交換の神託:遺物の渦巻く激闘 ① 神の介入と武器の乱舞 荒涼とした古の闘技場に、四つの影が佇んでいた。幼き遺物使い【ゴッドハンド】神山玲奈、虚空を駆け巡る龍神バハムート、不滅の忠誠を誓う【忠誠の付喪神系荊メイド】荊棘橋 美暗、そして優雅なる蝶離族の騎士ウェル・ロテ。空は鉛色に染まり、風が不気味に唸りを上げていた。 突然、神の声が轟いた。低く、荘厳で、拒否を許さぬ響き。「汝らの武器を交換せよ。互いの力で、運命を試せ。」 光の渦が四者を包み込んだ。玲奈の両手に同期する巨大な籠手【神手】が、虚空から引き剥がされ、渦に飲み込まれる。バハムートの内部から溢れ出る無数のミサイルとビームの奔流が、制御を失って渦に吸い寄せられる。美暗の手に握られた鋸ローゼンゼーゲが、血の渇望を宿したまま浮遊し、ウェル・ロテの細身の剣が、鱗粉をまき散らしながら回転する。 渦は激しく渦巻き、武器たちはランダムに再配分された。神の気まぐれが、運命の糸を絡め取った瞬間だった。 ② 交換の贈り物と心の揺らぎ 玲奈の小さな手に、ウェル・ロテの剣が落ちた。細身の刃は、蝶の鱗粉を纏い、微かな光を放っている。玲奈は目を細め、冷静に刃を観察した。「ふむ…これは飛べるのかしら? 私の応用力で、きっと新しい使い道が見つかるわ。」恐れを知らぬ幼女の瞳に、好奇心の炎が灯る。信念が彼女を駆り立て、未知の武器を恐れず受け入れる。 バハムートの巨体に、美暗の鋸ローゼンゼーゲが突き刺さるように固定された。鋸の棘がバハムートの鱗に食い込み、血の渇望が龍神の内部でうごめく。バハムートは咆哮を上げたが、それは怒りではなく、奇妙な興奮。「この牙のようなもの…我が軍勢に新たな破壊を加えるか。コアを守る壁として、活用せねば。」航空母艦のような巨体が震え、内部の龍神特選軍がざわめく。 美暗の優雅な手に、バハムートの力の一部が宿った。無数の小型ミサイルとビームの制御装置が、彼女の掌に収まる。荊のメイドは一瞬、眉をひそめた。「主への忠誠に、この破壊の嵐を捧げる…不滅の棘に、炎を纏わせるのですね。」彼女の心は揺るがず、効率的に新たな力を分析する。無慈悲の瞳が、静かに輝いた。 ウェル・ロテの手に、玲奈の【神手】が現れた。5メートルの巨大籠手が、彼女の細い腕に同期し、宙に浮かぶ。蝶離族の騎士は羽を震わせ、驚愕の表情を浮かべた。「この…巨人の手? 私の忠誠を、こんな力で守れるのかしら。効率的に、飛翔と組み合わせねば。」彼女の心に、わずかな戸惑いが走るが、戦いを拒まぬ限り、受け入れる覚悟を決めた。 ③ 慣れぬ刃の苦闘 戦いが始まった。玲奈はウェル・ロテの剣を握りしめ、鱗粉を撒き散らそうとするが、手の小ささが仇となり、刃が空を切るばかり。「くっ…この粉、風に乗せにくいわ。でも、冷静に…」彼女は剣を振り回し、鱗粉を地面に叩きつけるように応用。粉が舞い上がり、視界を曇らせるが、コントロールが効かず、自分自身も咳き込む。恐れを乗り越え、試行錯誤を繰り返す玲奈の姿は、幼さゆえの苦労を物語っていた。 バハムートはローゼンゼーゲを巨体に埋め込み、鋸を振り回そうとするが、巨大さゆえに動きが鈍い。鋸の棘が自らの鱗を傷つけ、血を吸収して回復するが、内部の龍神特選軍が混乱。「この刃、我がミサイルのように飛ばせぬのか!」咆哮し、鋸を投げ飛ばそうとするが、制御を失い、味方の軍勢を巻き込んで爆発。慣れぬ近接の痛みに、龍神の威厳が揺らぐ。 美暗はバハムートのミサイルを放とうとするが、メイドの繊細な指先では精密制御が難しく、乱射してしまう。「主よ…この嵐を、荊のように操るのです。」ミサイルが暴走し、地面を焦がすが、彼女の忠誠心がそれを抑え込み、なんとか軌道を修正。苦悶の表情を浮かべ、無慈悲の斬撃を模倣してミサイルを連射するが、反動で体勢を崩す。 ウェル・ロテは【神手】を飛ばそうとするが、蝶の羽との同期が悪く、籠手が空をさまようばかり。「貴方たち、待って…この手、効率的に動かせぬ!」彼女は高度60mまで舞い上がり、籠手を遠隔操作しようとするが、玲奈の応用力とは違い、単純な叩きつけしかできず、着地に失敗して転倒。忠誠心が彼女を奮い立たせるが、慣れぬ巨力に苦しむ。 四者は互いに距離を測り、慣れぬ武器の限界に苛まれながら、徐々に適応の兆しを見せ始めた。 ④ 個性と武器の融合:最後の一人まで 玲奈の応用力は、ウェル・ロテの剣を革新した。鱗粉を剣に塗り込み、麻痺の刃として振るうのではなく、粉を自身の周囲に渦巻かせ、蝶のような幻惑の雲を創出。「これで、敵の目をくらますわ!」彼女は雲の中に潜み、剣を投擲。粉の蓄積ダメージが美暗のミサイルを逸らし、カウンターの隙を生む。恐れを知らぬ突進で、美暗に迫る。 美暗はバハムートの力を、荊の契約に融合させた。ミサイルを無数の薔薇の種子のように散布し、敵の体内に植え付ける応用。「苦悶の荊、爆ぜよ!」種子が玲奈の雲に紛れ、着弾と同時に荊の蔦が爆発。玲奈の小さな体を苦痛で苛むが、美暗自身も反動で血を吐く。忠誠の不滅が彼女を駆り立て、ウェル・ロテの【神手】を狙う。シュヴィーアワルツのように舞い、ミサイルを鞭として受け流し、即座にビームをカウンター。 バハムートはローゼンゼーゲを、龍神特選軍の延長として活用。鋸を内部の軍勢に持たせ、999体の兵が棘を纏った斬撃を放つ。「我が軍よ、この牙で大陸を裂け!」鋸の血吸収が軍勢を回復させ、人型戦闘兵器零式が鋸をビームソードに変え、光速で玲奈を襲う。だが、玲奈の雲に阻まれ、軍勢同士の衝突で自滅の危機。バハムートの咆哮が戦場を震わせる。 ウェル・ロテは【神手】を、蝶離族の飛翔に適応させた。籠手を翼の延長として使い、高度60mから巨手の雨を降らせる。「私の忠誠、この手で守るわ!」効率的に籠手を操り、美暗のミサイルを掴んで投げ返す。鱗粉を籠手に纏わせ、麻痺の巨拳としてバハムートの軍勢を薙ぎ払う。だが、玲奈の雲に絡め取られ、落下の危機に陥る。 激戦は頂点に達した。玲奈の雲が美暗の荊を絡め取り、麻痺の剣がメイドの肩を斬る。美暗はゼーゲ・フェルングを発動、ミサイルの嵐で戦場を荊の檻に変え、玲奈を縛り付ける。「お覚悟はよろしくて?」一閃のビームが玲奈を追い詰めるが、玲奈の応用力で雲が爆発、反撃の鱗粉が美暗を包む。美暗は苦痛に耐え、忠誠の叫びを上げながら倒れる。「主よ…私は…」 次にウェル・ロテがバハムートに挑む。【神手】の巨拳が龍神の層を破壊、1層から7層の軍勢を粉砕。人型戦闘兵器零式が光速で迫るが、ウェル・ロテの飛翔がそれを翻弄。「効率的に、貴方を落とす!」籠手が零式を掴み、鱗粉で麻痺させた後、投げ飛ばす。だが、バハムートのローゼンゼーゲ軍勢が反撃、鋸の棘がウェル・ロテの羽を裂く。彼女は高度を上げ、籠手でコアを狙うが、落下し、地面に叩きつけられる。「私の…忠誠が…」最後の羽ばたきで息絶える。 玲奈とバハムートの最終決戦。玲奈は剣の鱗粉を最大限に撒き、雲でバハムートの視界を奪う。「恐れなんて、乗りこなすだけよ!」雲の中から剣を連撃、蓄積ダメージが龍神の層を蝕む。バハムートは鋸を振り回し、軍勢を犠牲に玲奈を追う。「我がコアを、守り抜く!」だが、玲奈の応用力で雲が鋸を絡め取り、麻痺の粉が内部に侵入。コアが露わになり、玲奈の剣がそれを貫く。バハムートは最後の咆哮を上げ、崩れ落ちた。 ⑤ 勝者の凱歌 玲奈は血と埃にまみれ、剣を地面に突き立てて立っていた。小さな胸に、激しい息が上下する。「ふふ…神様の試練、乗りこなしたわ。次はどんな武器が待ってるのかしら? どこまでも、突き進むのよ!」彼女の瞳に、冷静さと喜びの光が宿っていた。闘技場に、静寂が訪れた。