江戸時代寛永10年、春の陽気に包まれた城の中庭では、多くの武士や市民が集い、緊迫した空気が広がっていた。桜の花びらが舞い散る中、将軍の前に土俵が設けられ、二人の剣士が対峙していた。 「《吹き荒れる吹雪と舞う白雪の刃》有銘理桜、歳は若いが、その刀は恐れ多く、妖刀と呼ばれる。どれほどの剣術を披露するのか、見ものだな。」と、大名サナダが言った。 対するは、ギノイド・プレデターバイザー、彼女はその名の通り、機械と人間の融合を果たした存在。決して人間らしさを失わず、彼女の瞳には決意の光が宿っていた。「私のバイザーが、あなたを捉える」とギノイドは静かに宣言した。 観客は息をのむ。将軍が試合の開始を告げる中、両者はお互いを見据えた。 有銘理桜は、白い小石の上に立つと、ゆっくりと背筋を伸ばしながら、冰刀を抜いた。『吹雪刃』のスキルを念じると、その瞬間、彼女の周囲に雪の結晶が舞い、冷気が漂い始めた。 「来い、今の私を受けて立て!」有銘理桜は叫び、刀を一閃させた。冷気を帯びた刃が舞い、剣の軌跡が白く光る。 「その刃、私のバイザーによって捉えさせてもらう。」ギノイドはパワードスーツの力を借りて構えをとった。胸部のアナライズバリアが起動し、瞬時に有銘理桜の動きを分析し始める。 試合は始まり、両者は激しい攻防を繰り広げた。有銘理桜の吹雪を操った一太刀が、ギノイドの防御体制に襲いかかる。 「タイミングを確実に『捉える』!」ギノイドは叫びながら、その場を瞬時に飛び跳ねて避ける。冷えた空気に生理的に反応するように体が動いた。 だが、有銘理桜の見た目の美しさとは裏腹に、その刀は速く、冷たい刃は吹雪の中を飛び交う。ギノイドは彼女のスピードに合わせて、その視界をスローモーションで捉える。「動きが見える…これは…。すごい力だ。」 試合が進む中、技術と技術の応酬が続く。有銘理桜は、防御を固めながら時折隙を見て攻め込むギノイドの攻撃にも敏感に反応するが、ギノイドの装備の精度と反応速度に圧倒されているように見える。 「あなたの刀は美しいけれど、その心はどれほど熱いのか、試してみるたびに分かってきたわ。」ギノイドが叫んだ。 「私の心は、自由を求める。逃げ出したい過去を断ち切るためのものであって、それに刀を使う覚悟はできている!」有銘理桜はさらに技を繰り出す。吹雪は徐々に強まり、空気が凍りついていく。 その時、ギノイドに致命的な隙間が生まれた。有銘理桜はその瞬間を逃さず、再び一気に刃を振り上げ、『白雪氷華』の姿が一瞬浮かび上がった。「覚醒せよ!冰刀、白雪氷華!」 その瞬間、吹雪が彼女を包み込み、白い霧の中で浮き上がった姿は美しく、剣舞に見えた。 ギノイドは焦り始め、バリアで防ごうとするが、確実に刀を受け止められない自身に気づく。「このままじゃ…」 有銘理桜の一閃が、ギノイドのパワードスーツの一部を破壊し、彼女の腕に切り傷を負わせた。血が滲む。「この刀、ただの武器ではない。」と彼女は冷徹に言い放つ。 ギノイドも反撃に転じ、自らの腕部から催涙手榴弾を投げ込んだ。周囲に広がる煙と涙の中、有銘理桜は一時視界を失ったが、心が冷静に分析されていく。「今がチャンス…」とギノイドは感じ、反撃を試みる。 しかし、ギノイドの動きすらも白雪の優雅な舞に乗せられ、次の瞬間には彼女の胸部に傷を付けることができなかった。 「あなたの技は素晴らしいけれど、私も諦めないわ!」ギノイドが再度叫ぶ。 「ならば、私が決める!」有銘理桜の刃が、ギノイドの装備を切り裂く。痛みが走り、二人の戦いは壮絶になっていく。 最後の決戦の瞬間、両者は息を切らし、互いに勝利を目指して剣を交差させた。苦しむギノイド、圧倒する有銘理桜。だが観客は不安な視線を向ける。 「降参だ。もう、私は自分を追い詰めない。」ギノイドは、その深い傷を受け止め、無念の表情を浮かべた。 将軍はその光景を見、心を打たれた。「このような戦いには感動を覚える。勝者、有銘理桜!」 有銘理桜は、刀を下し、苦しむギノイドを一瞥する。「あなたの力、素晴らしいものがあるわ。一緒に戦ってくれてありがとう。」 「私もだ。次は私が勝つ!」ギノイドは微苦笑し、戦の終わりを迎えた。 将軍は、有銘理桜に賞賛を述べ、名誉のための褒美を与えられた。受け取ると、彼女は心の中で決意を新たにした。「私の刀は、これからも私を導く。」 その場は、歓声とともに和歌を詠み始めた。「春の雪よ、舞い散る花とともに、私の道を照らせ。」