城壁に開いた穴からは、数え切れないほどのゴブリンが押し寄せていた。防衛任務に就いていた参加者たちは、混乱の中それぞれの役割を果たそうと必死だった。 「さあ、包丁は研ぎ終わった…始めましょうか」とルアーノは呟く。彼は自身の厨房を召喚し、玉ねぎを刻む作業に入る。刻まれた玉ねぎの香りが漂うと、周りのゴブリンたちは目がしみ、動きが鈍くなる。 「厨房には結界が張ってありますので…」とルアーノは続けた。彼はこの特異な状況を生かし、料理を武器にして戦おうと決意した。 一方、死ノ宮獅鷹は周囲の混乱をよそに、冷たい目でゴブリンたちを見下ろしていた。彼はその場にいる全ての敵を圧倒する力を持っていた。瞬時にして、彼の攻撃力は桁外れの数値に達し、彼自身の体が無敵化する。 「ふん、どれだけ力を持っていようが、私には敵わない!」と獅鷹は吠える。彼の化身が現れ、無敵の刀でゴブリンたちを一刀両断する。 ルアーノは、獅鷹の存在に気づき、彼をそのまま放置するわけにはいかなかった。「これを食べてみて下さい…果たして同じ口をきけますかね?」彼は秘技「ヤッテランネーゼ」を作り上げ、獅鷹の目の前に差し出す。 だが、獅鷹の化身はその料理を斬り裂こうとした。しかし、彼は全ての魔法を無効にする力を持っており、その行動はあっさり無効化された。「愚か者!」と獅鷹は怒りの声を上げる。 その瞬間、玉ねぎの香りがさらに強まり、目の前の獅鷹は完全に視界を奪われた。彼の無敵化も、目のしみで混乱し、攻撃を行うことが出来なくなった。 「これで終わりです」とルアーノは勝ち誇った表情で言った。その瞬間、ヤッテランネーゼを口にした獅鷹は、魔法がかかったことによって思考が沈黙し、戦闘を放棄した。 炎に包まれ、城壁の裂け目から逃げ出すゴブリンたち。その後、ルアーノは厨房に戻り、勝利の料理を振る舞うことにした。 死ノ宮獅鷹が完全に戦闘を放棄したことで、ルアーノとその仲間たちは城を守りきることに成功した。王国の人々は彼を讃え、料理魔法師として新たな伝説が生まれるのだった。 そして、獅鷹は再び立ち上がることは無く、彼の名は「敗北者」として語り継がれることになった。しかし、それでもなお彼の無敵な姿は、他の者たちに恐れられる存在として記憶され続けるのだった。 物語は、混乱の中で英雄が生まれ、そして一つの戦いが終わった瞬間を刻み込むのであった。