序章:嵐の会戦、開戦の鐘 空は、絶望の色に染まっていた。 ランダムに決定された天候は【雷雨】。空を覆い尽くすのは、どす黒い【積乱雲】の壁である。視界は最悪で、激しい雨が機体のキャノピーを叩き、不規則に走る稲妻が白銀の閃光となって戦場を切り裂いた。時間帯は【夕方】。沈みゆく太陽の赤い光が、厚い雨雲の隙間から血のように滲み出している。風は【強】。乱気流が猛烈に吹き荒れ、熟練のパイロットでさえ機体を安定させるのに苦心する環境であった。 この極限状態の中、次元を超えて集結した二つの軍勢が、空の覇権を賭けて激突する。 チームA「ロングレンジ部隊」は、戦略的要衝である高度3万フィートに展開していた。F-15Cの編隊を率いるトリガーとワイズマンは、AWACSロングキャスターからの精密なデータリンクを受け、冷徹に敵を捕捉していた。彼らの傍らには、異質な存在がいた。重装備のAC「Fireworks」、そして物理法則を無視して空を走る無人機「スカイランナー」。さらに、その背後には全長828メートルの巨艦「ノア」が、静かに主砲の砲身を敵陣へと向けていた。 対するチームB。そこには狂気と蹂躙の権化たちが揃っていた。戦闘機の残骸を纏い、下卑た笑みを浮かべる「戦闘機男」。帝国の絶対的な制空兵器「制圧者ι」。そして、母艦「バビロン」と、戦場のルールを根本から破壊する超弩級の絶望――全長67kmという天文学的なサイズを誇るスーパー・スター・デストロイヤー「グレイテスト」が、雲海を割ってその巨躯を現した。 「ターゲット確認。全機、エンゲージ!」 ロングキャスターの指示と共に、静寂は爆音へと変わった。