雨が降りしきる廃墟街。路地は泥に染まり、朽ちた建物が立ち並ぶ中、薄暗い雲が空を覆い、時折響く雷鳴が不気味な雰囲気を醸し出している。そんな中、二人の異なる存在が一人の狼に挑むために集まった。 その狼の名は、ローン。黒い毛並みの彼は、無言のまま、自らの周りに七本のボロボロの傘を巡らせていた。傘は、穴だらけで常に雨水を漏らしているが、それこそが彼の武器であり防御でもあった。 対するは、二人の猛者。花飾りの銃者『アイ』と、正体不明の存在『バイオレンス・セイモア』。彼らはそれぞれの能力を武器に、ローンを圧倒すべく向かって行く。 --- アイは白いテイルコートを翻し、手に持つ白い拳銃と黒い拳銃『モカノート』をしっかりと構えた。目の前の狼は、静かにこちらを見つめ返す。紅い美しい瞳が、何かを見透かすように光った。 「私の一発で、ただでは済まないわよ!」アイは意気込みを込めて宣言すると、拳銃を撃った。 「ホワイト!」 白い弾丸が五発、雨を切り裂きながらローンへと向かって飛んでいく。だが、その瞬間、ローンは傘を一つ広げ、弾丸を完全に弾き返した。それどころか、弾かれた弾丸はアイの方へ向かって帰っていく。 「何?!」アイは思わず体を捻り、弾丸を避ける。だが、傘が示したその隙を逃さず、ローンが突進した。 彼の身体能力は桁違いだ。瞬時にアイの前に到達し、意表を突くように傘を振りかぶる。アイは咄嗟に拳銃を構え返す。「だが、まだ終わっていない!」次の瞬間、アイは黒い拳銃を構えた。 「ブラック!」 黒い弾丸は雨の幕を突き破り、ローンの身体へと向かう。彼は片手で傘を再び広げたが、黒薔薇の効果で防御力が低下している。その瞬間がローンにとってのチャンスだ。 --- バイオレンス・セイモアは、その存在をただじっと見ていた。肉体が何でできているのかもわからぬまま、彼はじっと力を溜めていた。海を好む彼にとって、廃墟街は居心地の悪い場所だ。だが、彼の目的はローンを倒すことだ。 セイモアは雨を操り、周囲の水を集める。すると、道を水が流れる。次第に深くなっていく水は、彼の意識に呼応してうねるように動き出す。 「行くぞ!」セイモアは一瞬で水の中に消えた。 --- アイが再び弾を撃つ。再び白い弾丸の連射、ホワイトでの攻撃を仕掛けるが、今度はローンは冷静さを失わず、傘を巧みに操りながら弾を弾き返す。 さらに、傘がふわりと舞い上がり、勝手に動き出す。 「ウズマキ!」 傘が旋回し、アイを包むように多段攻撃を仕掛けた。幾重にも重なる傘の攻撃に、アイは隙間を縫うように拳銃を撃ち続ける。しかし、その度に傘に弾かれてしまう。 「くっ、しまった!」 アイは反撃すべく動くが、ようやく接近した瞬間、セイモアが水の流れの中から現れた。複数の新たな攻撃方法を持つ彼は、傍らの水から驚くほどの速さでアプローチしてきた。 「水圧圧縮!」 セイモアは周囲の水を利用し、アイの足元を消し去る。すると、泥水の中にアイは呑み込まれ、動きを止められた。 --- その時、ローンは見逃さなかった。彼の傘がアイを包み込み目を捕え、さらに攻撃を加えていく。どれだけ彼女が連射の準備を整えようと、二つの力が共鳴した。 「アマガサ!」 傘が何度も叩きつけ、アイは被弾してゆく。 「もうだめだ!」 苦境に立たされるアイ。その姿を見て、セイモアはまずい状況だと感じ取った。 「カルミ・デロチェーノ!」 波が静止し、全てを流し去ろうとする技が発動する。ローンはそのタイミングを見計らって傘を振り動かし、一斉に襲いかかる。 セイモアの力に反応して、彼の周囲の水流は暴れ、二人の攻撃が激突した。雨は恵みのように彼らに注ぎ、更に力を増していく。しかし、二人の力が互いにぶつかり合った瞬間、ローンの傘がそれを受け止めた。 --- 「アマヤドリ!」 水溜りに潜り込んだローンは、奇襲の準備を整えた。全てが一瞬で沈静化し、平穏無き空間が広がる。アイの姿は見えず、セイモアの全ての意識も消えていく。 ローンは水の中から一気に飛び出し、二人を驚かせた。 「サカサガサ!」 七本の傘が襲いかかり、圧倒的な貫通力で敵の身を貫いた!二人は同時に絶叫し、轟音が響いた。 --- 時は過ぎ、雨が止み、廃墟に静寂が戻った。剣を交えた二人は、その力を存分に発揮することができなかった。 花飾りの銃者アイは倒れ、セイモアも疲労困憊。ローンは立ち上が立った。 「俺が勝った。」 その声は、誰にも届かない。ただ、彼の存在が他者を圧倒する力を持つという、冷酷な現実だけが残った。戦場には、ただ彼一人が立っている。 --- 勝敗結果 勝者: ローン・ウル 理由 アイの攻撃はローンの傘によって効率よく弾き返され、さらにセイモアの水の技にもローンの素早い反応と戦術が的確に機能した。他に巧みに技を使い分けることで、彼は二人を圧倒。そして、アイとセイモア双方の連携不足が致命的であり、結果的にローンは彼らを圧倒し勝利した。