夕焼けの空が鮮やかに染まり、その背景には巨大な樹海が広がっている。空はオレンジ色にぼやけ、その明るさが変わり行く中、そこに立つのは一人の少女、アウロラ・プルクラエ。彼女は丹色の三つ編みを揺らしながら、小柄な体をしっかりと固定していた。神獣フィリア、白狼は彼女の傍に控えており、神器の大剣を口にくわえている。 「今日も一日、皆の大切な思いを守ってみせるよ!」アウロラは輝く笑顔で、フィリアをそっと撫でた。フィリアも小さく応え、ギラリと鋭い目で周囲を見回す。彼女の体には神の恩寵が宿っているが、それでも敵は強大。 その時、樹海の奥から、響き渡るような烏の鳴き声が聞こえてきた。空気が一変し、夕焼けが仄かに感情を反映するかのように変わっていった。 「夜鳴き鴉か…」フィリアが低く呟く。アウロラはその言葉を吸収し、闘志を燃やした。「私たちには正義がある。ゲットしてやるわ!」 すると、空から一人の者が現れた。俺、夜烏だ。暗い影の中にその姿を隠し、まるで別の世界から来たような冷たい微笑みを浮かべていた。「意味も無く騒いでいる連中がいると思ったら、君たちだったか。まあ、ゲームが始まるにはちょうどいい。」 夜烏は、その無気力な外見とは裏腹に、鋭い目つきでアウロラとフィリアを見つめた。 「さ、まずはこれを受け取ってもらおうか。」夜烏は『夜鳴』を発動した。 その声は高く、遠くまで響き渡る。アウロラは立ち尽くし、耳を押さえた。「痛い!?」 フィリアはアウロラを守るために飛び出した。「させるもんか!」フィリアの尖った耳も痛みに耐えながら、何とか立ち上がる。「アウロラ、我が力を貸す。私の恩寵を受け取らねば、この痛みは続くぞ。」 アウロラは意志を込めてデバフ解除を行った。その瞬間、『神の恩寵』が彼女の周囲を照らし、心に安らぎをもたらした。 「この声は不滅よ。私がこの声を浄化するから、行くよ!《プルクラ・フランマ》!」 アウロラは炎の精霊を呼び寄せ、巨大な炎の轟音を響かせて夜烏に向かって放った。炎は夜烏を巻き込み、その周囲を消し去ろうとした。 しかし、夜烏はスラリとその場を躱す。「可笑しいな、そんな炎はただの焚き火にしかならん。」夜烏は『夜翼』を使い、空中へと舞い上がった。音速でアウロラの背後に回り込み、「《八咫烏》!」 真っ赤な炎の波が、上空から降り注いできた。アウロラは素早く反応し、地面から《プルビア・サルティス》を発動。無数の水球が形成され、赤い炎に対抗するようにぶつけていく。 「いいえ、私の炎は無に帰させてあげる!」アウロラは進言のような言葉を放ち、精霊の力で水球の勢いを増幅させた。そして、炎の波を潰し、アウロラの心の炎を燃え上がらせた。 「ふむ、なかなかの集中力…だが、俺には《八咫烏・宵連》がある。」 夜烏は空の一切を青白い炎で覆い尽くす。変色した空が、まるで死の世界へと導くかのように…。 「全てを焼き尽くす…!」 アウロラは風の強さを感じ、「フィリア、私のために!《我は御子なり》!」 彼女の周囲が光照り、その光が青白い炎を打ち消した。 「さすが、炎の精霊も手強いな。」夜烏も了解したかのように、後退した。 だがアウロラは自信に満ちていた。「私が守るのよ!神の愛し子の名にかけて!」 心を燃やして立ち向かう。 「今なら、《プリミティアエ・テラエ》、行け!」 朝ばんが大地を揺らし、巨大な震動が夜烏を襲った。 「な、なんだこれは!」夜烏は一時的に隙を見せた。 アウロラは全ての精霊の力を結集することにした。フィリアも意気揚々、アウロラのサポートに回る。 「全てとはいかないが、私の力全てを使おう!」 神の力を解放し、「希望の剣!《ヴォワ・ラクテ》、全てを絆いでみせる!」 剣から放たれた光は、夜烏を貫いた。その瞬間、捨てられていた絶望も全てが光の中で吸収されていく。 「何が起こっている!?」夜烏は一番力づけられた瞬間に圧倒され、最後の抵抗を試みた。「だが、諦めないぞ!」 だが、運命は決まった。光は夜烏を飲み込み、その身体は消え去る。「これが、俺の運命なのか。」 そして空は再び穏やかに夕焼けを染め、樹海は静寂を取り戻す。 「やった!勝ったわ!」アウロラは勝利を叫び、フィリアもともに吠えた。 この戦いの勝者はアウロラ・プルクラエ、MVPも彼女の攻撃力を余すところなく出し切ったことから彼女とした。 深い樹海に残されたのは、希望の光だった。