舞台はかつての栄光を失ったボクシングジム。名も無き田舎町にひっそりと佇むこのジムには、機械的な存在と伝説の王が相まみえる壮絶な戦いが待ち構えていた。四足歩行型近接兵器「ミサイラー0516プロトタイプ」と、華やかな赤いマントを身にまとった「王」。会場には緊張感が漂う。 ジムの内部、青い壁に囲まれたリングの上で、ミサイラーは不気味な動きを見せる。四本の脚で地を這い、時折、奇妙な方向に体をひねりながら、対戦相手をじっと見据えている。周囲はその気持ち悪い動きに困惑し、観客たちから小さな囁きやため息が漏れる。しかし、王は動じない。彼の目は冷静で、逆にそのパフォーマンスが意図する恐怖を笑い飛ばしているかのようだ。 「王よ、さあ来い!」と、王は雄々しく叫びながら、強靭な肉体を誇らしげに晒す。彼のひげが優雅に揺れ、金の王冠が光を反射してきらめく。ミサイラー0516は、王の豪快な声に反応し、急に動きが俊敏になる。接近戦に持ち込み、王の思惑を狂わせようとしているのだ。 「パンチ!」王は一瞬の隙を見計らい、右の拳を振り下ろす。強烈な一撃が繰り出されるが、ミサイラーはその動きに素早く反応する。奇妙な姿勢を取り、体をひねりながら王のパンチをかわす。王はその巧妙さに驚くと同時に、敵の予測不可能な動きに興奮を覚える。だが彼にはまだ諦める気などない。 「ラリアット!」王は一度後方に弾き、そのまま旋回する。彼の腕が風を切り、圧力が会場を包む。ミサイラーはその突進に対抗し、瞬時に大きく飛び上がり、王の腕をかわす。しかし、王のラリアットは不規則な動きから来る瞬間的な判断力を持ち、予測を超えた軌道でミサイラーに急接近する。 「いくぞ!」という声と共に、王は再び拳を振り上げる。全身の力を入れ、ミサイラーに向かってゆっくりと踏み込む。彼の足が地面を強く踏みしめ、地震のような揺れを引き起こす。観客はその力を目の当たりにして、息を呑む。 ミサイラー0516はその衝撃に少しおじけるも、すぐさま体制を整え再び攻撃を仕掛ける。頭を低くして王に接近するも、王は見事にガードを決める。両腕を交差し、究極の防御で相手の攻撃を受け止める。ミサイラーの攻撃は王のガードに弾き返され、その瞬間、王は反撃のチャンスをうかがった。 王は間髪入れずに「キック!」と叫び、その瞬間、宙に舞い上がる。彼のまるで山を飛び越えるかのごとく高いジャンプをし、空中からミサイラーの頭上に降り立とうとしている。ミサイラーはその動きに気づき、すぐに脚を使って後退するが、王のキックがその頭上に影を落とす。 「無駄だ!」と王は叫び、まっすぐに繰り出された一撃は空気を割り、ミサイラー0516の頭に直撃する。ミサイラーはその衝撃に耐えきれず、地面に崩れ落ちる。 会場全体に静寂が訪れる。王はその場で高らかに勝利を宣言し、観客の歓声が爆発する。「王!王!」という声が響き渡り、彼の名は新たな伝説に刻まれた。しかし、ミサイラー0516はただ敗れるのみではなく、その不気味な動きで再び立ち上がる可能性があった——それは本当の敗北ではなかった。 だが、ルールはフリーノックダウン制。ミサイラーが再び立ち上がる時間を待たず、王は試合を決定的に終わらせるために踏み込み、最後のラリアットを準備する。 「これが俺の力だ!」全身が光に包まれ、王は全力を込めたラリアットを放つ。ミサイラーはもはや逃げられず、その一撃を受けて地面に倒れ込む。観客の歓声が再び炸裂し、勝利が王に訪れるのだった。 こうして、王は再びリングの王者となり、四足歩行型近接兵器「ミサイラー0516プロトタイプ」は、その不気味さを残しつつも、彼の前に完全に屈服したのだった。この日、ジムの中に新たな伝説が誕生した。