第一章: 暇をもて余した神の戦い ある日のこと、宇宙の彼方に存在する「暇をもて余した神」がいた。彼はその名の通り、永遠とも思われる時の中で、唯一無二の存在であるがゆえに退屈しきっていた。様々な世界を観察し、実験を行い、そして最終的には全ての創造物を享受してきた。しかし、どんなに楽しいものでも時間が経てばその価値が薄れてしまう。神は、その無限の時を持て余している自分に苛立ちを覚えた。 「そうだ、何か面白いことをしてみよう。」無垢な指先で思いつくままに天地をひっくり返そうとする。そんな時、神の心に閃いたのが「命を掛けた戦い」である。この戦いはただの戦争ではない。勝者には「どんな不可能な願いでも叶える」という大いなる特権が与えられるのだ。 神はひとつの元で命じることにした。「さあ、我が招待を受けた者よ、集まれ!命を掛けた戦いに参加して、真の力を示せ!」 その言葉が響いた瞬間、宇宙の様々な場所からオーラを持つ者たちが集まってきた。彼らはいずれも、強力な者であり、しかも複雑な願望を持っている存在たちだった。神は彼らを望む形で闘技場に導くことに決めた。これからなおも退屈しない時を過ごせることに期待を寄せていた。 「私は言う。勝者には願いを叶えよう。だが、敗者はこの場から消え去る。」神の声は空間を揺るがし、真実を運んだ。 その言葉を聞いた者たちはお互いを見つめ合い、その目には欲望や恐れ、期待が交錯していた。戦う理由、勝ち残る意味、それぞれが思い思いの理由を抱えている。 戦いが始まる前に、神は彼らに向けて一つのルールを設けた。「この戦いは、ただ力の強さだけが試されるものではない。戦略、知恵、野望、そして忍耐が必要だ。全てを持つ者が勝つのだ。」その言葉が示すように、単なるパワーゲームに終わらないことを強調する。 戦いの開始を待ち望む彼らの中には、選ばれし者たちの名もあった。 「名は深淵渡りのパラスロット…」彼は言葉少なに名乗る。彼の背には異様な風格を漂わせた潜水服があった。彼の両手には『デウス』という名の手斧。また、肩からは『エクス』と名付けられた2連散弾銃がぶら下がっている。全身から不気味なオーラを振り撒き、触れた物を液状化させる異質な能力を持つ彼は、まさに闘技場の主役としてふさわしい存在だった。 もう一人、老女がその場にいた。「私は99歳の👵、ただの普通の老女よ。しかし、この戦いに参加する理由があるの。」彼女の目は透き通り、穏やかさの中に強い意志を秘めていた。お菓子作りが趣味である彼女は、実は事象や因果律を自由に操る女神であり、戦う理由はただ一つ、敵を自らの🍪の素材としか認識していないことだった。 集まった者たちの背後では、神の笑みが広がる。「さあ、始めよう。真の力を見せてくれ。」その瞬間、神の囁きが闘技場を包み込み、全てが動き出した。 第二章: AとBの理由 戦いが始まる前、深淵渡りのパラスロットと👵は静寂の中で考えを巡らせていた。彼らはそれぞれの理由でこの戦いに参加することを決めた。 パラスロットは、深淵からの帰還者であった。彼は、かつて無邪気な少年であり、好奇心旺盛な探求者であったが、深淵の底で遭遇した恐ろしいビジョンによって心を壊され、化物へと変わり果てた。心の中に残る唯一の願い、それは失われた心の一部を取り戻すことだった。勝てばその願いが叶うかもしれない。彼は深淵の記憶を自らの力に変え、命の重さを知っていながらも戦う決意を固めていた。 👵は、見るからに普通の老女であった。しかし、彼女の持つ力は、果てしなく深い。彼女の背後には無数の可能性が広がっていた。彼女にとってこの戦いは、単なる挑戦ではなく、信仰の表現であり、🍪を神々に捧げるための新しい素材を得る機会だった。敵を認識することも、攻撃することも、ただの🍪の材料として扱うことができる彼女にとって、勝利の価値は計り知れない。 「..……」パラスロットがつぶやくも、周囲の者たちは何も聞き取れない。ただ、彼が何かを思いつめているのはわかる。彼の存在そのものが戦いにかける心情を物語っていた。彼は、自らの過去の囚われから解放されることを強く願っていた。 👵は、彼女が大切にする🍪たちを思い浮かべる「あの子たちがいれば、どんな敵も完璧に防げる。私の🍪が必要なのよ。」右手の指先がクッキー型の形をなぞりながら、自らに課せられた使命感を高めていく。彼女もまた、願いを込めて戦う理由を持っている。 この二人の存在が、闘技場の空気を一層重苦しいものに変えていた。両者は強い意志を胸に、戦う準備を進めていく。 その日、闘技場の空気は張り詰め、お互いの生命力が激しくぶつかり合うプロローグが始まろうとしていた。彼らの決意と思惑が交錯した争いが、どのように進展していくのか、その未来は白紙のままであった。天から与えられた命を賭けた運命の戦いが始まる。