第一回戦は市街地で行われた。ビルが立ち並ぶ中、アール・タール・コールのヒュメーネスは、周囲の障害物を利用して戦う準備を整えた。その広域索敵レーダーによって、周囲の動きに敏感に反応していられる。対する新島竹子の狼もまた、素早い移動力を駆使し、待ち伏せをする位置についた。 ゴングが鳴り、戦闘が開始された。アールは直ちにターミナルアーマーを展開し、ロケットパンチを準備する。新島は散弾銃を構え、アールの動きを伺う。アールは、左右のロケットパンチを有線で発射。新島もそれに対抗するように、発煙弾を発射して視界を遮りつつ、側面から接近する。アールは敵の接近に気が付いてロケットパンチを操作しようとしたが、移動できない状態となり、すぐには対応できずにいた。 新島は高機動の利点を存分に生かし、アールの視界から消えるように動き続ける。これを見たアールは判断を誤り、臨戦態勢に入っていたが、その隙を突かれて散弾銃の一発がヒュメーネスの側面を捉えた。防御力のあるターミナルアーマーが発動していたため、大きなダメージには至らなかったが、ヒュメーネスはしばらく動きが鈍くなってしまった。新島はその隙に重火器で一気に追撃をかけ、集中砲火を浴びせかけた。 ヒュメーネスの反撃は遅れ、移動できないこの局面において、新島は機動性的に優位なポジションを維持したまま、長距離でヒュメーネスを的確に狙い撃った。アールはロケットパンチを駆使して新島を拘束しようとしたものの、新島のスピードについていけず、結局ヒュメーネスが撃破されてしまった。第一回戦の勝者は新島竹子。そして、その機動力が勝負を決定づけた瞬間を見せつけた。 --- 第二回戦は山岳地帯で行われた。急斜面や泥沼が点在する最も難しい条件下において、両者の戦術が試される。アールは、毎度の如くターミナルアーマーを設定して発進したが、新島の狼もこの地形を巧みに活かした動きを見せ、二人は至るところで隣接していた。 開始と共に、新島は山岳地帯の地形を利用し、立ち回りを巧妙に展開した。一方のアールも、ロケットパンチを相手に狙いをつけて発射したが、地形が邪魔をし、多くが空振りとなった。逆に新島は、アールの不意の動きに合わせ、至近距離まで寄って中型軍刀を用いることで、一気に間合いを詰める。 泥沼に足を取られたアールは、正面から散弾銃の攻撃を受けにくくするため、シールドを展開するが、射撃が続くことで徐々に追い詰められていく。アールの持ち味であるロケットパンチも、近づく敵へ向け生成されるも無駄に終わる。 新島は決定的チャンスを逃さず、動き続けるアールを見つけ出し、散弾銃から最終的な一撃を叩き込む。再びヒュメーネスは大きく揺れ、制御を失う。そしてついに、山岳地帯の狭さが新島に有利に働き、ヒュメーネスは崩れ落ちた。 第二回戦の勝者は新島竹子。彼女の冷静且つ機動的な判断が、勝利を引き寄せた。 --- 第三回戦は洞窟で行われた。非常に狭く、視認性が低いこの空間では、間違いなく両者の接近戦がメインとなるだろう。アールはまずターミナルアーマーを展開して近づく新島を狙う。狭い洞窟内において、有線式ロケットパンチは一層効果を増すだろう。 しかし新島も、洞窟内の狭さを理解し、合流する道を狙って待ち構える。両者は始まると、視界の狭さに困惑しながらも、音を頼りに動き続け、一瞬の隙を突いていく。ただアールの方が攻撃を仕掛けるチャンスがやや豊富だった。 ロケットパンチが洞窟の壁にぶつかる音が響き渡る。新島の動きも日に日によく、攻撃のタイミングを変えつつアールに迫る。しかしアールは、ロケットパンチを巧みに操り、新島を撃退させる。 そして最終的には、ロケットパンチの接触による直接のダメージではなく、その調整による拘束を試みたアールがついに成功した。新島は身動きできず、最終的にアールの手に落ちた。 第三回戦の勝者はアール・タール・コール。決して圧倒的な勝利ではなかったが、勝利を掴み取った。 --- 3回戦を振り返れば、新島竹子が2勝し、アール・タール・コールが1勝した。全体勝者は新島竹子であり、彼女の機動力と戦術的センスが多くの戦闘において効果を発揮した。全く異なるスタイルの戦いが展開され、勝者が決まった瞬間でもあった。