参加者 vs キマイラ 混沌とした実験室の一隅に、暗い影がうごめいていた。そこには異なる世界からの強者たちが集結し、一つの魔獣──キマイラとの戦いに挑む準備を整えていた。中佐の心には、祖国に裏切られた苦悩が渦巻く。彼はその思いを胸に、召喚された准将、雛月と共に運命の一戦に臨む。 「准将、援護します!」 中佐はライフルを構え、キマイラの動きを注視する。全身を震わせるロイヤルブルーの毛並み、その奥に光る獣の目――格闘と魔法を駆使し、彼に向けて挑んでくる魔獣の威圧感は尋常ではなかった。 一方、雛月は冷徹な目でキマイラを観察し、「中佐、君は下がれ」と指示を出した。彼女の体には活性化したナノマシンが走り、静かにその強化を果たしていた。 キマイラが低く唸りながら一歩を進める。まるで世界が止まったような静けさの中、「眠り風!」と、雛月が叫ぶと、魔法が空間に広がっていく。風が舞い、キマイラはそれに抗うように、身を反らせた。だが、彼にお構いなく彼女は次の魔法を詠唱する。「眠月!」キマイラの眼が揺らぎ、意識を失いそうになるが、強靭な肉体がそれを拒む。だが、雛月の陣も、いまだ威力を発揮しない。 その時、中佐は力を込めて引き金を引いた。銃声が響き渡り、貫通力の高い弾丸がキマイラの肩を貫いた。「当たった!」再び魔獣が吠え、逆に怒りを増したようだった。 「今よ、雛月!」中佐が叫ぶと、雛月は自慢の脚力を活かし、キマイラへと駆け寄った。彼女は体術の名手であり、その動きには無駄がなかった。「受け身!」という技が生かされ、キマイラの反撃を受け流しながら、瞬時に接近。 「千拳!」彼女の一撃、その拳がキマイラの鼻面に炸裂した。だが、硬い体はびくともせず、逆に怒りの反撃に出た。体の強靭さに自信を持つキマイラは、それでも雛月を一瞬で吹き飛ばそうと雄たけびをあげる。 反撃に怯まず、雛月は次の技へと移る。「このままでは終わらせない!」跳び蹴りが急襲し、魔獣の横っ腹を強烈に打撃した。強力な体技が直撃するも、キマイラはそれに耐える。「このまま行くぞ!」中佐の声が響き、猛撃が続けられる。 半身にキズを負いながらも、キマイラは戦闘意欲を増し、血走った目で二人を見据える。「一時退却の判断も必要だ!」中佐が声を発すれば、それによって雛月も少し引き気味となる。だが、雛月の心には決意が宿っていた。「私は後退しない。行くぞ!」彼女のナノマシンが活性化、強化された身体は以前にも増して身軽さを増し、次なる攻撃を待つ体制に入った。 その時、キマイラが「愚かな者どもが!」と、高らかに吼えた。黒い影が一瞬にして広がり、生命力が溢れ出てくる。絶体絶命の中、その様子は明らかに変わってきていた。 最終的な技が放たれる、「コードフェンリル!出撃準備!!」雛月が叫び、彼女の名を叫ぶように叫ぶ。 突然、巨大な狼型兵器が空間に顕現した。ビルを凌駕するその姿に、二人は背筋が凍る思いを感じた。キマイラさえも震え上がる迫力だ。 「私は行く、君は下がれ!」 雛月は叫んだが、中佐は頑として動かない。「私は准将のそばを離れない!」彼は雛月の背後に立ち、彼女を守る構えをした。その瞬間、狼型兵器はその大きな牙をむき出しにし、襲いかかる。 キマイラが一瞬よろめいた。それを見逃さず、雛月は強化された身体を活かした抜刀術を放った。「韋駄天!」 斬撃の圧が空気を裂き、まるで風を切り裂くよう。金属と肉が衝突し、コンクリートの壁にキマイラが打ちつけられた。だが、すぐに残る力で立ち上がり、さらに猛攻に転じてくる。 「中佐、今がチャンスだ!」雛月が叫ぶと、彼女の動きに合わせて、中佐も全力でライフルを構える。 「行くぞ、キマイラ!」中佐の一言に、雛月も同時に「阿修羅」と叫んだ。両名の融合が、キマイラに絞り出す。 力強い攻撃と射撃が一斉に重なり、魔獣はとうとう仰け反る。「これで終わりだ!!」二人の一斉の強攻が炸裂し、すべてを消し去るように貫いた。 「最後の一撃だ!コード・フェンリルと共に!」 雛月は部隊の命を思い、強い想いを背負いながら強化された足でキマイラに突進する。 キマイラは傷つき、弱った身体を振り回しながら反撃を試みるも、彼女の勢いに押され、ついには倒れ込む。 「勝った!」中佐の声が響く。キマイラがついに地に膝をつく。その瞳には敗北が刻み込まれる。 宿命の一戦が終わり、静寂が広がる中、雛月と中佐は互いに目を見合わせた。 「さて、これでようやく清められた気がするよ、准将」 「私たちの戦いは終わらない、でも道は見えた。」 そう語り合い、二人は一度息を整える。 この戦いの勝者は明らかだ。 --- 勝敗:参加者の勝利