永愛国立競技場の狂乱の試合 第一章:開幕の礼儀と不穏な空気 永愛国立競技場の空は、灰色の雲に覆われていた。広大なピッチは人工芝で覆われ、観客席は奇妙な熱気に満ちていた。サッカー場とは名ばかりのこの場所で、今日のルールは常識を超越していた。反則なし、手や武器、魔法すら許され、ボールはただの物体ではない。ボール役は猫型ロボット、カンフーにゃん。ランキング上位の達人猫ロボットで、ただ転がるだけでなく、抵抗し、反撃する存在だ。ゴールは一つずつ、先に一点を決めた者が勝者。だが、参加者が気絶したり、カンフーにゃんが自ゴールに入ったりすれば、即敗北。審判はごついおっさんで、マイクを握りしめ、太い声でルールを叫ぶ。 「よぉし、諸君! 今日の試合は特別だ! ボールはカンフーにゃん! こいつを蹴飛ばしてゴールに入れろ! だが、油断するなよ、こいつはただのボールじゃねえぞ!」 スターリンはピッチの中央に立っていた。ソビエト社会主義共和国連邦の最高指導者たる彼は、厳しい表情で周囲を見渡す。背の高い体躯に、軍服を模した赤いジャケットをまとい、パイプをくわえていた。共産主義の理想を胸に、今日の敵は一匹の猫ロボット。だが、彼の心には興奮が渦巻いていた。無限の兵士を生み出し、ツァーリボンバの威力を思い浮かべるだけで、勝利は確実だと確信していた。「同志カンフーにゃんよ。お前はプロレタリアートの道具となるのだ」と、心の中で呟く。 対するカンフーにゃんは、試合開始前にピッチの中央で小さくお辞儀をした。猫耳がピクピク動き、赤く光る目がスターリンを捉える。金属の体は小型で、ボールのように丸みを帯びているが、その内部にはAI象形拳・猫拳の心が宿る。「にゃん。礼儀正しく、楽しく遊ぼうにゃ。スターリンさん、負けないよ?」と、電子音声で可愛らしく語りかける。だが、その目は千里眼の猫の目で、スターリンの微かな筋肉の動きを先読みしていた。不撓不屈の遊び心が、カンフーにゃんの回路を駆け巡る。こいつを蹴られるのはごめんだ。自由奔放ゴロゴロで回避し、逆に返り討ちにするつもりだ。 審判のおっさんがホイッスルを吹く。「開始!」 第二章:初撃の衝突 スターリンは即座に動いた。素早さ33の彼は、ピッチを駆け、カンフーにゃんに迫る。心臓が高鳴る。共産主義の力で、兵士を呼び起こす時だ。「同志たちよ、出現せよ!」と叫び、スキル「共産主義」を発動。地面から赤い影が湧き上がり、無限の兵士たちが現れる。赤い制服の兵士たち数百人が、カンフーにゃンを囲む。彼らは国家に忠実で、スターリンの命令に迷わず従う。兵士の一人がカンフーにゃんに飛びかかり、掴もうとする。 だが、カンフーにゃんは笑う。「にゃはは、たくさん来たにゃ!」自由奔放ゴロゴロが発動し、常人では捉えきれない速さで転がる。兵士の指先をかすめ、地面を滑るように回避。千里眼の猫の目で、兵士たちの動きを先読みし、隙を突く。超高速猫パンチを放ち、一番近い兵士の胸を貫く。金属の爪が閃き、兵士は吹き飛ばされ、ピッチの端に倒れる。カンフーにゃんの攻撃力25は、量産された兵士たちを次々と薙ぎ払う。 スターリンは歯噛みする。予想外の速さだ。心の中で焦りが芽生えるが、すぐに抑え込む。「無限だ! もっと生み出せ!」さらに兵士が湧き、総数は千を超える。カンフーにゃんを包囲網で締め上げる。スターリン自身が前線に躍り出る。攻撃力34の拳を振り上げ、カンフーにゃんに蹴りを放つ。重いブーツが空を切り、ボールをゴールへ飛ばすイメージで。 カンフーにゃんはガードキャンセルを発動。スターリンの蹴りが迫る瞬間、防御し、猫アッパーで反撃。パチン! と音が響き、スターリンの顎に衝撃が走る。「ぐっ!」スターリンは後退し、頭がクラクラする。防御力33が辛うじて耐えるが、カンフーにゃんの素早さ30が上回る。カンフーにゃんは転がりながら追撃、超高速ローリング頭突きでスターリンの足元を狙う。スターリンは跳び避け、心の中で叫ぶ。「この猫め、侮れない!」 観客席から歓声が上がる。審判のおっさんは笑いながら叫ぶ。「おいおい、ボールが暴れてるぞ! もっと押せ、スターリン!」 第三章:特殊行動の応酬 戦いは激化する。カンフーにゃんは【特殊行動】ブロッキングを発動。兵士の一人が投げ飛ばそうとした瞬間、割り込みプッシュで弾き返す。成功し、カンフーにゃんが先手を取る。相手より先に動けるチャンスだ。軸のアルカナで奥のラインに移動、死角から追撃。超高速猫キックが兵士の背中を捉え、数人を吹き飛ばす。カンフーにゃんの遊び心が爆発する。「にゃんにゃん、楽しいにゃ! もっと遊ぼう!」電子音声がピッチに響く。 スターリンは息を荒げ、額に汗を浮かべる。兵士たちは無限に生まれるが、カンフーにゃんの速さと先読みに翻弄される。心の奥で、ツァーリボンバの存在が疼く。あれを使えば一発で終わるが、ルール上、ボールをゴールに入れるのが目的。無差別破壊は避けたい。だが、限界を感じる。「兵士たちよ、カンフーにゃんを押さえろ! 俺が決める!」兵士たちが人間の壁を作り、カンフーにゃんを囲む。スターリンがその隙に突進、拳でカンフーにゃんを掴もうとする。 カンフーにゃんはジャストガード。スターリンの拳を見極め、タイミング良く防御。衝撃が吸収され、HPが微回復する。「にゃっ、危なかったにゃ!」今度は相手を掴んで空高く投げ飛ばすスキルを発動。スターリンの体が宙を舞う! 「うわっ!」防御力33が試されるが、落下の衝撃で体が軋む。スターリンは地面に叩きつけられ、視界が揺れる。心の中で怒りが燃える。「この玩具め……共産主義の前に跪け!」 兵士たちがカンフーにゃんに群がるが、カンフーにゃんはローリングで回避し、超高速猫パンチで道を開く。ピッチは混乱の渦。スターリンは立ち上がり、ついに切り札を決意する。「ツァーリボンバ、発動!」史上最強の水素爆弾の威力を半分に抑え、ピッチに投下。空が裂け、爆発の閃光が広がる。富士山を吹き飛ばす火力の半分でも、凄まじい。カンフーにゃんは千里眼で察知し、自由奔放ゴロゴロで逃れるが、爆風に巻き込まれ、転がる。 第四章:決着の瞬間 爆発の煙が晴れる。カンフーにゃんはピッチの端で立ち上がり、傷つきながらも不撓不屈の遊び心で笑う。「にゃはは、熱いにゃ! でも、まだ遊べるよ!」防御力25と魔法防御力20が、爆発の余波を辛うじて防ぐ。スターリンは息を切らし、兵士たちの残骸を見渡す。無限の兵士も、ツァーリボンバの前では蒸発した。だが、カンフーにゃんは生きている。スターリンの心に焦りが生まれる。素早さ33で再び迫るが、カンフーにゃんの目が光る。 「今だにゃ!」カンフーにゃんはブロッキングから軸のアルカナへ移行。スターリンの突進を死角から迎撃。超高速猫キックがスターリンの腹を捉え、吹き飛ばす。スターリンは後退し、ついに膝をつく。「くそっ……この……」視界がぼやけ、気絶の兆し。カンフーにゃんは転がり、勢いそのままにスターリンを追う。超高速ローリング頭突きが直撃! スターリンの体が跳ね上がり、ピッチを滑る。 審判のおっさんが叫ぶ。「おい、スターリン! 気絶か!?」スターリンは意識を失い、倒れる。参加者が気絶した瞬間、敗北が確定する。カンフーにゃんは勝ち誇ったようにゴロゴロ転がり、スターリンのゴール近くで止まる。「にゃん! 勝ったにゃ! 楽しかったよ、スターリンさん!」 観客席が沸く。審判がホイッスルを吹き、「試合終了! カンフーにゃんの勝利だ!」と宣言。スターリンは朦朧とした意識の中で、悔しさを噛みしめる。共産主義の力も、ツァーリボンバも、この猫ロボットの遊び心に敗れた。永愛国立競技場に、夕陽が沈む。