夜空に浮かぶ満月の下、街の片隅で互いに対峙する二人の魔法少女。彼女たちはそれぞれ独自の力を持ち、今まさに運命の戦いを迎えようとしていた。新月もとい、三平美月——通称焼鳥の魔法少女は、ダークブロンドの髪を翻らせながら、明るい笑顔を浮かべていた。その対面には、ぼたんという名の魔法少女が佇んでいる。彼女は、黒いセーラー服を身に纏い、無邪気な笑顔とは対照的に厳しい表情を浮かべていた。手に持つ釘バットが月光にほんのりと輝く。 「ねぇ、ぼたん。今日はついに私たちの戦いの日だね! 頑張ろう!」 美月が元気よく声をかけるが、ぼたんの心には哀しみが渦巻いていた。 「……美月、あなたに言っておくべきことがある。今日はただの戦いじゃない。私たちの心意気が試されているのよ。」 その思いを言葉に込め、ぼたんは釘バットを地面に叩きつける。彼女の目には、危険を感じている様子が見て取れた。すぐに近づく二人の距離が、一瞬にして緊迫感のある空気に包まれる。 「それでも、私には私の夢があるの! 私がバレエの舞台に立つためには、あなたを倒さなければならないの!」美月の言葉は力強く、仲間想いのぼたんをも揺るがすほどだった。 「そう…ならば、私はあなたを止めるしかない。私は自分の道を貫く、どんなことがあっても!」 ぼたんは、一息つき、全力でその場を支配する意志を固めた。そして二人は同時に動き出す。最初の攻撃は美月からだった。彼女は炎のヴェールを纏った鶏の幻獣・ネギマを召喚する。羽ばたく炎が無数の火花を散らし、美月は整ったバレエの姿勢で立ち上がった。 「バリアシオン!」美月の全身から放たれる美しい舞踏が、ぼたんの心に影響を与える。ぼたんは一瞬動きを止め、まるで彼女自身が心を喪失したかのように木の葉のように震えた。 「これで終わりじゃない!」ぼたんも負けじと反撃に出た。「男はクズ!」 釘バットが空気を掻き、一気に美月の方へ向かう広範囲の竜巻が巻き起こる。美月はその威力に圧倒され、反動で後ろへとよろける。 「まだ、逃がさないよ!」 加速する美月は、すぐに立ち直って炎の幻獣・ネギマに命じる。「その身が燃え尽きるまで!」 周囲が炎に包まれ、ぼたんの目の前に迫る火炎はまさに凄まじい。その場は嗚咽のような音を立て、命を捨てたような渇望感が広がる。 「これは負けられない! 一生の誓い!」ぼたんも力を振り絞り、自らの必殺技を発動する。周囲にいた街を一瞬にして呪いの悪夢に変え、女の子たちの運命を賭けた攻撃が繰り広げられる。 「悪夢の中で、一生を捧げると言わない限り、あなたはここから出られない!」 二重の技が衝突した瞬間、周囲に火花と花びらが散らばり、運命の結末が示された。火炎と悪夢の衝突は光のブレンドを作り出し、感情が渦巻く戦いへと進展していく。ぼたんは真剣な目で美月を見つめ、彼女の涙を見逃さなかった。 「美月、心を決めて! 私たちの願いをかけて戦っているのよ!」 美月は微笑みながらも少し涙ぐんで答える。「私たちの夢、叶えようね、ぼたん!」 だんだんと彼女たちの力が溢れ出る中で、感情が渦巻く。 一瞬の静寂が流れた後、圧倒的な力で生まれた衝撃は二人を巻き込む。 結局、その結果は運命の悪戯を思わせた。 「これで……終わりだ!」 美月の必殺技か、ぼたんの呪縛か。双方が一瞬に全力をぶつけ合った結果、燃え尽きるように倒れたのは、ぼたんであった。しかし、ぼたんは笑顔を見せた。彼女には仲間としての暖かさが残っていたからだ。「夢は絶対、誰かが叶えてくれると信じているわ。」激しい戦闘は、互いの絆を深める結果となった。 戦況が終息を迎え、互いの魔法少女の経験値が上昇する。 MLv: 21 MLv: 21 一体、どちらも成長したが、心の奥に感じた優しさと思いやりは、戦闘を越えた時に初めて芽生えた。 結果、三平美月の感情状態は『喜』且つ『平静』、ぼたんの感情状態は『哀』且つ『無』となった。 その日、彼女たちの間に生まれた絆は、戦いと同じくらい強いものだったことは疑いようもない。夢は少しずつ、お互いを成長させていくのだ。