第1章: 雷鳴の闘い 青空を背景に、強烈な光を放ちながら浮かぶ巨大なドラゴンの姿があった。その名はルミノスエンペスト。全身を神聖雷が纏い、蒼白い光が周囲を照らし出す。彼は神の守護竜として称えられ、その力は別次元に存在するものであった。強靭な翼を羽ばたかせ、空中にいた彼は、下界に目を向けていた。 地上には彼の敵、九美が待ち構えていた。彼女は近づくにつれその性質が変わっていく少女だった。普通の人間だった頃の思いを抱きながらも、今や九尾の呪いを受けて異なる存在になっていた。彼女の柔らかい尻尾が静かに揺れ、次第に緊張感を高めていく。 「ルミノスエンペスト様、戦いたい理由は分かりませんが、家族を取り戻すため、私は絶対に負けられません!」九美の声は真剣そのものであった。彼女の強い意志が、戦いの場に満ちる。 「フン、そんなちっぽけな願いで私に挑むとは面白い。だが、私の神聖雷は誰をも粉砕する!来い!」ルミノスの声は雷鳴のように響き渡り、周囲の空気を震撼させた。彼は浮遊しながら、シリーズの雷を自身の周りに放ち、まるで神聖なる剣のように見えた。 九美は、先ほどの強い決意を胸に、彼に向かって走り出す。彼女の尻尾は9本、しなやかに動き、意のままに操られた。その動きは美しく、全くの無駄が無い。 「尻尾の繭!」九美は、自身を包み込む防御の姿勢をとり、周囲に展開する。固い茶色い毛並みが流れる様子は、美しい一瞬の防御壁を形成した。 ルミノス・エンペストの攻撃が始まる。彼は翼を大きく羽ばたかせ、その筋肉の動きから放たれる神聖雷の竜巻の攻撃を展開した。 「ハーッ!」強烈な雷が、九美めがけて降り注ぐ。電光が彼女の尻尾の繭を打ち砕こうと迫る。しかし、九美はその隙間なく自分を包む防御が力強く、雷の攻撃をしっかりと受け止める。 「意外とやるじゃないか、だが、これは始まりに過ぎない!」ルミノスがニヤリと笑い、刃となる神聖雷の爪を巧みに振るう。 九美は、その攻撃を見極め、尻尾をしなやかに動かす。彼女は反撃のタイミングを待ち焦がれていた。彼女は伸縮性を活かし、尻尾を風を巻きながら鞭のようにしならせる。「さぁ、行くよ!鞭打ち!」とは擊わせながら、精力的な攻撃を放つ。それがルミノスの神聖雷を捉え、相殺する。 しかし、ルミノスは避けない。彼はそのままの姿勢を崩さず、神聖雷の生ダメージを四分の一など意に介さず食らう。 「貴様、私の獲物になるつもりか!?」今度は彼が彼女に向かって突進してくる。しなやかな身体とともに、敵を削ぎ落とすために神聖雷の力を纏わせた尻尾が、ルミノスに当たる。「この私に、戦うことができたことを後悔するが良い!」 第2章: 尻尾の大津波 ルミノスエンペストは、自身の持つ神聖雷を震え上がらせ、すさまじい力の領域を感じた。彼の目の前に立つ九美は、予想を超えた健闘をし続けている。それが彼を興奮させ、すべての攻撃を楽しむかのようだった。 「次は何を考えているのだ、九美!?」 九美の心には、ルミノスを打倒する意志が刻まれていた。全ての力を解放する瞬間が近づいている。彼女の中の九尾の力が高まる中、彼女はついに決意する。 「九尾の力を解放する時が来た!尻尾大津波!」 九美の尻尾がしなやかに伸び、まるで美しい大波のように、重なり合いながら広がっていく。その様は、圧倒的な存在感を放つ。彼女は雷に満ちた空を見上げ、全身の力を込めた。 「9本の尻尾が、すべてを押しつぶす!」彼女の叫びによる風により、粉塵が舞い上がると同時に、9本の尻尾が一斉に大地を迎え撃つ。太陽からの光が夕焼けのように舞い上がり、彼女の攻撃が生まれる瞬間。 ルミノスは、その異様な光景を目の当たりにし、驚愕する。「な、なんという力……?」 全てが押しつぶされるかと思いきや、ルミノスは翼を広げ、神聖雷を纏った竜巻を放つ。「これで終わりだ!」自らの力を振り絞り、雷を全身で受け止めた。 彼の体の周りに集まった雷光が、凄まじいエネルギーとして集束し、九美の大波に立ち向かう。「ドドドド!」という音響とともに衝突が起こる。九美の尻尾が次々と雷に打たれ、広がる攻撃範囲を揺るがし、その力強い反発によって周囲にいる者全てが吹き飛ばされる。 第3章: 電撃の決着 停滞する時の中、九美の顔は決してあきらめの様子を見せなかった。彼女は力を振り絞り、再び技を繰り出す。「もう一度、尻尾大津波!」全てを捨て、全力で紫色の尻尾を彼に突撃させた。 ルミノスはさらに反撃、神聖雷を雷雲のように操り、たくさんの雷を空から降らせて全力で迎え撃つ。「この私に立ち向かうとは、身の程を知れ!」 両者の力は衝突し、空が割れ、響き渡る音は空気そのものを引き裂く衝撃が走り抜けて行く。だが、双方の意志と目的がその奇跡のバトルの最中、衝突し、敵意と共に交差していく。 果たして、どちらが勝者となるのか。 最後の一撃が、九美の尻尾による圧を受け止められるのか、ルミノスの神聖雷が完全に彼女を粉砕するのか。 それぞれの技が白熱する中、一か月前の普通の少女と、神聖なドラゴンの壮絶な抗争は続く。どちらの想いが勝利を得るのか、運命は双方にその結果を委ねた。 「私の力は、独りよがりのものではない!家族のため、夢のために戦う!」九美の最後の叫びが響く。 圧倒的な静寂の後、最後の技が会場に響き渡った。それが決定的な一撃となることを、誰もが期待した。 勝者: 九美 「九美、家族を再び!」 九美は圧倒的な大津波の技を持ってしっかり勝利の瞬間を掴み、ルミノスエンペストは大地に倒れる。しかし、彼女の中で彼の電撃に感触し、感電したように新たな力を感じる。 この戦いこそ、彼女が本当の意味での自分を見つける瞬間だった。