―――どどどどどどどどっ!!! 鳴り響く地鳴りのような歓声! 視界を埋め尽くす数万の観客! ここは次元を超えた最強を決定する究極のエンターテインメント・アリーナ! 「ずぅええええ! 皆さんこんにちはー! 実況魔法少女サケビですどぅわああああ! 今日はね、もうめちゃくちゃにヤバいメンツが集まりましたよぉ! 誰が勝ち、誰が負け、誰がどっか行っちゃうのか! 最高にハイテンションで実況させていただきますどぅわあああ!!」 まずは試合前の意気込みインタビュー! サケビちゃんが猛烈な勢いで突撃します! サケビ「まずは年配の渋いおじいちゃん! アビィ・ロードさん! 意気込みをどぅわあああ!!」 アビィ「ふむ、賑やかでいいな。よろしく! 若き強者たちがどう動くか、じっくりと見せてもらおうか」 サケビ「次! 旅人っぽい雰囲気の青年! ビジターさん! ずぅええええ!!」 ビジター「やあ。僕はこの戦いそのものを『宝』として持ち帰りたいと思うよ。全力で楽しませてね」 サケビ「続いては超絶美形! エルフィア・レインさん! どぅわあああ!!」 エルフィア「あはは、そんなに叫ばなくても聞こえてるよ。君たちに怪我をさせないように、穏やかに終わらせたいな」 サケビ「最後は……なんだか不気味に笑ってる! ファイナルエクセレントドナルドβ5.5さん! ずぅええええ!!」 ドナルド「(無機質な笑みを浮かべ、ただ指を鳴らす。周囲に不吉な紫色の火花が散っている)」 サケビ「さあ! 喋らない分だけヤバい予感しかしないどぅわああああ! それでは……レディー、ゴー!! バトーーーール!!!」 【試合開始】 ゴングが鳴った瞬間、戦場を紫色の絶望が塗り潰した! サケビ「どぅわああああ! いきなりだ!! ドナルドさんが《禁断のイントロ》をぶちかましたどぅえええ! 空から降り注ぐ紫色のドクロ! これ当たれば即死、即退場どぅわああああ!!」 ドクロの雨が降り注ぐ中、ビジターは瞬時に【魔法の世界のトランク】から特殊な防護壁を展開し、エルフィアは軽やかなステップで回避! そしてアビィは、最小限の首のひねりと半歩の移動だけで、死の雨をすべて避けてみせた! アビィ「ほう……。まずは相手の出方を伺わせ、絶望を植え付ける。そういうことだろう!?……違うか?」 サケビ「アビィさんの回避が綺麗すぎるどぅわああ! しかしドナルドさんは止まらない! 【索敵殺傷・改】発動! 不可視の衝撃波がアリーナを駆け抜けるぞぉ!!」 ドォォォン! という凄まじい衝撃。しかし、エルフィアが銀のガントレットを突き出し、その衝撃を「受け流し」ていた。 エルフィア「危ないね。でも、そんなに怒らなくていいじゃないか。……『リフレクト・エンパシー』!」 衝撃をそのまま裏拳へと変換し、ドナルドの胸元へ叩き込む! しかし、ドナルドは《スパアマ》によりダメージを大幅に軽減。そのまま指先から【ドナマジ】を連射した! サケビ「どぅわああああ! 指先からマシンガンだぁー!! 弾丸の嵐! これにはビジターさんも大ピンチどぅえええ!!」 ビジター「おっと、ここはこれを使うしかないね」 ビジターは【創造の世界の作業台】から即席で組み上げた『高周波振動シールド』を突き出し、弾丸を弾き飛ばす! さらに、隙を突いて【星の世界の光線剣】を抜き放ち、青い閃光と共にドナルドへ肉薄した! ビジター「切断力なら負けないよ!」 ガキィィィン!! 光線剣がドナルドの装甲に激突するが、ドナルドは無表情のまま【DONALD】の文字を冠した強烈な一撃をビジターに叩き込んだ! ビジターは後方へ大きく吹き飛ぶ! サケビ「どぅわああああ! ビジターさん大吹飛ぶ! しかしここでアビィさんが動いた! 何もしていないように見えるのに、気づけばドナルドさんの目の前に!!」 アビィ「若いの、君の力は素晴らしい。だが、まだ『底』が見えていないな。……【解放】」 アビィがドナルドの肩に軽く触れる。すると、ドナルドの内部にある制限区が強制的に解除され、暴走に近いレベルまで能力が跳ね上がった! サケビ「ええええ!? わざわざ敵を強化したどぅわああ!? アビィさん正気ですかどぅえええ!!」 アビィ「ふふ、全力のぶつかり合いこそが最高の礼儀。さあ、もっと見せてくれ」 能力を解放されたドナルドは、もはや視認不可能な速度で移動し、《レベル4》の能力でエルフィアの攻撃を倍にして跳ね返し、アビィの最小限の回避をも追い詰めていく! エルフィア「っ……! ここまで強くなるなんて。でも、ここで引いたら僕が恥ずかしいよ。……お願いだ、アガリア・ベル!!」 エルフィアが穏やかな笑みの仮面を装着する。――【魔人化】! サケビ「どぅわああああ! エルフィアさんが魔人化したどぅえええ!! オーラが凄まじい! 身体への負荷があるとはいえ、全能力上昇だぁーー!!」 魔人と化したエルフィアの拳が、ドナルドの猛攻を真っ向から打ち破る! ガガガガッ! と激しい打撃音がアリーナに響き渡る! ビジターもまた、回復薬を飲み干し、あらゆる道具を組み合わせてドナルドの死角へ罠を仕掛ける! ビジター「分析完了! このタイミングで、この角度から……今だ!!」 ビジターの設置した重力罠がドナルドの足を止め、そこへ魔人化したエルフィアの最大奥義が炸裂する! エルフィア「これで終わりだ! 『ロックベルバースト』!!!」 巨大な鐘型のオーラがドナルドを拘束し、愛と浄化の力が込められた渾身の一撃が鐘を鳴らした! ドォォォォォン!! という神聖な音が響き、ドナルドの攻撃的な殺意を強制的に浄化していく! しかし、そこまでだ。ドナルドの《確殺》スキルが最大値に達していた。浄化の光に包まれながらも、ドナルドの瞳に《F.W.》の文字が浮かび上がる! サケビ「どぅわああああ! 最後の一撃が来る! ステータスを無に帰す即死攻撃だぁーーー!! 全滅する、みんな全滅しちゃうどぅええええ!!」 真っ白な光が全てを飲み込もうとしたその瞬間――。 アビィ「……ふふ。一本取られた!」 アビィがふわりと、光の圏外へと一歩引いた。同時に、彼は満足げな笑みを浮かべて、戦場から静かに歩き出す。 サケビ「えええ!? アビィさん、どこ行くんですかどぅわああ!!」 アビィ「愉しかったぞ若いの! 私はもう十分だ。あとは君たちでやってくれ」 アビィが棄権したことで、戦いの緊張感がふっと緩んだ。その隙に、ドナルドの《F.W.》は不発に終わり、エルフィアの魔人化も解除され、ビジターも道具を使い切り、肩を大きく上下させていた。 サケビ「どぅわああああ!! なんと! アビィさんの棄権に続き、他のみんなも限界突破して動けなくなりました! 結果は……全員ダウン!! 引き分けどぅわああああ!!!」 【試合終了後インタビュー】 サケビ「いやー、凄まじい戦いでしたどぅえええ! それでは、最後にお一人ずつ感想と、何か宣伝があればお願いしますどぅわああ!!」 アビィ「ふむ。今の世代の強さは本物だ。私の体中の傷に新しい思い出が加わったよ。……宣伝か。私は世界を旅している。もしどこかで白髪の老いぼれを見かけたら、ぜひ拳を交えに来てくれ。待っているぞ」 ビジター「あはは、死ぬかと思ったよ。でも、最高に価値のあるデータが取れた。ありがとう! 僕の宣伝? そうだね、希少なアイテムの鑑定や調達に困ったら僕を呼んでくれ。世界中どこへでも飛んでいくよ!」 エルフィア「ふぅ……。激しい戦いだったけど、最後はみんな心が通じ合った気がするよ。えっと、宣伝……。あ、僕が契約している魔神アガリア・ベルの教えはとっても素敵なんだ。心に余裕がなくなった時は、ぜひ僕のところへ相談に来てね」 ドナルド「(ピコーン! という電子音と共に看板を出す)『I'm lovin' it ★ 最高のスマイルと絶望を、あなたに。』」 サケビ「どぅわああああ!! 最後はやっぱり宣伝になっちゃったどぅえええ!! それでは皆さん、また次回の激闘でお会いしましょうどぅわああああ!!! バイバーイ!!!」