江戸時代寛永10年、徳川将軍の御前に集まった観衆の喧噪がひとしずく、またひとしずくと静まり返る中、白い小石の敷き詰められた城の中庭に二人の巫女が立っていた。 「私が初代絹織の巫女、絹織時靏。行くわよ、千鶴!」 「うん、私が折鶴の巫女、絹織千鶴。気を引き締めなきゃ!」 時靏は焦げ茶色のアホ毛を揺らしながら、緋色の鶴の紋章が施された羽織を翻した。対する千鶴は、長髪を一本に結び、涼やかな空気を纏っている。二人は、強い信念を抱いて立ち向かう。 戦士たちが見守る中、将軍の音頭により試合は開始される。両者が刀を抜き、静かな殺気が立ち込めた。 「負けられないよ、時靏。私たちの言葉がこの地に響くために!」 「もちろん、千鶴。あなたに任せるわ!」 最初に動いたのは時靏だった。彼女は『疾風怒濤』の技を展開し、瞬時に千鶴の懐に接近しようとする。だが千鶴も自らの能力を起動し、『六靏結界』を張る。 「私の結界がある限り、あなたの攻撃は無駄よ!」 時靏の剣が千鶴の直前で停まる。無駄な力を使わない時靏はすぐさま後方へ跳躍し、攻撃の体勢を整える。 「それでも、この一撃は貰うわよ!」 時靏の刀が月光を浴びながら鋭い一閃を放つ。千鶴はその瞬間、余裕を持って『風静靏零』を発動。静かに気配を消し、彼女の刀が光る。 「せーの!」 時靏の剣が千鶴の肩を掠め、その爪が深く切りつけ、血が流れ出る。「うっ、痛っ…でもまだまだ負けない!」 千鶴は痛みを堪えながら、『霜靏月霞』を発動し、冷気を纏った折靏が時靏に直撃する。 時靏は肩の痛みに耐えながら懸命に防ぎ、潜在的な力を引き出す。「さあ、行くよ!」 時靏は『最終奥義:月魄夜歌』を詠唱し、月光の力を凝縮させて千鶴に向かって一撃を放つ。 「月の光が、今こそ!」 千鶴は、彼女の感覚を研ぎ澄まし、タイミングを測る。やがて、彼女は立ち上がりながら『折靏之舞』を繰り出し、11連撃を時靏に浴びせかけた。 「私も行くからね、時靏!」 時靏の体は数回叩かれるが、その度に体を捻って反応を遅らせ、痛みを和らげる。両者とも、剣を交わしながらも技能の限界を試される。 再び、時靏が間合いを取り直す。「私、まだ攻撃するわよ!」 傷を負いながらも時靏は立ち上がる。しかし彼女の強運は光り輝いており、再び穏和な表情を保つ。「この戦い、私たちの絆を証明するものね。」 「だね、勝利のために尽力しよう!」 二人の剣圧は激しさを増し、流れるように互いを打ち合う。剣の交わる音が響く中、周囲の武士たちが熱気を帯びて観戦している。 将軍の表情もまた見守りつつ、その行く末を期待していた。戦いの白熱感がさらに観衆を奮い立たせ、時靏と千鶴は全身の力を振り絞る。ついに時靏が、最後の一撃を目指して動き出す。 「千鶴、行くわよ!」 その瞬間、時靏の技『疾風怒濤』が全ての速さを集約し、千鶴の対策が追いつかない。 「えっ?」 『月魄夜歌』が千鶴の胸に届き、光の一撃が放たれると同時に、千鶴は地面に膝をつき、息を切らしてしまう。傷を負った肩から血が流れ、羽織が染まっていく。 「負けたか…」 「でも、私たちの戦いはまだ終わらない。これからもずっと友達だから、千鶴!」 時靏は千鶴の手を取ると、喜びの笑顔を浮かべた。 将軍は感心し、立ち上がって二人に向かって話しかける。「素晴らしい剣技と絆。初代絹織の巫女、絹織時靏、お前が勝者である!」 観衆が歓声を上げる中、時靏は両手を広げて千鶴に寄り添った。 「これからも、一緒に成長していきましょう!」 「約束だよ、時靏!」 将軍は笑みを浮かべながら二人に褒美を与え、最後に和歌を詠む。 「桜舞うこの季節、二人の戦いは絆を示す。 友と共に栄光を信じ、これからも共に歩む。」 その言葉が静かな空間を包み、二人の心に深く刻まれていった。