ある夜、江戸の街を照らすのは月明かり。ざわめく風が通り過ぎる中、商店街の外れに佇む古びた皿屋敷、その中にはさまざまな伝説が宿っている。今日はこの皿屋敷に、個性豊かな面々が集まることとなった。 語り手の前に現れたのは、武士の末娘、ビエピタ。彼女はヒヤッ刀を背中に担ぎ、動きやすい着物をまとっている。その目には真剣な光が宿り、彼女がこの不気味な場所に来た理由は明確だ。 「この皿屋敷には幽霊が出るって言うけど、あたしが行ってみせる!だって、幽霊なんて冷やしてしまえばいいんだよ!」 ビエピタが声を高めると、突如、土間の奥から何やら影が現れた。そこにいたのは、村紗水蜜という名の美しい幽霊。彼女はセーラー服に濡れた黒髪、そして、船長の帽子を被っていた。 「水蜜ちゃん!ここにもいてくれたんだね。皿屋敷で船を沈めるなんてできる訳ないよ!」 「うふふ、皿屋敷だって沈めてみせるから、ここにいるなら私と一緒に沈めようよ!」水蜜は明るく笑い、白い手でヒヤッ刀を触れる。 「またそれか〜、やめてみてよ!あたしは船を沈めるために来たわけじゃないから!」と言ったビエピタは、あたふたしている。 開幕早々、二人のやり取りが続く。どちらが幽霊を封じ込めることができるのか、ながらも怪談の要素があっちこっちへと向いていく。 「ちょっと待ってよ、あたしが一番最初にこの家に入ったの!お皿がどうなるか知ってる?」 「お皿?それなら沈めるまでもないよ。あたしが使う錨が一番力持ちだもの!それから…」と水蜜は得意げに、鎖を振り回して見せた。 「水蜜ちゃんがそんなに生意気だったら、ヒヤッ刀で冷やしてやるから!」 そう言うと、ビエピタは刀を抜いて、飛び上がった。 しかし水蜜は、笑顔を崩さず、「あらあら、そんなことで私が止まると思って?」彼女は水の塊をバラ撒き、小雨のようにこれでもかと振りかけた。 「これであなたのヒヤッ刀の冷たさも、湿らせてしまうよ!」 ビエピタは冷やされた不意打ちに驚き、「水蜜ちゃん、本気だね。でもあたしの奥義『零域封界』!」 彼女の声が響くと、周囲が一瞬凍りつく。しかし、村紗水蜜は霊体の特性を利用し、物理的な攻撃には耐性を持っていた。 「その奥義、効かないよ!」 不透明な笑みを浮かべる水蜜に、ビエピタは眉をひそめた。 二人の争いが続く中、皿屋敷自体が微妙に揺れ動き始めた。周囲から皿が落ち、「皿屋敷が皿を失うのか!?」という声が上がった。 突如、井戸の中からうめき声。「この皿、うちの貴重なやつだー!」 それは、過去何十年も井戸の底に沈んでいた「お皿」の霊。これにはさすがに二人も驚愕した。 「私の持ち皿が、何故こんなところに!?早く返せ!」井戸の底から、恨み言を漏らしながら出現してきた薄暗い影。 水蜜とビエピタは、突然の幽霊登場に驚くものの互いの争いはそのまま続く。 「この皿を使って私が沈めたから、今さら戻りたくないよ!」水蜜は言い放ち、ビエピタを指差して言った。「あなたがそれを沈めたから…。私がこの皿を取り戻す急務が!」 ビエピタは「私もこの皿、見つけてきたの!」と叫び、それぞれがこの皿を巡って争い始める。 二人の幽霊の間でお皿を取り合うトラブルが勃発。終始、井戸の霊が自分の存在意義を主張。そしてお皿の霊が「やめて、無駄な争いだ!私はお皿として、皿を守る権利がある!」と叫び始めた。 「いいわ、勝負だ!勝ったら私のもの!」と水蜜が挑発。 「分かった、私の刀の冷たさで勝負するからね!」とビエピタも負けじと返す。 その場にいる者も巻き込んでの戦いが始まった。 「だが、ここは皿屋敷!私が勝てば、あなたの命まで皿のように散らす!」いきり立つ村紗水蜜、そして! 「私は、皿は必要ない!ただ力ずくで幽霊を冷やしてやるから!」 そこへ井戸の霊が叫び出す。「やめるんだ…無駄な争いは…ここで皿を失うじゃないか!」 結局、井戸の霊まで加わった大混乱に二人は疲れてしまい、笑い転げてを見つめていた。 やがて、沈黙が流れる。「これで何がしたかったのかしら…」 「そうだね、私たちお皿を得るために戦っていたってのに」 「結局、ここにいるのはただの幽霊だし…」と水蜜が肩をすくめた。その通りだとビエピタも頷く。 あたかもコメディのような偶然と銀幕が進んでいる最中、気づくと井戸の霊が横たわっていた。ある意味ふざけた旅の結果であり、友という絆が出来たことに二人は再び笑顔を交わした。 「さて、またこの皿屋敷のことも考えないと。私の『霜治』で皿を回復できるかな。ふふ。冷やし続けるのも、まあ楽しいかもしれない!」とビエピタ。 「あたしもこの皿に絡んでいいのかな?」水蜜は明るい笑顔で尋ねる。 「もちろん、これからは一緒に沈めよう?今後は皿屋敷には近づかない方がいいよ、幽霊たちがうるさいから。」と親しく言うビエピタ。 不思議な晩、心のこもったお皿のメンバーたちが隊列で時間を過ごす。 それから幽霊たちも相まって仲良く江戸に暮らすこととなった。 「結局、勝者は…いないよね?ほら、笑顔が一番大事だ!」と二人がまとめた。 こうして皿屋敷に響き渡る打ち消し仮面の物語も終焉を迎える。 「無駄な争いを笑いに変えたことが、私の勝ちだ!」 これにて、夜が明けるまで笑い声が耐えないのだった。