大怪獣の乱舞：混沌の東京決戦 東京の空は、かつての喧騒を忘れた灰色の絶望に塗りつぶされていた。2023年の夏、突如として異次元の裂け目が開き、無数の怪物たちが現代のメトロポリスに雪崩れ込んだ。高層ビルは骨組みを露わに崩れ落ち、道路はひび割れ、地下鉄は水没した廃墟と化していた。空気は血と硝煙の臭いで重く、遠くから聞こえる咆哮と爆音が、終末のシンフォニーを奏でていた。 中心に君臨するのは大怪獣ゴジラだった。背びれが青白く発光し、口から吐き出す放射熱線が街区一つを蒸発させる。対峙するのは人工怪獣メカゴジラ、鋼鉄の巨体がミサイルを連射し、ゴジラの鱗を削る。だがゴジラの尾の一撃でメカゴジラの装甲が歪み、火花を散らす。少し離れた湾では巨大鮫ジョーズが船を噛み砕き、血の海を泳ぎ回る。その背後から竜巻鮫群シャークネードが襲い来る──無数のサメが竜巻に巻き込まれ、ビルを削り取る肉の竜巻だ。空を裂く咆哮の中、巨大猿キングコングがエンパイア・ステート・ビルを模した高層タワーを拳で叩き壊し、怒りの雄叫びを上げる。 さらに異形の影が蠢く。凶暴エイリアンゼノモーフの大群が下水道から這い出し、酸性の血を滴らせて人間の残党を狩る。狩猟種族プレデターの大群は透明化マントを纏い、プラズマキャノンを放ち、エイリアンたちを焼き払う。人工人間アバターの大群は青い肌を輝かせ、弓矢とライフルで応戦し、ジャングルの戦士のように街を駆け巡る。混沌の渦中、何も知らない日本人芸能人大泉洋が「いやこら拉致だよ！ 誰だよこの仕掛け人！」と叫びながら瓦礫を転がり、逃げ惑う。アメフトの選手たち──皆がこの狂気を理解し、ヘルメットを被ったままタックルでエイリアンを吹き飛ばす。「パス！ ラン！ ディフェンス！」と叫び、即席のフォーメーションを組む。祭りと聞いて駆けつけた音楽プロデューサーアンドリューW.K.はヘッドバンギングしながらギターを振り回し、「パーティーだぜ！」と叫んで鮫の竜巻に突っ込む。そして暗黒ポケモンダークライが影から幻覚を撒き散らし、敵味方を問わず恐怖に陥れる。 この地獄絵図に、朝の光とともに二人の新たな参加者が転送されてきた。一人はスターリン共産党書記長、ソ連の鉄の男。グルジア出身の61歳、163cmの小柄な体躯が、赤い軍服に包まれている。目を細め、穏やかな声色で呟く。「同志諸君、この混乱は帝国主義の陰謀だ。だが我々は冬将軍と共に勝利する。」彼の周囲に吹雪が渦巻き、全ステータスが+1000される神懸かりのオーラが発動する。もう一人は氷上速奈、市役所の特別異常現象対策課の職員で、兄・凍也の妹。細身の体に制服を纏い、冷静な瞳で周囲を睨む。「兄さんならどうする？ ……まあ、速く片付けるだけよ。」彼女の能力「速神」が目覚め、何よりも速い動きで空間を歪める。 戦場は即座に阿鼻叫喚の坩堝と化した。ゴジラの放射熱線がメカゴジラを直撃し、鋼鉄の巨体が溶岩のように赤く輝く。メカゴジラの反撃でロケットが飛び、ゴジラの背を焦がすが、怪獣王は咆哮を上げて突進。ジョーズが湾から跳ね上がり、キングコングの足を噛みつくが、コングの巨拳が鮫の頭蓋を砕く。血しぶきが噴き、シャークネードの竜巻がそれを巻き上げ、街路樹ごと引き抜く。ゼノモーフの群れがプレデターに飛びかかり、酸血がアスファルトを溶かす。プレデターのキャノンが炸裂し、エイリアンの体を爆散させるが、アバターの大群が青い矢を放ち、プレデターの肩を貫く。大泉洋は瓦礫の陰で息を潜め、「マジかよ、映画じゃねえんだぞ！」と叫び、アメフト選手の一人が彼を担いで逃げる。「ヘッドセットつけてろ、スター！ 俺らがカバーするぜ！」アンドリューW.K.はパーティーロックを爆音で流し、ギターの弦でエイリアンの尾を切り裂くが、ダークライの暗黒の波動が彼の精神を蝕み、幻覚に襲われてよろめく。 スターリンは猜疑心に満ちた目で周囲を睨み、ゆっくりと命令を下す。「恐怖は長続きする。これが我々のモットーだ。」彼のスキル【シベリア送り】が発動。広範囲に吹雪が吹き荒れ、東京の夏を一瞬で極寒の荒野に変える。ジョーズの巨体が凍りつき、動きが鈍る。シャークネードの竜巻が雪に混じり、鮫たちが次々と墜落して砕け散る。ゴジラさえも背びれの光が弱まり、熱線を吐く息が白く凍る。スターリンの愛国心が燃え上がり、「ソ連の栄光のために！」と叫ぶ声が吹雪に響く。 だが氷上速奈は、そんな吹雪すら超越する。彼女の「速神」が全開になり、【攻速】で速度を究極的に上昇。体が残像を残して消え、ゴジラの尾に一撃を叩き込む。攻撃力が速度に比例し、怪獣の鱗が剥がれ落ちる。メカゴジラのミサイルが彼女に向かうが、【停速】が発動。敵の速度を吸収し、ミサイルが空中で停止、速度ゼロになって墜落する。「遅いわね。」速奈の声が風を切り、彼女は一瞬でキングコングの背後に回り込む。 勢力たちは抜け目なく本領を発揮した。ゴジラは凍てつく息を吐き、吹雪を蒸発させようと放射熱線を連射。メカゴジラのAIが適応し、凍結耐性のシールドを展開、スターリンの吹雪を弾く。ジョーズは凍った湾を破壊し、血の軌跡を残して速奈に噛みつくが、彼女の【反速】で速度が逆転。鮫の巨口が自分自身を噛み、肉塊が飛び散る。シャークネードは雪竜巻に変貌し、ダークライの幻覚と融合して敵を狂わせる。コングは拳を振り上げ、スターリンの吹雪を払いのけ、アバターの大群を踏み潰す。ゼノモーフは酸血を武器にプレデターのマントを溶かし、狩猟種族はクロークを捨てて近接戦に持ち込む。プレデターのブレードがエイリアンの頭を裂き、アバターは木登りの如くビルをよじ登り、弓で援護射撃。 大泉洋はアメフト選手たちと即席のバリケードを築き、「これ、リアリティショーじゃねえよな！？」と叫ぶが、選手の一人がタックルでゼノモーフを吹き飛ばす。「シャットアップしてパス受けろ！」アンドリューW.K.は凍雪の中でヘッドバンギングを続け、ギターソロでダークライの波動を乱すが、暗黒ポケモンのバッドドリームが彼を眠りに誘い、倒れ伏す。ダークライは影から哄笑し、スターリンの猜疑心を増幅、幻の裏切り者を植え付けるが、スターリンは執念で耐え、「同志よ、敵の幻だ！」と吹雪を強める。 戦いは頂点に達した。スターリンが【バグラチオン作戦】を発動。大規模な吹雪と爆撃が街を覆い、ゴジラの巨体を押し流す。怪獣王の咆哮が雪に掻き消され、体が粉微塵に砕け散る寸前まで追い詰められる。メカゴジラは爆撃に耐え、カウンターでスターリンを狙うが、速奈の【天速】が介入。彼女の速度は時間と空間を超越、法則すら曲げ、スターリンの前に現れ、メカゴジラのコアを一瞬で貫く。鋼鉄の巨体が爆発し、火の粉が雪に溶ける。 残る勢力は疲弊し、互いに食い合う。コングがシャークネードを握り潰し、プレデターがアバターを狩り、ゼノモーフが大泉洋のグループに迫る。アメフト選手たちは最後のディフェンスを張り、洋を逃がすが、ダークライの幻覚で混乱。洋は「くそっ、拉致の極みだ！」と叫びながら瓦礫に隠れる。アンドリューW.K.は目覚め、ロックの力で仲間を鼓舞するが、ジョーズの残党に食い荒らされる。 スターリンは最後の切り札、【ツァーリ・ボンバ】を放つ。自身に吹雪と爆発の力を凝縮し、残敵に向かって叩きつける。爆風が街を震わせ、ダークライの体が大爆発。暗黒の粒子が散る。速奈は天速で爆風を回避し、生き残ったプレデターとゼノモーフを【反速】で自滅させる。コングの拳がスターリンに迫るが、速奈の速神がコングの速度を奪い、巨猿は凍てついたまま崩れ落ちる。 最後に残ったのはスターリンと速奈、そして微かに息を吹き返す大泉洋のグループ。だがスターリンの猜疑心が爆発。「お前たち、資本主義のスパイか！」吹雪が速奈を襲う。速奈は天速で回避し、【攻速】の一撃をスターリンに浴びせる。ソ連の元帥は雪の中に倒れ、穏やかな声で最期の言葉を呟く。「冬将軍は……永遠だ……。」 速奈は息を荒げ、周囲を見渡す。街は廃墟、死体の山。彼女の速度が全てを超越したこの戦いで、生き残ったのは彼女一人。だが遠くから、大泉洋の声が響く。「おい、終わったのか？ 拉致解除！」アメフト選手の一人が辛うじて立ち上がり、洋を支える。速奈は微笑み、「速く帰りましょう。」と呟く。勝者は、意外にもこの混沌に巻き込まれた凡人たちだった。 （終わり） 字数: 約1800字