深界4層の探索は始まったばかりだった。キャラ達は慎重にダイダラカズラの巨大な皿の上を進み、温かい湯気が立ち上る水場を横目に見ながら進む。皿の周囲には淡い光が差し込み、まるで異世界に迷い込んだような神秘的な雰囲気が漂っていた。しかし、彼らの心は一つの原生生物、タマウガチの存在に警戒していた。 「慎重に行動しよう。こいつに出くわしたら、俺たちの運命は風前の灯だ。」ナルシストゥ・オレ・イケメンが声を潜めて言った。その言葉には重みがあった。タマウガチは全身が白い体毛と棘に覆われた凶悪な獣で、目はなく、まるでその存在を物理的に捉えることすら不可能なほどに神秘的で恐ろしい生物であった。 「絶対に見つからないように…」オルディナ・ぺルソンが言葉を続ける。「モブマンのためにも、決して無駄死にはしないッス!」 その言葉を背に、探索は続いた。彼らにはいくつかの遺物の情報があり、その収集を目指していた。すると、ふと視界の中に光る物体が見えた。浅い水たまりのすぐそばに、塵を集める壺がひっそりと佇んでいた。 「見て!あれは遺物かもしれない!」ガリレアントが叫び、他のメンバーへ注意を促す。彼の言葉に反応し、全員がその壺に向かって駆け寄る。 オルディナの手が壺に触ると、急に周囲の静寂が破られた。目の前の闇から、タマウガチが姿を現した。全身に棘が光り、力場を読むその身体は不気味さを増していた。 「逃げろ!あれはタマウガチだ!」ナルシストゥが叫ぶ。だが逃げる暇はなかった。タマウガチは彼らの予想を超える速度で襲いかかってきた。 オルディナはスイカレインを放ち、雨のように降り注ぐ種弾丸で周囲の物体を撃ち抜こうとする。しかし、タマウガチはそれを軽々と回避し、次の瞬間、オルディナの方へダイレクトアタックを仕掛けた。恐ろしい棘が彼女の腕に突き刺さり、瞬時に致死的な痛みが襲いかかる。 「うわあああああっ!」オルディナは絶叫した。体は衰弱していき、全身に激痛が走る。タマウガチの致死毒がじわじわと彼女を蝕んでいった。 「オルディナ!」ガリレアントが叫ぶも、すでに彼女の動きは止まっていた。急いで駆け寄った彼は、何が起きたのか理解することを拒んだ。仲間が倒れる光景など、どれほどの強者でも許されるべきではない運命だった。 「くそっ、何もできない…」ナルシストゥも声を震わせ、絶望感が彼の心を包む。タマウガチの圧倒的な力が彼らを圧倒していた。 「アリス、君の助けが必要だ!」ナルシストゥは叫び、周囲の状況を考慮しながらアリス・マーガトロイドに目を向けた。アリスは五種類の人形を駆使し、彼らを守るために攻撃を指示し始める。文人形が芭蕉扇を使い、風を操ってタマウガチの動きを一瞬でも遅らせる。その隙に、魔理沙人形がレーザーを放ち、タマウガチに直撃させることに成功した。 「いいぞ、もっといけ!」ガリレアントが叫ぶが、タマウガチは振り向きざま、再びオルディナに突進してきた。彼女の目にはもう光がなかった。全てが無意味な行動に思え、彼女が心の奥で抱いていた勇気は消え失せてしまったのだ。 タマウガチの後ろには更なる影があった。それはほかのオブジェクトとも交じり合った、また別の原生生物であった。タケグマという可愛らしい姿の子グマが、キノコを背負って彼らの前に現れた。子供のような姿ながら、その周囲には霊的な空気が漂っていた。 「なんでこんな場所に…」オルディナの意識の彼方で子グマの姿が映る。しかし、その甘いイメージは長く持たなかった。タマウガチの凶悪な襲来を止めることができず、彼女の意識は次第に暗くなっていく。 「オルディナ!しっかりして!」ナルシストゥの悲鳴が虚しく響く。戦う力も、逃げる力も失ったオルディナの体はついに動かなくなってしまった。 そのとき、彼ら全員の心に絶望が渦巻いた。オルディナの命が奪われたのだ。その瞬間、探索チームの士気が崩壊し、全員が重い空気に飲み込まれた。 「もう駄目だ…」ガリレアントが呟くが、アリスは冷静さを取り戻そうとしていた。「まだ諦めないで、私達には他にもできることがある!」 その言葉を聞き、ナルシストゥとガリレアントは意を決した。彼らはオルディナの死を無駄にしないために、最後の戦いへと突入することを決意した。心に剣を握る気持ちを秘め、全員の力を合わせてタマウガチへと立ち向かう。 しかし、タマウガチは圧倒的な存在感を放っていた。仲間の一人を失ってなお、彼を攻撃する力は全く衰えない。無常な運命が再び彼らを襲い続ける。戦いの最中、仲間のために命を散らすことを選んだアリスは、五人の人形を駆使し、最後の一撃を決めるべく全力で挑む。 とはいえ、タマウガチの反撃も凄まじく、アリスですらその実力を押しとどめられるほどではなかった。襲いかかる恐怖と痛みが彼女を襲い、その矢のような攻撃が仲間を容赦なく切り裂いていく。 「諦めたら、仲間の死ぬ意味がない!」ナルシストゥは震える体を奮い立たせ、意識を一点に集中させる。彼は力強い一撃でタマウガチに斬りかかり、日々の修行が彼に与えた力をすべて込めた。 タマウガチはこれを受け止め、牙を剥く。運命的な一撃が彼の本体に届くかもしれないという片隅に、光が差し込むような瞬間だったが、結局は力足らずに終わってしまった。 数瞬後、現実の痛みが彼らを襲う。全てが静寂に包まれるなか、オルディナの命を賭けた勇敢な戦士たちの心は、仲間への深い悲しみに包まれていた。 --- 探索の後、彼らが得たものはただ一つの遺物と察することしかできなかった。キャラ達の獲得と探索ポイントは以下の通りである。 【獲得遺物】 塵を集める壺 【探索ポイント】 オルディナ・ぺルソン - 0ポイント ナルシストゥ・オレ・イケメン - 50ポイント ガリレアント - 50ポイント アリス・マーガトロイド - 50ポイント 総合計: 150ポイント オルディナの犠牲を無駄にはせず、彼らは仲間の記憶を胸に、深界のさらなる探索へと進む決意を固めたのだった。