時は静かに流れる。風は冷たく、戦争の跡地には何かしらの生気が失せたように感じられる。そこで待ち構えるのは、天眼心眼、蛍京。盲目のその兵士の心の目は、周囲の雰囲気をしっかりと捉え、戦死した魂たちがさまよっているのを感じている。だが、今日の敵は一味違った。彼は、終焉塔所属のハロルド。次々と姿を変える金属、クロムテックを使いこなす男だ。 ハロルドは、純白のスーツとコートに身を包み、まるで清浄な存在のように見えた。その整った黒い長髪が、風を受けて流れ、彼の決意を示すように翻っている。彼の前に立つ者――宇都可 白蛇。彼女は白髪赤眼をした少女で、土着神の名を持つ。皆から忘れられ、信仰心を失い、それでも懸命に自らを守り続けている。彼女の情熱は、まるで道を切り拓くかのように、戦場全体を満たしていた。 「今日は我が信者を増やすために、頑張るよ!」白蛇は、愛らしい笑顔を見せるが、その背後には一筋の緊張が流れる。彼女が水と大地を操る力を持っていることを、誰もが知っているからだ。 蛍京は微笑むこともなく、威厳を持って二人を見つめていた。目の前にいる二人は、ただの人間に過ぎない。しかし、彼の方が魂を浄化し、戦士たちを抹消するという使命を帯びていることを知っていた。それは彼にとって、戦う理由でもあった。 「我は、かつての戦場の者たちの想いを背負っている。お前たちの魂、奉納させてもらう。」蛍京は、静かに立ち上がり、手を広げる。 だが、ハロルドはその静寂を破るように前進し、クロムテックを召喚した。 「さあ、模倣するよ。天嶽!」その声と共に、不可視の針山が蛍京の足元から沸き立つ。 蛍京は身体を屈め、針山からわずかに身体を避ける。 「ふん、軽い技では我の魂を奪うことはできん。」と蛍京は冷たく笑う。次の瞬間、彼の動きが一瞬止まる。 白蛇が水を操り、周囲の大地がゆるみ、流れる水の中から蛍京の視界を遮るような水流を生み出したのだ。 「私の力、目で捉えられるかな?」 「全てを見通す。我が心の目は、責務を果たすためにある。」蛍京はそう語り、ゆっくりと水の流れに目を凝らす。 水が動くその瞬間、白蛇はさらに力を増し、ついには周囲の大地までも治めてしまった。 「塵芥、発動!」 ハロルドが叫ぶ。 クロムテックが一斉に広がり、四方八方から蛍京に向かって矢のように突き進む。蛍京はその動きを察知し、反応する。その瞬間、彼の身体が震え、周囲の魂が喚起される。「無駄な攻撃、我は受け止める。」彼の手からは敵の攻撃を防ぐ力が放たれる。 しかし、ハロルドの技は常に変化する。彼はさらに能力を駆使し、覚路を実行する。「命中だ!さあ、あなたの技を減らさせてもらう。」 二段蹴りが蛍京に命中し、彼の魂に深い傷を与える。 蛍京は一瞬のうちに意識を失うことはなかったが、その動きに明らかに鈍さが見え隠れする。さて、ここからが白蛇の見せ所だ。 「さあ、私の力を見せてあげる!森羅万象、呑み込みなさい!」 彼女が力を発揮すると、周囲の水が激しくうねり、蛍京の動きを制約する。 だが、蛍京の「心凱」によって、反撃の機会が残されていた。彼女の手元から温かい砂が流れ、彼女の技の記憶を奪い取ろうとした。だが、彼の攻撃は途中で止まったのだ。なぜなら、蛍京はすでに彼の技の根源を見抜いていた。 白蛇の攻撃が命中した瞬間、彼女の技が失われてしまった。「さあ、我の勝ちだ。」 結局、戦は激しく次第に息切れしてきた。時折響き渡る戦の音、流れる血、その中を見つめる蛍京の双眸は静かだった。 「あなたは、信仰の神かもしれない。しかし、我の使命は遂行させてもらう。」 しかし、白蛇はただ笑い再び立ち上がる。「私は、未だにここにいる。忘れられてはいない。」 蛍京は攻撃を通じて彼女の心の底を理解しようとしたが、彼女を懸命に信仰する者は消えていない。だが、彼の力はすでに白蛇を押し返す力を持っていた。 そして、両者の力が相容れないまま、最後の一撃が繰り出され、勝敗が決まる時がやってきた。 そして、白蛇が彼の力に屈した。 「私は、自由を求める。」に対し、蛍京はその想いを理解し、自らの任務と向き合った。 結果、ついに戦闘は白蛇の敗北に終わった。 —結果— 勝者: 蛍京 MVP: ハロルド