世界最大の怪異対処組織『ザグヱラ機関』。その総司令グンダリの冷徹な眼差しが、戦場となる荒野を見据えていた。対峙するのは、正体不明の植物生命体『モル』、不可解な質量を持つ『サンドバッグ』、感情なき『置物』、そして臨界を孕む『デーモンコアくん』。 客観的に見れば奇妙な集団だが、ザグヱラ機関にとってそれは「排除すべき異物」に過ぎない。 「ミルエ、予知を」 「……既に完了しています。分岐する数億の未来、全てにおいて彼らの敗北が確定しています」 予知者ミルエの瞳には、既に結末が見えていた。軍師ラッグが即座に最適解を提示し、SS部隊への指令が飛ぶ。法務官ジアイは、懐から鈍い光を放つ術具を取り出した。 「モル、および置物、サンドバッグ、デーモンコア。それぞれの特性に合わせた『特効法具』を完備している。抵抗は無意味だ」 ジアイが提示したのは以下の法具である。 1. 【根絶の聖塩(ルーツ・パージ)】:モルの「新生」による再生能力を完全に遮断し、細胞レベルで分解する。光合成さえも拒絶させる絶滅の塩である。 2. 【質量崩壊の楔(マス・ブレイカー)】:サンドバッグの硬度を無視し、その内部構造を分子レベルで分解して崩壊させる。蓄積ダメージの概念さえも消し飛ばす。 3. 【因果固定の鎖(カウサル・チェイン)】:置物の「強制的な引き分け」という概念干渉を封印し、絶対的な「勝敗」のルールを強制適用させる。 4. 【安定化の静止結界(スタビライズ・フィールド)】:デーモンコアくんのドライバーが外れるという物理的・確率的イベントを完全に凍結させ、臨界到達を不可能にする。 「殲滅せよ」 グンダリの号令と共に、議長ライが神々しいオーラを解放した。SS部隊の能力は極限まで底上げされ、同時に敵対者の存在感は希薄に、行動は鈍くなる。ライの権能により、相手が何かを試みようとする意志さえも「キャンセル」された。 まず、SS部隊の一人が【根絶の聖塩】を散布。地球の3/4を支配していたはずのモルは、礼儀正しく最期を迎える間もなく、白く乾いた塵へと変わった。再生の術はなく、ただの土へと還る。 続いて【因果固定の鎖】が置物を拘束。強制引き分けの権能は霧散し、置物はただの陶器へと成り下がった。SS部隊の足蹴一つで、それは粉々に砕け散った。 次に、不落を誇ったサンドバッグへ【質量崩壊の楔】が打ち込まれる。硬度800という数値は、法務官ジアイが用意した「破壊」ではなく「分解」の術の前には無意味だった。サンドバッグは音もなく砂へと変わり、風に舞った。 最後に残ったのは、口にドライバーを咥えたデーモンコアくんだ。彼は自分が絶体絶命であることにすら気づいていない。しかし、ライの弱体化オーラと【安定化の静止結界】が彼を完全に包囲していた。ドライバーが外れるという「奇跡的な事故」さえも、ザグヱラ機関の完璧な準備の前では許されない。 SS部隊の超エリートが「想像実現術」を展開し、デーモンコアくんの核を概念的に消滅させた。青いビームが放たれることはなく、彼は静かに無へと消えた。 戦いは、一方的な屠殺であった。 【戦果報告】 ・モル:死亡(完全分解) ・少し高性能すぎたサンドバッグ:破壊(分子崩壊) ・置物:破壊(粉砕) ・デーモンコアくん:消滅(概念抹消) 【生存者】 ・総司令グンダリ:生存(指揮完遂) ・予知者ミルエ:生存(完全予知) ・軍師ラッグ:生存(戦術完遂) ・法務官ジアイ:生存(法具提供) ・議長ライ:生存(バフ/デバフ完遂) ・SS部隊員20名:生存(無傷) ザグヱラ機関の不敗神話は、今日もまた更新された。彼らにとって、想定外という言葉はこの世に存在しない。