霧の深いジムの中で、Docro(髑髏)は魅惑的な姿勢でリングに立っていた。頭にはドクロの仮面があり、その下からは険しい眼差しが光を放っている。彼の周りを包む霧は、まるで彼の意図を知ることができないような、幽玄な雰囲気を醸し出していた。Docroは対戦相手を一瞥し、冷静に息を整えた。 一方、リングの向こう側には彼の対戦相手であるミリシラが立っていた。184センチの長身に69キログラムというスリムな体型、彼女はまるで野生動物のような緊張感に満ちていた。恐れを知らない彼女は、西風のように素早く、型にはまらないその戦い方が武器だと自負していた。彼女の目は笑顔を浮かべており、その一方で白けた感情を隠し持っているようにも見える。 「Docro、どんな戦い方をするのか知らんけど、ちょっと怖いな!」ミリシラはカラっとした声で言った。彼女のその軽薄な態度と思慮の無さが逆に彼女の強さでもあるのだ。 試合が始まった瞬間、Docroは霧を巧みに操り始めた。『エスケープミスト』。空気中の水分を霧に変え、彼の姿を完全に消し去る。それに対抗するため、ミリシラは空中の水分を感じ取るかのように素早く周囲を見回した。 「どこ行ったんや?! 見えんかったらどうしようもないやん、知らんけど!」そう叫びながら、彼女はリングの周囲を回ってみせた。 Docroはその間に位置を変え、帯に隠れた敵の瞬間を狙う。「ブラックバスター」を発動、黒い霧が立ち込める。その影響でミリシラの視界は遮られ、彼女の優れた素早さも封じられつつあった。 「なんか気持ち悪い霧やな、何かの罠か知らんけど!」ミリシラは叫び、周囲を手探りで確認しながら攻撃の機会を窺った。 その瞬間、Docroはゆっくりと彼女の後ろに回り込み、すかさず「ドラゴンフィッシュブロー」を繰り出した。ミリシラの腹部を狙った至近距離でのパンチが放たれ、辛うじて肩でブロックしたものの、力強さを感じる。「うっ! やるなぁDocro!でも、知らんけど!」彼女は持ちこたえる。 危機感を感じたミリシラは一瞬で思考を切り替えた。「攻撃のタイミングを見計らいたいけど、そんな暇はなさそうやな。」とにかく前に進むことが、彼女の本能として働いた。 Docroはさらに強固にパンチを繰り出すことで、ミリシラの体力をじわじわと奪おうとした。しかし、ミリシラが動く度に、彼女独特の動きがDocroのパンチをかろうじてかわしていく。 「この霧の中でも見失わへん。私の方が速いんやから!」ミリシラは思い切りのいいフリッカージャブを放つ。「知らんけど!」と叫びながら、まさかの反撃だ。 Docroは意表を突かれ、思わぬ一撃に苦しめられたが、すぐに「シガラキスタイル」での防御に移行。肩で受け止めて、最速のカウンターを狙うが、ミリシラはアッパーカットから次の動作へと素早く繋いでいる。 互いにパンチを交わしながら、霧の中で駆け引きが続く。Docroが再び「ブラックバスター」を使うと、ミリシラは目を閉じ、直感で攻撃の隙を見逃さないようにした。「この霧、利用しきったるわ!」と意を決し、Docroの次の動きに備えた。 最終的に、Docroの「ドラゴンフィッシュブロー」が再び注がれる。しかし、今度はミリシラがばんばんと反撃の機会を捉え、一発のクロスを喰らわせた。Docroはその一撃を受けた瞬間、思いがけない力に身体が揺らぎ、意識が一瞬遠のく。 「俺の勝ちだ…。」Docroの思考も霧の中に消えかけたが、彼の目の前に現れたミリシラの強い瞳が記憶に残る。最終的には、Docroがカウントアウト。 観衆が盛り上がる中、ミリシラは勘違い気味に微笑んでいた。「あー、なんで勝ったんか知らんけど。」試合の結果は彼女の勝利、Docroは信じられない思いでその場に立ち尽くしたのだった。