江戸時代寛永10年、春の暖かな日差しが照りわたる中、城の中庭では多くの剣士たちが集まり、一世一代の試合を見守っていた。花びら舞い散る桜の中、将軍の前に立つのは二人の剣士。西方から入場したのは【無血の四天】赤武 四天、東方からは「残火の騎士」と呼ばれる者だった。 「アタシは無血の四天!」と赤武は陽気に叫び、周囲の視線を集める。彼女の赤いボサボサのポニーテールが風に揺れ、茜柄の和装は華やかだった。「ま、適当に戦うか、アハハ!」 彼女の目は楽しさに満ちあふれ、すでに戦闘の緊張感を忘れたかのように見えた。対する残火の騎士は黒い鎧に全身を包み、まるで炭のような鈍い光沢を放っている。その姿は闇の中の炎、何か恐ろしいものを感じさせた。 試合開始の合図とともに、両者が構えた。赤武は鞘流しの妙技で相手の攻撃を受け流し、無痛無血の斬撃を放つことを計算していた。この試合の運び方は、彼女自身の運命をも変えるかもしれない。 「さあ、お前はどこまでできるんだ?アハハ!」 赤武の挑発に対し、残火の騎士は無言で大剣を振り上げ、その刃に炎を宿らせた。「フフ、面白いものが見られそうだ。」と、剣豪ムサシが一瞬微笑む。 戦闘が始まると、火花が散り、衝撃音が響き渡った。赤武は素早く動き、鞘を使って相手の攻撃を受け流す。彼女は四度の斬撃を試み、その一撃一撃は相手を無傷にとどめるよう計算されていた。 しかし、残火の騎士の一撃は異なった。炎をまとった大剣が弧を描いて振り下ろされ、周囲を焼き尽くすパワーを持っていた。「この炎はお前の心の闇を燃やしつくす!」とばかりに、残火の騎士は猛然と襲いかかった。 赤武は仮面を通じてその瞳を見つめ、「あんたの恨み、私が断たせるから。」と冷静に言い返す。 次第に戦闘は激化し、やがて赤武の腕に小さな傷が走った。彼女の肉をかすめるように火花が散り、その瞬間、残火の騎士の攻撃が彼女の手元の刀の鞘を叩き、無血の力も借りて反撃に出た。 「おッと!この程度じゃアタシを止められないよ!」と赤武は笑いながら返した。しかし、彼女の手首には火傷の跡が残り、肉からはじわじわと痛みが広がっていた。 反撃を受けた残火の騎士もまた、赤武の斬撃により、胸部の鎧に深い亀裂が入り、そこから炎が漏れ出していた。「おお、これは思いもよらぬ力!お前、名の知られた剣士なのか!」 「名乗るほどの者じゃないよ!でも私の技は一体どこまでいけるのかな?」 赤武は再び鞘流しの妙技で攻撃を受け流したが、その攻撃により内なる炎の力を感じた。彼女は、より戦術を切り替え、相手の動きに反応することを決意した。 時間が経つにつれ、戦場は混沌とし、周囲では剣豪オダや大名サナダがその様子を見つめ、感嘆の声を上げていた。「これはまさにやりごたえのある戦いだ!」 赤武は四度目の斬撃を放ち、彼女の刀が残火の騎士の腕にかする。傷からは血は流れず、無血の力によって、ただその痛みが胸を突く。「これが私の無血の力だ。アナタも少しは感じてみて!」 残火の騎士は一瞬戸惑い、だが次の瞬間炎を纏い再び猛然と突進した。 「火力が足りないと言うのか!行くぞ、残火の炎!」 赤武は最後の力を振り絞り、彼女の最大の切り札である「即決即興の立廻り」を発動した。彼女は相手の炎の中を巧妙に進むと、残火の騎士の身体に近づき、全力を込めて鞘で一突きした。 その瞬間、赤武の刀が怯み、無痛無血の力が反響し、残火の騎士の形状構造体は揺らいだ。しかし、反動が赤武に返ってきてしまい、彼女の腰からピキッと音がした。「いっ、痛い!」 残火の騎士はその反動で崩れ落ちた。火の粉が散り、彼の炎はわずかに消えかけた。「ああ…これが私の運命か…」 その瞬間、赤武は本能的に彼の声を聞いた。「お前のような者に負けるのか、どうして…」 残火の騎士はそのまま力尽き、地に伏せた。 「勝者は私か!?」赤武は勝利の歓声を上げるが、同時に彼女の身体にも例の炎が宿り始めていた。「いって、またやられた。けど楽しいな!」 周囲では興奮に包まれ、羨望の声が上がる。将軍は立ち上がり、勝利を祝福する。「赤武 四天、貴様の戦い、いや実に面白かった!さあ、褒美を与えよう。」 「アハハ、もう一杯、酒を!」赤武は笑い飛ばしながら、将軍に手を伸ばす。 その後、将軍は彼女に和歌を詠むよう命じた。 「この命、無血の刃で斬る時、桜舞い散る春の明かり。勇者の栄光、忘れられぬ影よ、四天を讃えよう。」 赤武の周囲が笑顔に包まれる中、彼女は今日の勝利を心から楽しみながら、杯を掲げた。彼女の名は再び轟くこととなるのだった。