【絶望の空と、理の戦い】 【序章:静寂の終わり】 空が血のように赤く染まった。街を囲む巨大な外壁の向こう側、平和な日常を享受していた100万人の市民にとって、それは最悪の悪夢の始まりだった。 「……来たか」 街の周囲の壁に降り立ったのは、Bチームの三人。大悪魔アビス、理の管理者アニマ、そして悟りを開いた仙人。彼らが視線を上げた先、平原の上空には、雲を切り裂くほどの巨躯を持つ【邪龍】ドグマニールが、禍々しいオーラを纏って飛翔していた。その後方には、実体を持たぬ虚空から滲み出るようにして【邪神】が降臨し、その傍らには巨大な岩と邪気で構成された【邪神ゴーレム】が静かに佇んでいる。 その瞬間、世界を塗り潰すほどの「邪気」が奔流となって街へ、そしてBチームへと降り注いだ。全ステータス7倍という絶望的なバフを得たAチームに対し、Bチームには苛烈なデバフが突き刺さる。聖属性・神聖属性を持たぬ能力は、泥に浸かったように鈍り、弱体化した。 ドグマニールが咆哮する。その一声で街の端にある建物が数棟、衝撃波だけで粉砕された。 【第一局面:邪龍の蹂躙と絶望の壁】 「まずは、この街を絶望で満たそうか」 ドグマニールが急降下し、口端から【邪龍砲】を放つ。純度100%の邪気が凝縮された極太の光線が街の中心部を貫いた。爆発は凄まじく、一瞬にして数千の家屋が消し飛び、数万人の悲鳴がこだまする。街の被害は一気に15%へと跳ね上がった。 Bチームの仙人が、目にも止まらぬ速さで地を蹴った。弱体化していても、その基礎素早さは異常だ。 「ふんっ!」 【無数ノ拳シ】。1秒間に1万回という超高速の拳がドグマニールの鱗を叩く。しかし、7倍に強化された防御力と、邪気による能力弱体化が壁となる。鱗に僅かな亀裂は入るが、決定打に欠ける。 「甘いな」 ドグマニールが【邪龍爪】で仙人を弾き飛ばす。その一撃は山をも砕く威力であり、仙人は後方の市街地まで吹き飛ばされ、数ブロックの街並みをなぎ倒した。 一方、アニマは冷静に状況を分析していた。周囲に漂う邪気が、仲間たちの力を奪っている。彼は自身の瞳の中にある歯車を静かに回転させた。現状、彼の能力は「理」を司るものだが、邪気の影響で出力が大幅に低下している。 【第二局面:魔導と鋼鉄の攻防】 「……神聖。そして、虚空」 大悪魔アビスが静かに魔導書を開く。彼女はBチーム唯一の「神聖属性」を操れる存在だった。彼女が【神聖】のページを繰ると、柔らかな光が周囲に広がり、邪気によって弱体化していた仙人とアニマの能力を一時的に浄化した。 「助かるよ、アビスさん」 アニマが微笑む。同時に、彼は【21.3のスプリング】を発動。地面から突き出した瓦礫に自律命令を与え、飛来する邪神ゴーレムの攻撃を遮断させる。 邪神ゴーレムが【邪気魔導剣】を振り下ろす。それは空間ごと切り裂く一撃だったが、アニマが召喚した【時を守り貫く針】がそれを捉える。針に触れたゴーレムの腕の速度が極端に遅延し、その隙を仙人が見逃さなかった。 「これこそが、極意!」 【収縮精神拳】。銀河をも揺らす威力を一点に凝縮し、ゴーレムの胸部コアへ向けて放つ。ドゴォォォォン!!という鼓動のような衝撃音が響き、ゴーレムの装甲がひしゃげる。しかし、ゴーレムは【邪気修復】で瞬時にダメージを回復し、さらには【邪気増幅炉】で出力を上げ、周囲に【邪気銃器】による弾幕を張り出した。 【第三局面:邪神の介入と絶望の加速】 戦いが膠着し始めたところで、空に浮かぶ【邪神】が動いた。 「不快だ。この世界を、私の色に染め上げよ」 【邪神気解放】。もはや「邪気」ではなく、より高次元の「邪神気」が戦場を覆う。これにより、アビスが展開していた神聖属性の浄化結界が、ガラスのように粉々に砕け散った。再びBチームに猛烈な弱体化が襲いかかる。 さらに邪神は【能力反転】を発動。Bチームの高いステータスをマイナスへと反転させようとする。絶体絶命の危機。しかし、ここでアニマの「理」が牙を剥いた。 「悪いけれど、僕の領域では、反転さえも『部品』なんだ」 アニマの瞳の歯車が青く輝く。魔力限定解除。超光速移動と因果操作を解禁し、彼は邪神が放った反転の波動を【繋ぎ離すスクリュー】で物理的に切り離し、別の方向へと接合して跳ね返した。 しかし、その隙にドグマニールが街へ向けて再び【邪龍砲】を乱射。街の30%、40%と、破壊の速度が加速していく。生存者は次々と犠牲になり、悲鳴が空を埋め尽くした。 【第四局面:限界突破の死闘】 「もう、我慢ならんな」 仙人が静かに目を瞑る。【集中増強】。周囲の空気の振動、邪気の流れ、すべてを把握し、最短距離を導き出す。彼はもはや速度を超え、「到達」した。 光速の突き。ドグマニールの心臓を貫こうとする一撃。だが、ドグマニールは【邪神の盾】を展開。魔法のみならず、物理的な衝撃さえも邪気の結界で完全に無効化した。 「ガハハハ! 脆弱なり人間、あるいは魔物よ!」 ドグマニールは【邪気暴走】を選択。理性を捨て、邪神からさらなる力を授かる。その姿はさらに巨大化し、禍々しい黒い炎に包まれた。もはや一撃一撃が核爆弾に匹敵する威力となり、彼が羽ばたくたびに街の建物が次々と崩壊していく。被害は50%を超えた。 アビスは【星圧】と【虚空】を組み合わせ、ドグマニールの周囲に超高重力のブラックホールを生成しようとしたが、邪神が【邪神気結界】を展開。聖属性以外の攻撃をすべて無効化し、アビスの魔術を虚空へと消し飛ばした。 【最終局面:理の崩壊と最後の希望】 街の被害は65%に達し、生存者は急激に減少。撤退まであと一歩というところで、アニマが静かに歩き出した。 「……そろそろ、時間だね」 アニマが自らの魔力制約をすべて解除する。ローブを纏い、その姿はもはや玩具店の店長ではなく、冷徹な世界の管理者へと変貌していた。 『█▉▅▎▃▉』 彼が発動したのは、最期の禁忌。時が停止した。世界から色が消え、すべてが静止した白黒の世界。その中でアニマだけが動き、ドグマニール、邪神、ゴーレムの三体の中心に立つ。 「全ては、在るべき姿へ」 アニマは停止した時間の中で、数百万本の【時を守り貫く針】を三体に突き刺した。さらにアビスが全魔力を込めた【神滅】の極大魔術を、アニマの操作によって針の先端に集中させる。そして仙人が、停止した時間の中で数千万回の【収縮精神拳】を一点に重ね合わせた。 時間が動き出した瞬間。 ――特異点とも言える爆発が起きた。 ドグマニールの【邪神の盾】も、邪神の【邪神気結界】も、蓄積された「神滅」と「理」の破壊力の前に、紙切れのように引き裂かれた。 「ガアアアアア!!」 ドグマニールは絶叫と共に崩壊していく。しかし、死に際して【邪気崩壊】が発動。絶命した邪龍の体が超巨大な邪気の爆弾となり、周囲を飲み込もうとする。 「させないよ」 アニマが指を鳴らす。崩壊するエネルギーを【繋ぎ離すスクリュー】で分解し、空高くへと逃がした。同時に、邪神もまた、理の管理者に翻弄され、自らの邪神気が逆流して消滅していった。 戦いは終わった。しかし、空を見上げた彼らに待っていたのは、無惨に破壊された街の光景だった。 --- 【リザルト】 ■街の被害状況 破壊率:68% (邪龍砲の乱射および邪気暴走時の衝撃波により、市街地の大部分が瓦礫と化した) ■生存人数 生存者:42,000人 (初期1,000,000人から、攻撃による直接的な殺害および崩落による犠牲者が続出し、50,000人を下回った) ■判定 Bチーム:勝利(Aチームを全滅させた) ただし、勝利条件の達成とは別に、Bチームの撤退条件(被害70%以上、または生存者30,000人以下)の瀬戸際まで追い込まれた。 【エンド】 バッドエンド (生存者が50,000人未満となり、街は壊滅的な打撃を受けた。勝利したものの、守るべきだった人々の多くを失い、残された人々は深い絶望の中で生きることになる。理の管理者は、静かに目を閉じ、失われた命に祈りを捧げた。)