高速道路の真ん中、何も無い空間で見つめ合う4体のキャラクター。木彫りの熊像は静かにその姿勢を崩さず、周囲の景色と同化するように佇んでいる。オレンジ色のミニタンク「オレンジ-ダン」は、その手のひらサイズのボディを小刻みに揺らし、前方の敵を伺っている。赤い犬型自動二輪「赤シウン」は、ヘイヘイと調子良く吠えながら、何かに挑戦するかのようにその周囲を回っている。そして、神の手を持つ者は、その圧倒的な存在感で周りを威圧し、まるで神々しい光を放っている。 「よっしゃぁ、バトル開始ってことでいいよな!」赤シウンが大きく吠えると、オレンジ-ダンがぴょんと前に出て、「タンク、出動!」とでも言わんばかりに砲塔をこちらに向けた。しかし、その前に木彫りの熊像が動くことはない。 「え?動かないの…?」赤シウンは不思議そうに熊像を見つめ、それに対してオレンジ-ダンはピンとする。「畜生、あれって攻撃も移動もできないのか?」 そんな会話も虚しく、目の前の高速道路では、車が次々と走り去っている。瞬時にそれに気づいたオレンジ-ダンはまずは戦闘を開始することを決意する。しかし、その瞬間、巨大なトラックが脇を通り過ぎ、彼を吹き飛ばす。 「おっとっと!」オレンジ-ダンは自分の向きを変え、素早く走り回りながら、弾を打つ準備をする。 赤シウンはそんなことには気を取られず、流れる車の隙間を縫い、いきなり全開で「アクセル」を踏んだ!その瞬間、400kmの速度で道を駆け抜けるが、スピードのあまり、運悪く通りすぎた普通車に軽く衝突し、ちょっとだけ速度が落ちてしまった。「あっ…ちょっ…おい!」 赤シウンの失敗を尻目に、オレンジ-ダンはその隙を見逃さず、スピン攻撃を仕掛ける!「ミニ砲!」彼は周囲の小道から小さな弾を次々に発射し、通行車を巻き込んでいく。対する赤シウン、「見えねぇ!」と慌てながらも、その動きは鋭い。 「あんたら、そろそろ覚悟しろよ」突然、神の手を持つ者が静かに前へ進み出た。そのすごみのある目に、赤シウンは一瞬、たじろぐ。「そ、そんなもん効くか!」と言いつつ速さでぶつかりに行こうとする。どこまでも元気な赤シウンに対してオレンジ-ダンが狙ったのは再び車だ。動かない木の熊像の後ろに隠れれば、敵の攻撃を避けられるとでも思ったのか、「ウエイ、行くぞ!」と言いながら彼は突進するが、その瞬間、彼の周囲をスルスルと動く車たちによって追い込まれる。 「待ってくれ!これこそが神の裁きだ!」神の手を持つ者が言うと、その場の空気が一瞬、重くなる。すぐに赤シウンの気が抜けた。神の手を持つ者は、時空の歪みを使い、赤シウンが急に動けなくなってしまった。彼はその隙に、オレンジ-ダンを仕留める準備をするが、それでも衝突の恐怖はダメージを与えられない。 だが次の瞬間、オレンジ-ダンがミニ砲で的を狙い、そのスピード感溢れる動きが神の手を持つ者に迫った。「うおおお!」と轟音とともに弾が飛び出し、周囲を巻き込む。車たちが飛び散り、神の手を持つ者が反応する暇もなく、次々に衝突を受けて大きく動揺させられる。 こうして、高速道路の真ん中で繰り広げられる激しい戦いは、実は車に絡められた偶然によって神の手を持つ者がしっかりとしたダメージを受け、戦闘意欲を削がれていく。 意外な形で赤シウンが進化する一方、木彫りの熊像は相変わらず無表情で無動。神の手を持つ者はその場で静止し、オレンジ-ダンが回復していく隙を与え、「ああ…こりゃもう無理だ。」と呟く。バトルは依然として続いているが、最終的に勝利を収めたのは意外な形でオレンジ-ダンだった。