寛永10年、桜の花びらが舞い散る城の中庭で、将軍の命により剣術の試合が行われていた。人々が見守る中、二人の剣士、怠惰な一刀・地藏紫雨と青い肌のクリスが対峙している。紫雨は藍髪をポニーテールにまとめ、冷然とした眼差しを向け、彼女が持つ刀は穏やかな構えを取っていた。 「面倒臭い、アンタから来な」と紫雨は言い放つ。彼女の声は低く冷たい。これが彼女の怠惰哲学、つまり敵からの攻撃を待つスタイルである。彼女は動くことが面倒で、攻撃を敢えてしない。相手の動きを観察し、そこから最適な構えに変更することで逆に有利に戦う。 対するクリスは、青い鎧を纏った異貌の剣士。彼は無表情で紫雨を見つめ返している。何を考えているのか表情だけでは測りかねるが、実は彼は無言のプレッシャーで相手を追い込むのが得意だった。紫雨の怠惰には、彼の動きに対する回避能力が必要とされる。 「じゃあ、行ってみようか」とクリスがつぶやいた。彼の言葉は静かに、しかし確かな意志を持っている。 試合の開始とともに、クリスは静かに前進する。だがその動きはまるで流れる水のようで、攻撃を見抜く目を持っている。クリスの剣が空を切る音が響く。だが、紫雨は冷静に彼の動きを受け流す。 「ほぅ、なかなかやるじゃない」と紫雨は僅かに感心した様子で呟いた。 クリスは照れくさそうに浅く頷き、再び距離を詰める。彼の剣が今度は紫雨の肩をかすめた。その瞬間、青い血がしたたり落ちた。これがクリスの動きから生まれるタイミング、完璧に相手の隙をつく力だった。 「いい腕だな、でももう少し手を抜いてみろ。いらん疲れをためるな」と紫雨は言った。自身は攻撃を受けたというのに、彼女の声には驚きや苦しみは微塵も見えなかった。 その後も試合は進む。お互いに打ち合い、紫雨は軽い傷を増やしていく。クリスのひざには紫雨の刀の刃が少し触れた痕が残り、青い血がじわりと滲んでいる。双方の技が研ぎ澄まされ、少しずつ戦闘が加熱する。 戦闘中、武士オダと剣豪ムサシが展覧会の観客となり、それぞれの技術に反応した。 「紫雨の怠惰なスタイルは実に巧みだ。反撃を受けても冷静さを失わないのは驚きだ」と武士オダが言った。 「確かに、彼女の無動心に隙は少ない。しかし、クリスの素早さも侮れない。攻撃を回避してもTPを増加することで、ひたすら攻める姿勢は素晴らしい」と剣豪ムサシが相槌を打つ。 激しい攻防が続く中、両者はそれぞれの傷を背負い、戦術を変えて行った。クリスは攻撃が結局一撃一撃と増えたことで彼のTPが徐々に上昇し、彼の剣はその分威力を増していた。 「無駄に高い戦闘IQを発揮するなんて、ほんとにアホくさい試合だな」と紫雨はむっとしながら苦笑い。 「ウム、面白いスポーツだと思ってるけど、君が本気を出すのも見たいな」とクリスは無言のまま微笑む。 やがて、二人は息も絶え絶えにお互いに最終的な一撃を狙い合う。 「いくぞ、怠惰な一刀!」紫雨が叫んだ。彼女は一瞬の動きで刀を振りかざし、クリスの腰を狙う。 「それは、私のターンだ」とクリスは見事に彼女の動きを回避し、反撃に転じた。しかし、紫雨のカウンターが間一髪で彼の肩を斬りつけた。 血が流れ、痛みに耐えながらも二人は動きを止めず、互いの剣を交わす。遂に、紫雨が彼の剣を受けつつも力を加え、クリスは次の攻撃で力尽き、ふらつき、最終的にその身を地面に伏せた。 「…降参」と彼は告げながら、青い肌に紫雨の刀の痕を残して倒れた。 将軍は倣い、剣士たちに声援を送り、二人の戦いを称賛した。「いやー、見事な試合だった。特に紫雨、お前の懐かしい怠惰技術は素晴らしい!」 紫雨は無動を貫きながら言った。「はぁ、まあ、褒められても面倒臭いだけだ。」 将軍はそれでも感想を聞いて微笑み、二人を記念に和歌を詠むために促した。二人はそれぞれの傷を顧みながら、戦友と認め合い、静かにその場の雰囲気に溶け込んでいった。 「試合の終わりは、次への始まりさ」「それもまた、面倒臭いな。」と紫雨がぽつりとつぶやいた。 桜の舞った中庭の光と影が、静かに二人の剣士を包み込みながら物語を続けていく。