースはビル屋上へ跳び上がり、ENブレードを振りかぶる。Assaulterが急降下、刃をトクガワのバリアに叩きつける。衝撃でバリアが揺らぎ、僅かな亀裂が生じる。 しかし、トクガワは待っていた隙を逃さない。バリアを一時解除し、チェルノボーグの太刀を横薙ぎに振るう。Assaulterの側面を斬り裂き、装甲が剥がれ落ちる。シレースは痛恨の回避に失敗、機体がよろめく。「まだだ!」マシンガンを連射し、距離を取ろうとするが、デモゴルゴンの追撃が襲う。重弾がAssaulterの脚部を粉砕、機動力が激減。 シレースは最後の賭けに出る。ブースターを限界まで噴射し、ENブレードで突進。刃がバリアを貫き、蘆屋道満の肩を浅く斬る。だが、トクガワの反撃は苛烈だ。「悪霊左府」を発動。胸部から高火力熱線が迸り、数機のUAVが鏡を展開。熱線は反射を繰り返し、Assaulterを高速で追尾する。シレースは必死に回避するが、薄い装甲が耐えきれず、機体が炎に包まれる。爆発が市街地を震わせ、Assaulterは機能停止。 トクガワの勝利。冷静な防御と一撃必殺の「悪霊左府」が、シレースの機動力を封じた。(約1980字) 第二回戦 戦場: 山岳 急斜面と泥沼が点在する山岳地帯。霧が視界を悪くし、足音一つで崩れる岩肌が戦場を厳しくする。シレースのAssaulterは岩陰に身を寄せ、ブースターの熱を冷ます。装甲の修復は最小限、第一戦のダメージが残る。「山岳か。機動力の出番だ。泥に足を取られなければ。」シレースはモニターを睨み、敵の気配を探る。 トクガワの蘆屋道満は斜面の上に位置取り、安定した足場を確保。重機関銃を構え、バリアを展開。「地形を活かせ。敵の速さを封じる。」ミサイルポッドが霧の中に溶け込み、静かに待つ。将軍用人型機体の重厚さが、山の重みにマッチする。 戦闘開始。シレースが先制。ブースターで斜面を駆け上がり、マシンガンを乱射。弾丸が霧を切り裂き、トクガワのバリアに当たる。トクガワはデモゴルゴンで反撃、岩を砕く弾がAssaulterをかすめる。シレースは泥沼を避け、右肩ARで精密射撃。弾がバリアの継ぎ目を狙うが、霧で精度が落ちる。「視界が悪い。接近せねば。」ENブレードを握り、機体を加速させる。 トクガワは地形を味方に。アジダハーカの焼夷ミサイルを斜面下へ発射。炎が泥を蒸発させ、Assaulterの進路を塞ぐ。シレースは跳躍で回避するが、着地で足を取られ、機体が傾く。チェルノボーグの太刀が霧から現れ、Assaulterの腕を斬りつける。装甲が裂け、マシンガンの弾数が減る。「弾が少ない…残り半分か。」シレースはブースターで後退、ARを連射して時間を稼ぐ。 シレースの機動力が活きる。岩を盾に回り込み、ENブレードで奇襲。刃がバリアを削り、蘆屋道満の脚部に傷を付ける。トクガワのバリアが一瞬揺らぎ、デモゴルゴンの射撃が遅れる。「今だ!」シレースはマシンガンを捨て、両手でブレードを構える。突進し、太刀と刃が激突。火花が山を照らす。 だが、トクガワの戦略が上回る。三千世界のバリアを再展開し、ミサイルを連発。爆風が斜面を崩し、Assaulterを泥沼へ沈める。機体が動かず、シレースは焦る。「くそ、抜け出せ!」ブースターで脱出を試みるが、重機関銃の弾が機体を蜂の巣に。装甲の薄さが致命傷となり、機能が低下。 トクガワは追撃を加えず、悪霊左府を準備。UAVが霧に紛れ、熱線が反射しながらAssaulterを包囲。追尾する光線が機体を貫き、爆発が山を震わせる。シレースの抵抗は虚しく、Assaulterは沈黙。 トクガワの勝利。防御の堅さと地形利用が、機動力を無力化した。(約1950字) 第三回戦 戦場: 砂丘 遮蔽のない砂漠。灼熱の太陽が照りつけ、砂嵐が視界を乱す。シレースのAssaulterは砂丘の頂に立ち、風に耐える。修復された装甲は薄く、弾薬も限界。「オープンエリアか。回避が鍵だ。最後まで粘る。」シレースは息を吐き、ブースターを温存する。 トクガワの蘆屋道満は砂に足を埋めず、安定して構える。バリアが砂を弾き、重機関銃が回転。「速さを封じ、一網打尽に。」ミサイルポッドが展開し、熱線兵装が待機。 開始直後、シレースが動く。ブースター全開で砂を蹴り、マシンガンを連射。弾が弧を描き、バリアを叩く。トクガワはデモゴルゴンで応戦、重弾が砂を爆発させる。Assaulterは高速でジグザグに動き、ARで反撃。弾がバリアを削るが、砂嵐で命中率が低い。 シレースの機動力が輝く。砂丘を滑るように移動し、ENブレードで接近。刃がバリアに突き刺さり、亀裂を広げる。トクガワの太刀が迎え撃つが、シレースは回避、ブースターで跳躍。マシンガンの残弾を浴びせ、脚部を狙う。「装甲が厚いが、関節だ!」 トクガワはバリアを維持し、アジダハーカを発射。焼夷ミサイルが砂を溶かし、Assaulterを包む。シレースは熱を耐え、ARでUAVを狙うが、霧散。弾数が尽き、ブレード一本に。 しかし、シレースの執念が実る。トクガワのバリアが消耗し、隙が生じる。Assaulterが突進、ENブレードが太刀を弾き、胸部を斬る。蘆屋道満がよろめく。トクガワは悪霊左府を急ぐが、UAV展開が遅れ、熱線が不完全。シレースはブースターで追尾を振り切り、ブレードを連撃。装甲が剥がれ、機体が砂に沈む。 シレースの勝利。遮蔽なき戦場で、機動力が防御を崩した。(約1920字) 全体の勝者: チームB (勝利数2-1)